「作家の履歴書」 角川書店 ★★★ | 水底の本棚

水底の本棚

しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

当代きっての人気作家が、志望動機や実際に応募した文学賞、デビューのきっかけなど、作家になるための方法を赤裸々に語るノンフィクション。

作家志望者必読の、様々なデビュー方法が具体的に学べる決定版。


作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法 (単行本)



収録されている作家さんがすごい。


若手からベテランまで、ジャンルもバラエティに富んでいる。



阿川 佐和子、石田 衣良、江國 香織、荻原 浩、北方 謙三、小池 真理子、

椎名 誠、白石 一文、辻村 深月、佐久間 文子、夢枕 獏、森村 誠一、

皆川 博子、道尾 秀介、誉田 哲也、藤田 宜永、高野 和明、朱川 湊人、

桜庭 一樹、北村 薫、角田 光代、大沢 在昌。



誰をとっても、「誰だよそれ」って作家が一人もいない。


その作家さんたちが、自分のデビューのきっかけや、作家という職業に対する思いなんかを、


飾らない言葉で書いてくれている。


特に森村誠一さんの作家になった動機はすげえなあと思った。




極上のエッセイ集である。





読書好き、本好きが嵩じると、自分でも書いてみたいという欲求につながるようだ。


本が好きだという気持ちは僕も負けていないつもりだが、


僕の場合は、それが「本を書く」のではなく「本を売る」という行為に発展した。


ストーリーテラーならぬ、ストーリーセラーになったわけだ。


(あ、うまいこと言ったよ?)



僕は本書をけっこう楽しく読んだが、だからと言ってこれが作家志望の人たちの参考に……


なるとはあまり思えなかったなあ。


エッセイとしては十分楽しいのだけれど。