一昨年の羽黒山・蜂子神社に続いて、
今年は人面魚ブームを巻き起こした善宝寺・龍王殿のご開帳。

公開されるご尊体は、高さ25センチほどの金箔を施した木造で、
法華経(現在の寺は曹洞宗)を守護する北辰妙見大菩薩を中央に、
両隣に龍王龍女を伴ったもの。
菩薩の頭の上には龍の形を表す北斗七星が彫られている。

2016年 7/18 ~ 10/28 (8時~16時)まで。


拝観料500円。

ちなみに次のご開帳は、50年後だそうです。


 
  


 善宝寺の龍神
 

今から千年以上前、善宝寺の開基妙達上人は、金峰山・羽黒山に入峰し、
さらに京に上って学を究め、矢引の宮泉寺の奥の院にこもって、
ひたすら仏教の奥義の探求を続けていた。
やがて下川村にささやかな庵を結び、法華経を誦して明け暮れた。
いつしか近郷近在の人々が上人の読経の席に集まるようになったが、
その中に誰の目をもひく美男と美女の二人が加わるようになった。

ある日、いつものように上人が読経を終え、里人が帰るのを見送っていると、
件の男女が正座したままうなだれていた。
前からこの二人を何かの化身に違いないと睨んでいた上人はさりげなく、
「何か御用か?」と問うた。
ふたりは頭を上げ、「すでにお気づきのようで……」と、
自分たちが貝喰池に天下った龍の化身・龍王と龍女なのだということ、
上人の説教を聴き仏法のありがたさを知ったことを告げた。
そして、「いつまでもお導き下さるよう……」と深々と頭を下げるのだった。
上人は感服し、龍王に竜道、龍女に戒道の名を与えた。
二人はこの先信者の人々が風水の厄難を免れるようお守り致しましょうと言うと、
龍の姿に立ちかえり、貝喰池から黒雲に乗って昇天した。

これより寺は大いに繁昌し「龍華寺」と呼ばれるようになった。
寺はこの後も三度、龍の奇瑞にあやかり、名を善宝寺と改め、山号を龍沢山とした。
今も全国各地の海運業の人たちからの信仰があつく、目をひく掲額などが多い。



~ 角川書店 『日本の伝説4 出羽の伝説』 より ~



――龍といい貝といい黒雲といい美男美女といい、とってもUFO・宇宙人的。
今でも貝喰(かいばみ)池には、この2頭の龍が棲んでいるといわれています。
そして人面魚も健在ですが、龍の顔に見えなくもないという……龍の化身?


※ 善宝寺の過去記事は<コチラ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 

そして秋には、羽黒山・正善院黄金堂でもご開帳されるみたいです。

神仏和合の姿を伝える3体の秘蔵・出羽三山大権現と、
奉公先の江戸で「生きた大日如来」と崇められたお竹さんこと、於竹大日如来

2016年 9/25 ~ 10/30 まで。

拝観料 500円。



※ 正善院黄金堂の過去記事は<コチラ