「オッケー、作ろ、作ろ。わしも同じこと考えとった」
「お前にはベースをやってほしいんじゃ」
「ベースか~カッコええのぅ。ポール・マッカートニーみたいじゃのぅ」
「君にわしらのバンドに入ってもらいたい。ドラマーとしてのぅ。オナゴにもてるど」
「ほんまか?ほんまにオナゴにもてるんか!?」
こうして誕生した‘ロッキング・フォースメン’

1960年代の四国の田舎町を舞台に、高校生バンドの結成~解散までを描いた……これ



『青春デンデケデケデケ』(1992)
監督:大林宣彦
世代は関係なく、学生時代にバンドをかじっていた人が観れば、「ああ!そうそう、俺たちもあんな感じだった~!」と懐かしい気分に浸れる作品です。
クライマックスは文化祭のステージ。
彼らにとって最初で最後の晴れ舞台。
生徒、先生、父兄らが大熱狂するなかのライヴシーンは思わず熱くなります


そして……卒業のため、彼らはそれぞれの道を歩むことになり……。
「せっかくリーダーにしてもろても、これで解散じゃのぅ」
「お前は東京に行って、曲を書け。ええのが出来たら、わしらがいつでも演奏したる」
「まずは大学に受からんとな」
「お前なら受かるわ。頑張れよ」
主人公の少年が列車に乗って東京へ旅立つ……そこにギター音が被って……エンディング。
林泰文、浅野忠信、大森嘉之など、当時の若手役者が自然体の演技で好演


ロックを始めるために髪の毛を伸ばし始めたり、バンド名を決めるのに大議論をしたり、ギターを背負って自転車で練習場所へ向かう……等々、自分の高校時代とリンクするかのようなシーンが数多く登場。
完全に感情移入してしまい、ラストは涙が止まりませんでした。