世論では安全保障関連法案に関する活発な意見が飛び交っているようだ。安倍晋三首相は「国民に分かりやすく説明し、理解してもらえるよう努力する」事を強調して述べている。日本が独立国として周辺国に対してどのように振る舞うべきか一層深い議論が必要であるし、独立国としてどのような国を目指すのかについての説明も欲しい。
一方、国際情勢を見てみると1991年から続いたアメリカの一極覇権構造が崩れ、東欧ではウクライナ危機、中東では国境を越えた地域部族間の内戦、東アジアでは中国の台頭が見られる。これはアメリカの支配力が衰退し、世界情勢が多極化していく過程だと見るべきである。多極構造においては、日本は敗戦後の対米依存体制をそのまま続けるべきではないと思う。二極構造時代に「成功」していた単純な対米依存の国防体制をそのまま続けていても、今後ますます多極化していく国際環境に対応出来ないからである。
16世紀から1914年の第一次世界大戦までの約300年間、世界は常に5つか6つの国が勢力均衡する構造となっていた。そう考えれば一極構造の方がアブノーマルで、多極化構造の方がノーマルであるという見方も出来そうだ。つまり、アメリカの覇権の相対的な衰退が続き国際構造が多極化していけば、日本には独立した国防能力が必要であり、同盟関係の多角 化も必要であるとする議論も十分に成り立つ。「いや!そんな事するとまた戦争になってしまう!」とヒステリックに主張する方には私はもはや何も言うつもりはない。