学生時代のバイト体験談。
コンサートスタッフのバイトを3年くらいやっていたのだが、某ロックバンドのコンサートのときのこと。
スタッフの担当者から「この弁当、楽屋に持って行ってくれる?」と頼まれたオレは一瞬ビビった。
そのバンドのメンバーは全員トンがった雰囲気で、イロイロと荒っぽい‘武勇伝’も噂として聞いていたからだ。
弁当の入ったダンボール箱を抱え向かおうとすると、背後から声が掛かった。
「失礼のないようにな。ま、気をつけて」
どういう意味…?
楽屋へと向かう間に緊張感が増してきた。
楽屋のドアをノックする…が返事がない。
オレは意を決して「失礼します」とドアを開けて中に足を踏み入れた。
瞬間、コワモテのメンバー達の鋭い視線が突き刺さる。
ライブを前にして、殺気だっているのか!?
弁当を持ってきただけなのに、なんでこんな睨まれないとならんネン。
「お疲れ様です。お弁当をお持ち致しました」
あ!ヤバッ!ボーカルのMと目が合ってしまった…。
すると…「ご苦労様。そこに置いといていいよ。ありがとう」
優しく微笑むM。
あれ?実は結構いい人?目茶苦茶感じがいいんですけど。
オレは深々と頭を下げて逃げるように外に出た。
そのとき…ドア越しから嬌声が。
「美味そう~トンカツ弁当だよ!」
こんなこともあった。
ライブ終了後、客席をチェックして廻っていると…座席の下に何やら白いモノが落ちている。
ハンカチやタオルの忘れ物は珍しくないので何気に拾い上げたところ…一瞬フリーズ!
なんとそれは、女性の下着(パンツ)だった。
何故にパンツ?
ライブに興奮してしまい、我を忘れて脱いだとか?
もう頭の中は「???…」
真相は未だに闇の中だ。