「3652 伊坂幸太郎エッセイ集 a decade」 伊坂幸太郎 新潮社 ★★★ | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

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「喫茶店」で巻き起こる数々の奇跡、退職を決意したあの日のこと、「青春」の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、偏愛する本や映画に音楽、「干支」に怯える日々、恐るべき料理、封印された「小説」のアイディア―20世紀「最後」の「新人作家」が歩んできた10年。



3652―伊坂幸太郎エッセイ集




伊坂幸太郎さんの小説は本当に好きだ。


エンタテインメント小説としては、伊坂さんがナンバーワンだと思う。



エッセイの中で、伊坂幸太郎さんは、自分に影響を与えた作家として、


赤川次郎さん、西村京太郎さん、島田荘司さん、夢枕獏さん、大江健三郎さん


を挙げている。



特に島田荘司さんに関しては、この人がいなかったらミステリを書いていない、とまで語っている。


西村京太郎さんの「華麗なる誘拐」「殺しの双曲線」がお気に入りだそうで、ねたばらしギリギリ(というかアウト?)のところまで語ってしまうくらいの大絶賛。


僕もここで挙げられている五人の作家さんはそれぞれに好きだ。

特に、赤川次郎さんや西村京太郎さんはおそらく伊坂幸太郎さんと同じ時期に読んでいる。


「華麗なる誘拐」も「殺しの双曲線」も大好きで、何度も読んでいる。


伊坂さんとは他にも共通点は多く、サッカー部で「キャプテン翼」に熱中していたとか、「ドラえもん」がすきとか、仲の良い弟がいるとか、いろいろ。


(共通点と言うにはあまりにもフツーすぎるのだが)



それにしても、同じ作家さんを好きになり、同じ本を気に入って、


伊坂幸太郎さんはベストセラー作家なんだなあと思うと、


なんだかせつない。




まあ、そうは言っても書店員の身としては、


伊坂さんのようなベストセラー作家がいてもらわなくては食うにも困ってしまうので、


ぜひこれからも面白くて、バンバン売れるような作品を産み出してほしいものだと思うのだ。