伽藍全容(左端の龍澤不動尊と滝が見切れていますが)。
<本堂・感應殿(かんのうでん)>
悪病を退散させる薬師如来像が祀られています。
疫病が流行したときに薬師信仰が広まり、蔓延を防いだそうです。
天人にいざなわれながら極楽へ……。
正面向かって左側の窓から、龍王殿も見えます。
龍頭観世音菩薩
岡吉枝画伯親子により二年間をかけて制作された、縦横3メートルの大作。
ここ本堂か、境内にある放光堂に展示されています。
八大龍王の額と天蓋。
その名の如く天にかけられたハスを模したフタ。
いつ見てもユー・エフ・オーの如し。
二龍神の名。
そして次に向かうのは――
<本堂・慈照殿>
実はこの日ここへ訪れたのは、これを見るためだったのですが、
普段はここに展示されていない、有名なこの絵が企画展示されていたのです。
王昭君図
明治時代の日本画家・菱田春草の傑作(重要文化財)。
但し、この屏風は写し。
中国漢代の女性・王昭君は、楊貴妃・西施・貂蝉と並ぶ古代中国四大美人の一人。
昭和6年10月に金子八畝という画家が完成させた屏風のようです。
右の小さい方が本来の絵でしょうか。
ここ善寶寺の所蔵となってはいますが、東京近代美術館に管理を寄託。
自分も本物を見たのはこの時が初で、とても感動いたしました。
普段は確か飾られていないはずの、こちらの二龍神の絵も目的でした。
想像とはいえ、リアルですね。
説明がどこにもなかったので、作者などは不明でしたが、
二龍神こと二大龍王尊であることは見た目ですぐにわかりました。
こちらは……どなた?
後ろは天の浮舟?
古代の天皇でしょうか。
龍頭観世音菩薩の掛け軸バージョンもありました。
達摩さんに似ていますが、違っていたらすみません。
善寶寺の今昔。
きのこ状の如意(如意棒とかありましたね)。
ハスの葉かと思いましたが、龍の顔も描かれてありますね。
八大龍王の第三の龍(↑赤い字)が、
善寶寺を守護する龍宮龍道大龍王(=裟伽羅龍王)。
ある意味ドラゴンボールを持っていますね。
このように沢山の蛇紋石が、堂内のあちこちに置かれています。
ここはドラゴンボールならぬ蛇紋石を7つ集めて神龍(シェンロン)を呼び出し、
是非とも願い事を叶えてもらいましょう!!
……なーんて。
廃仏毀釈の際に、羽黒山から移されてきた聖観世音菩薩像。
各時代を通じて最も作例が多い仏像だそうです。
確かに羽黒山でもよく聞く・見かける名です。
こちらの二龍神も素晴らしいですね。
わざわざ造られたのでしょうか。
(しかも住所が私の友人の実家と同じ地区という偶然)
善寶寺を代表する歴代の高僧の方々でしょうか。
ひとつとして同じ模様がない蛇紋石はパワーストーン。
生体を活性化したり、魔除けにもなるとか。
普通にインテリアとしても良さそう。
中庭。
韋駄尊天と大黒天。
人面魚のポスター。
わ~い、でっかいお魚~。
木魚の原型となった開椰(カイパン)は、叩いて時間を知らせます。
お口の玉は煩悩を吐き出しているとか。
こちらも同様の銅鑼(ドラ)。
――外に出て、慈照殿(外観)の前を通り過ぎ、廊下の下を潜り抜けます。
この先から、龍王殿の外観を見ることができます。
<本堂・龍王殿>
中は撮影禁止のため、外観のみ。
特別拝観の時に一度入ったことがありますが、神々しい二龍神様の像がありました。
あとは水を現したかの如く、床が磨かれてツルッツルで美しいのが印象的でした。
竜宮城を模して造られた龍王殿とあり、造りも水系の意匠が多めです。
建物内部右手には善寳寺の歴代住職の位牌堂、
中央の菊の御紋の奥には有栖川宮家の御霊牌所、
左手の金色の扉の中には龍道大龍王、戒道大龍女の二龍神が奉安。
ぶっといアンヨが尊い。
宮家とあって16菊家紋ですね。
何だか白目むいた愉快なお顔に見えますね。
先ほど中から見た窓。
この右手の石段からも人面魚のいる貝喰の池へと行けますが、
こちらを歩いて行く人はほとんどいません。
(山道をひーこら汗だくで20分ほど ← 経験者は語る)
――では戻ります。
そして、通常の楽な道から貝喰の池へと向かいます(笑)。