今年初めて本を買った | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

今年初めて本を買いました。


「愛の妖精(プチット・ファデット)」 ジョルジュ・サンド 宮崎嶺雄・訳 (岩波文庫)


サンドの田園小説の中でも屈指の秀作とされているフランス文学。

なんでこんな似合わない本を読んでいるかというと。


最近、東京創元社刊の漫画、「ラ・プティット・ファデット」(作画・しかくの)を読んだから。

これは「愛の妖精」をミステリ仕立てにアレンジした作品で、綾辻行人さんが帯の推薦文を書いていたので、ついつい手を出してしまったのだけれども。

いや、面白かったんですよ、これが。


それにしても、本というのはこういうところが素晴らしいと思うんですね。

僕が綾辻行人さんを好きでなければ、しかくのさんの漫画には絶対手を出さなかっただろうし、しかくのさんの漫画が面白くなければ、下敷きになっている原作を読んでみようとしなかったでしょう。


だって、岩波のフランス文学ですよ?

いい年こいた男が手に取るジャンルでは、少なくとも、ない。

本が僕をリレーしてここまで運んでくれた。


これが本の良さだってつくづく思うんですよねー。


あ、なんか今日はちょっといい事言いましたよ?(笑)