「新・ナルオ君3」 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

その次の日、俺は学校でナルオと顔を合わせた。

「昨日、あれからどこに行ったんだ?」
「え?あれから?聞きたい?聞きたい?どうしても聞きたい?聞きたいの?もうしょうがねえなぁ。お前には負けたよ」

テンション高っ!この勢いだと、こっちから聞かなくても勝手に話し出しそうな感じだ。

「あれからU子がさぁ」
呼び捨てかい!すっかり自分の女気取りだよ。

「事務所の中で、潤んだ目で誘ってくんだよ。身体を擦り寄せてきてさぁ、参ったよ」
「なんて誘われたの?」
俺は大体の察しはついたが、敢えて聞いた。

「この契約書類にサインしてくれたら、私のことをスキにしてもいいって迫ってくんだよ。全く、モテる男はつらいよ」
「契約って?」
「なんかよくわかんないんだけど~何かの教材とか言ってた」
「わかんないって…よく把握しないでサインしちゃったのか?」
「うん」
こいつは、疑うということを知らないのか?
ある意味、純粋な奴ともいえるが…いや、ただの世間知らずのスットコドッコイ野郎だ。

「それで、幾らの契約したの?」
「幾らだったっけな~たいした金額じゃなかったけど」
奴は鞄の中をゴソゴソやりだした。

「あ、あった。これこれ」
と一枚の紙を取り出す。
「これに金額書いてあるよ」
俺はその紙を奪うように受け取り目を通した。
え!?ウソ?ひ、百万!マジかよ。

「な、たいした金額じゃねえだろ」
「お前にとってはそうでも、俺にとってはスゲー大金だよ。お前、実は金持ちだったんだな」

「ハハハ、セコいこと言うなよ。十万くらいで」

ん?十万?空耳か?

「十万でU子と付き合えるんなら、安いもんだよ」

やっぱ十万って言ってる。
もしかして、こいつ…一桁見間違えてんのか。だとしたら救いようのない究極のアホだ。

「よく見ろ!十万じゃない。百万だろ、この数字は」
「クフフ、そんな冗談には引っ掛かりませんよ~だ。バカだな、お前は」
「いいから桁をよ~く数えろって」

「はいはい、わかりましたよ~うるせえな。だいたい数字を見間違える訳ないだろ。自慢じゃないけどソロバン8級だぞ、俺は~えぇと…一、十、百、千、万……ほわっ!なっ!なっ!何だこれ!な、な!」

これからどうなる…ナルオ君…「続く」。