お待たせしました!!
大好評アソンロジー第2弾をお届けします。日本作家界のドリームチームが再び競演。今回もオール読み切りで、読み応え満点。どこから読み始めても、他では経験できない読書体験が味わえます。
物語大好きのあなたも、これから読み始めるあなたも、お気に入りの作品が必ず見つかることでしょう。著作リストも完備して、新規開拓のガイドとしても最適です。
伊坂幸太郎さん、有川浩さん、近藤史恵さん、米澤穂信さん……とこれだけ僕の好きな作家さんたちの名前が並んだら、そりゃもう読まないわけにはいかないでしょう。
新刊が出たら単行本を無条件で購入するという作家さんが僕にはたぶん20人くらいいて、この四人はその中に入っているのですから。
(ちなみに文庫なら無条件で購入するという作家さんだと50人くらいになると思う。たぶん)
いやもう、楽しませていただきました。
(ただ、米澤穂信さんの作品は、これ、絶対長編の第一章だよね? 消化不良!)
一番のお気に入りは前回に引き続き、有川作品。「ヒトモドキ」です。
有川さんはこういう人間関係のゴタゴタを書くと本当に巧い。
嫌な上司とか、憎まれっ子とか、卑劣な犯罪者とか、厄介な家族とか……イラッとくるような人間を書かせたら本当に天才的だと思う。
これ、誉めてるのかな? 誉めてるんだけどさ(笑)
前作の「ストーリー・セラー」でも主人公の父親には、読んでいて目の前が真っ赤になるくらいに腹が立ったけれど、今回のヒトモドキも大概だ。
よくぞここまで病的な妖怪を描いたもんだと感心しましたよ、本当に。
彼女が最後の最後で気がついた“おばさんが本当に求めていたもの”。
それはちょっとばかり悲しい事実だったし、一瞬、おばさんに同情的な気分にもなったけれど、すぐに思い直した。
おばさんが“それ”を生涯かけて一度も手に入れることができなかったのは、自業自得というものだから。
ただ、僕も彼女と同じように祈るしかない。
次はおばさんがヒトモドキなどではなく、まっとうなヒトとして生まれてくることを。