昨日から、パンレットが舞台写真入りになったそうです。観劇しなくても購入可。

ドリボポスターも。



「♪きっしの~」という歌、気になりませんでしたか?日本語で「騎士」というと「き」も「し」も無声音なので、歌にすると難しいんですよね。なぜ、歌詞が「ナイツテイル」じゃないのか?・・・冒頭から気になったのがそれでした。

というより、幕開く前に気になったのが装置。うーん。このテイスト?地味。暗い。立体感はいいけど、全体の雰囲気が、正真正銘の王子様キャラのお二人が出演されるのだから、さぞかしきらびやかなのだろうと思ってたから、イメージと違ったなと思いました。ところが、この色合いが大変効果的に働くことに、後程気づくことになるんですね。

ジョン・ケアード氏といえば、大変な演出家じゃないですか。レミゼの人ですよね?・・あ、それなら納得か。
RSCのシェイクスピアは、1997年にエイドリアン・ノーブル演出の「真夏の世の夢」が最高で、(うわー、本物ってすごい)と思ったのが印象的ですが、演出家が違うと随分イメージも違いますね。

あ、パンフ買ってません。高いので。勝手な感想です。諸々パンフに書いてあったら、教えて下さいね。

最初に「これは二人の騎士の物語だぞ!」って紹介をするのも、とっても面白い。その部分がボッカチオとかチョーサーなのか、よくわかりませんが、メッチャ喜劇なこの作品を客観的視点から、内容に誘ってくれて、導入部分としての成功があると思います。元々シェイクスピア自体が、元本あったりしますからね。

次に、3人の未亡人の歌が素晴らしい。エミリアの主張する「平和」への伏線(なのか?)としても、心を打ちます。

さて、お膳立てはできたものの、これっていつの時代のどこの話?って、たぶん多数の人が思ったと思うんですよね。アフリカだろうなあ・・とは感じるけど、和太鼓に三味線入ってるし(三味線は反対派)、アフリカから東ヨーロッパの地理歴史に強い人ってあまりいないかと。それから、信仰。「騎士」って言われるとどうしてもキリスト教かと思ってしまうけど、偶像見てるとどうやら違うみたいで・・・など。まあ、なかなか最初が難しかったですよね。

そのあたりをなんとなーくクリアすると(わからなくても、ま、いいか!)、シェイクスピアお得意の人間関係のもつれとか、笑いの要素がたくさんあって、すごく楽しめましたね。あ、笑っていいのね!的なのを掴むと気楽になります。

光一くんと井上さんのデュオは、すばらしい。圧倒的ではあるのものの、井上さんの発声だと、美しすぎて今回の公演のちょっと土着な世界観には淡白かなあと思うところ、光一くんの発声方法で、リアルさが出て、ちょうどいいハーモニーになるんですよね。ほんとに心地いい!掛け合いも面白いし、そして放つオーラがお二人とも王子様で、ほんと、ぴったりでした。
SHOCKでもそうですが、光一くんの引き台詞(息を吸ってるみたいな台詞の言い方で、声が前にでない)は、後半少し気になりました。筋肉がある人って、つい力が入ると筋肉が収縮してしまうのかと。でも、あの笑顔!楽しいんだろうなあ。自分のこと以外人に任せられる解放感に溢れてました。

そこで先程の話に戻りますが、戦闘により、壁に囲まれた男達の閉ざされた心に咲く鮮やかな花の数々がとても効果的で、シェイクスピアにはいつも出てくる芥子や水仙の表すものが、色々な愛の形として、登場します。男達(アーサイトとバラモン)の同性愛が自己愛の鏡と言われますが、じゃあ、エミリアと牢番の娘(名前が覚えられない・・)の同性に対する愛はどうなるの?ということで、たぶん日本だと友情になっちゃうんだろうけど、シェイクスピアはそのあたり微妙だし、両性愛ありかなあと思ってます。
そして、くすんだ色の装置の中で、赤・緑・黄金色の衣装を着た華のような女性達の愛と平和への歌が素晴らしかったです。

舞台の感想は、ざっとこんな感じ。

おまけ:(ツイでも笑っていただき、ありがとうございます)
休憩中に、劇場外のトイレに行ったんですよ。帰りに黒服さんに「チケット見せて下さい」って言われて、茶封筒から出したら、なーんと、地元のお祭りの「やきそば券」でした!爆笑!係の人は、一瞬固まって、目を背けました。wwww

最初行こうと思ってた日に行けなくなって、急遽貴重なチケットを譲ってくれたお友だちと、レモネードで乾杯!




サマパラのまとめは、またいずれ。