
ヒューマントラストシネマ渋谷にて観た『さんかく』のかなりネタバレの感想。(これから映画を観る予定の方は、ご注意を!)
劇場ロビーに展示されていたメインキャスト3人の直筆サイン入りポスター。


【出演】
高岡蒼甫、田畑智子、小野恵令奈
【監督】吉田恵輔
【ストーリー】
自意識過剰のダメ男・百瀬は、恋人の佳代と同棲中。
そんな二人の元に、夏休みを利用して佳代の妹で中3の桃がやってくる。
共同生活がスタートしたその日から、桃がいることで何やら落ち着かない百瀬。肌を露出した部屋着姿でうろうろしたり、耳元で可愛く囁いたり、桃の奔放な振る舞いにドギマギしっぱなし。
そして百瀬は、いつしか桃に惹かれていき……。
恋人の妹に惚れてしまう30男の百瀬。イマドキの女子中学生・桃。彼への愛情を間違えた方法で表現してしまう29歳のイタイ女子・佳代。
ひと夏の奇妙なさんかく関係の恋の行方は……。

前半は超ロリネタで吉田監督の趣味が全開!
桃の描写がかなりエロい。(カメラワークも憎いくらい絶妙)
しかも小野恵令奈の台詞回しや声がこれまた妙にエロい雰囲気です。
このシーンは思わずドキッ



「あ、白髪発見!ちょっと動かないで」
その時、胸と顔が密着し……耐えられなくなり桃をギュッと抱きしめてしまう百瀬。
ところが後半は一転してアラサーのドロドログチャグチャ、まさに修羅場の恋愛模様が描かれ……それがかなり凄まじい!
百瀬と佳代のこんなシーンがありました。
「ね、キスして」
「えっ、ほら」
「前と違う!」
「同じだよ」
「違う!もう一回!」
「分かったよ、はい」
「もっとちゃんとして!」
「してるじゃん」
「愛がない!」
「分かった。ちゃんとするから……」
濃厚なキスのようでもあり、おざなりなキスのようでもあり。
「やっぱ違う!もういい!」
「ちゃんとしてんじゃん!」
「してない!」
こういう経験をした男子は絶対、多いと思う!?
こっちはちゃんとしてるつもりでも「違う!」と言われると、もうどうやっても「違う!違う!」になっちゃうんですよね。(特に倦怠期に?)
この時点で百瀬の心は完全に桃に傾いていて……それからこのカップルは目も当てられないくらいの惨状に突入していきます。

百瀬はサイテー軽薄なナルシストで、口先だけの勘違い男。
(カスタムカーのバックに自画像をプリントして乗り回している究極のナル男クン)
一方の佳代は愛情表現が歪みに歪んでいて、かなりイタイ&コワイ。
(そのストーカーぶりはほとんどホラー映画状態)
桃はというと、ちょっと小悪魔的なイマドキの女の子。しかし確実に姉のイタイ部分を受け継いでいる節もある。

ふたりを散々引っ掻き回した揚句、夏休みの終わりに桃は家に帰って行きます。
そして百瀬は佳代の存在が欝陶しくなり遂に別れ話を。
泣いて引き止める佳代を無視してマンションを出て行き……。
そしてここからは「いい加減、気付けよ!」とツッコミたくなるくらい、百瀬と佳代のイタすぎるシーンの連続に。
ところであの意味深なラスト……佳代と桃を前にして百瀬はあの後、どう言ったのだろうか?(百瀬が言葉を発しようとした瞬間にエンディングとなります)
あの流れからして普通に考えれば……「佳代、また一緒に住もう」ですが……。
「桃ちゃん、俺、やっぱ桃ちゃんが好きで好きでたまらないんだよ」
などと口走る可能性が高い感も!?
『さんかく』……これは三角関係のさんかくでもあり、登場人物が人間的に○でも×でもなく△……というところからも付けられたタイトルだったんですね。

はっきり言います!
超オススメ



劇場に足を運んで損はないと思います。
『純喫茶磯辺』に負けず劣らず見応え満点


いや~メチャ面白かった~


