神保町の古本やさんを歩いていると、
懐かしい自分の過去に出会える気がする。
小学校のころ、
暑い中、
夏休みも毎日ピアノの練習をしていたことを、
このヴェルディのピアノ練習曲の楽譜本が
ミステリーにはまった
大学時代の電車の中も思い出した。
歩いている人たち
みんなが、そんな昔の自分と
出会いながら本と向き合ってるのかな、と思って
まわりをみたら、
たしかにちょっとみんな子供の顔をしていた気がする。
そんなタイムトラベルを楽しんでいたのだが、
あまりの日差しに
くらくらしてきて、
ああ、カフェに入りたいと思ったら、
ふと道路の向こう側に目をやると、
まるで昭和がそのまま残っているような
建物に入った昔ながらのカフェたちが見え、
行こう!
そう思ったら
もう足はそちらへむかい、
信号を渡りお店の前にたどり着いていた。
建物の名前は「九段ビル」というらしい。
「東京珈琲 MR.Bearns」
というお店の前で、
ちょうど、
お店のおじさんが
店の前でモップをジャブジャブ
洗っていたので、話しかけてみた。
「こんにちは。
いつからお店をしていらっしゃるんですか?」
「30年前からここでやってるよ」
「味がある建物ですね?」
「おれは気にいってるよ。
暑いから中で涼んできな」
「はい」
カラーン
とドアを開け中に入ると、
中はひんやりとしていて、
白熱灯のやさしいひかりで包まれていた。
注文した「ざくろハイ」が
体を中から冷やしてくれた。
これはいい☆
ゆっくり読書ができそうだ♪
麻理子
PHOTO MAMIYA ZD
PLACE JINBOCHO
DAY JULY 2010