『Jards Macalé』はJards Macaléが72年にリリースしたデビュー・アルバム。Macaléは、ベースとギターを担当したLanny GordinとドラムのTutty Morenoの3人だけの躍動感に満ちたImaginativeな演奏で独自の世界を描き出す。Maria BethâniaやJoyce、Nara Leãoに楽曲を提供してきたMacaléは作曲家としても才能に満ちたMusicianではあるが、ここではSimpleでJam Session風なTrioの演奏がMagicalな旋律を見事に浮かび上げることに成功している。Tropicáliaにおいて重要な役割を果たしたLanny GordinとJoyceのPartnerとなる名手Tutty Morenoの変幻自在の素晴らしいリズム隊に感服する。
アルバム1曲目“Farinha Do Desprez”はFunkyかつJazzyなイントロのギターが激カッコイイ。切れ味抜群のリズム隊にのってMacaléがMagicalな旋律を歌い出すと、その魅力にあっという間に弾きこまれてしまう。
“Revendo Amigos”もGordinの心地良くうねるベースが印象的。Macaléらしい脱力した飄々としたVocalもイイ感じ。
Bluesyな“Mal Secreto”は気怠く歌うMacaléのVocalが素晴らしい。
優美で夢見心地のイントロから惹きこまれる“78 Rotações”はMacaléのMellowで洗練された音楽性が発揮されている。
弾き語りの“Movimento Dos Barcos”はMacaléの美しく哀感に満ちた旋律を歌い上げるVocalも情感タップリ。
“Meu Amor Me Agarra E Geme E Treme E Chora E Mata”も切ない哀愁の旋律がグッとくる。
“Let's Play That”はTropicáliaの重要人物Torquato Netoが歌詞を書いた激カッコイイJazz Rock。
“Farrapo Humano / A Morte”はLuiz Melodiaの“Farrapo Humano”とGilberto Gilの“A Morte”のMedley。
アルバム最後をシメるのは弾き語りであっという間に終わる哀愁の“Hotel Das Estrelas”。
◎Let's Play That/Jards Macalé
(Hit-C Fiore)