「ヘビイチゴ・サナトリウム」 ほしおさなえ ★★ | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

中高一貫の女子校で高校三年生の江崎ハルナが屋上から墜落死した。
先輩の死を不思議に思った海生は友人の双葉とともに真相を探り始める。

様々な噂が飛び交うなか、ハルナと交際していると噂になった国語教師も墜死した。

小説家志望だった彼は、ハルナと小説を合作していたが、なぜか死の直前に新人賞受賞を辞退していた…。



ヘビイチゴ・サナトリウム (創元推理文庫)




つまらないとか面白くないとか以前に、


ぼんやりしていて何がなんだかわからないと言うのが正直なところ。


ミステリの面白さって、


複雑にこんがらがってしまった紐がまっすぐな一本の紐になるところにあると思います。


それが少しずつほぐれていく様子や、


もしくはさっきまでぐちゃぐちゃだったものが、


手品のように一瞬にしてほどける様子をみせることがミステリの醍醐味でしょう。



ところが本作から受ける印象はたとえるなら、こうです。


ぐちゃぐちゃにからまった紐にハンカチが被せてあります。


だからその絡まり具合もよくわかりません。


物語の終盤にきてハンカチは少しずつ取り除かれ、紐の全貌が明らかになります。


で、お終い。


見えるようにはなったけれどからまった紐はからまったままです。



どうして女性の作家さんというのは、


(一部の人を除いて)こういう昔の少女漫画みたいな話が好きなのでしょうか。


こういうのが書きたいならミステリというジャンルはやめたほうがいいと思います。


解決しても何にもすっきりしないミステリなんて…魅力ない。