なにをどこまで教えるか、特にこのあたりは

 

・今何年生で、どのレベルにあるのか

・どこを見据えて教えるのか

 

というところに左右されます。

 

算数・数学だけに着目してみても、

 

①計算の手順を身につけなければいけないフェーズ

 

②計算の精度を上げなければいけないフェーズ

 

があります。

 

そして目標とする到達レベルによっても本人への要求レベルは変わってきます。

 

例えば文章題に関して

 

①適当にやって合ってたり間違っていたりを繰り返すレベルでいい(問題文の意味を理解できなくてもOK)→計算ができるなら、小学校のテストは70点維持が目標

 

≒ 将来的にとりあえず普通科または単位制総合科の高校に行ければいいレベル

 

②問題の意味を理解でき、解き方が教えてもらってあればたいていは解けるレベル →カラーテストなら80~90点、中学の定期テストで60~70点台、模試では偏差値45~55レベル(解き方のパターンをほぼ網羅していれば55自体は決して無理ではないが、当然のことながら計算の精度は相当高くないと難しい。計算の精度が低めだと、42~48程度になる)

 

≒ 将来的に偏差値50前後の高校に行ければいいレベル

 

③初見の問題でも自分で解き方を考えることのできるレベル(小中学校レベルであれば、定義がわかっていれば中レベルの問題を自力で解決できるレベル)

 

≒ それなりの高校に行きたいレベル

 

によって、求めるもの・指導の仕方は違うと考えています。

 

 

なにを教えて何を教えないのか、というのは非常に重要な問題であって、このあたりも指導者によって考え方が大きく分かれることと思います。

 

 

 

 

当塾での私の考え方をここに残します。

 

 

  計算のフェーズに関して

 

①計算の手順を身につけなければいけないフェーズでは、丁寧に正しいやり方でやり続けること・常に正答率100を目指すこと。

間違えたときにはすぐに解きなおしをせずに、どこを間違えているのか自分で見つけてみてから解きなおすこと。どこが間違えているかわからなければすぐに質問すること。(探し物は自分では見つけられないことが多いので)

正しい計算のやり方はもちろん教えますが、基本は思い出しながら自分で何度も間違わないように繰り返してみることです。

 

②計算の精度を上げなければいけないフェーズ・・これは本来①をきちんと通過していれば、スピードと精度の両方の本人なりのできる状況を維持というのは可能なのですが、

 

問題はそんなに計算が苦手でもなく、スピードは速く、雑にこなすことによって頻繁に間違えるが、模範解答見ればすぐ理解できるので当人は問題と思わない(わかっているから問題ないととらえる)ケース。これが本当にのちのちものすごく勉強の足をひっぱります。

結果的に頭がいいのに平均かそれ以下の高校に行くことになるというケースもかなり多いのではないのでしょうか・・とはいえ、私自身は別に学歴そのものにそこまでこだわっているわけではないので自分が良いと思うのならそれでいいのではないかとは思っていますけれども。

 

このタイプは、小学生のテストでも80点~90点は常にとれるし、ちょっと勉強したら小テストも満点近く取れることも多いのですが、この「雑に処理をする」というのは本当になかなか治るものではなく、教えてできるようになることでもないので、本人がどれだけ意識できるかという課題があります。それをどれだけ言い続けるか?言い続けないか(追い詰めないようにするか)の匙加減が本当に難しくて、今もまだ悩んでいる部分でもあります。本人が思っているよりものちのち取り返しのつきにくい深刻な課題になることも多いので、私は小学生時点でもかなり言ってしまいます。これがいいことなのか悪いことなのか、10年以上悩み続けているので、今後急に方針を変えることもあるかも知れませんが現状では言い続けます。

 

 

 

 

  文章題に関して

 

①計算するのにもかなり時間がかかり、割り算とは・掛け算とはなにをしているものなのか、分数がなにを意味しているのか、というのも概念としてなかなか理解できない生徒は正直います。

ある学年になった時点で急激に概念理解ができるケースもあるので、計算スキルが低い場合はそこまで気にしなくてもいいと判断することもありますが、中2~中3でこのレベルだったらこのまま①の要求レベルで突入します。基本的には小学生で入塾している場合は当塾は最低でも②のフェーズで勉強してほしいと思っています。

 

ただ②のフェーズとはいえ、基本的な問題ですら解き方を教えてもらわないと解けないのであれば、それはもう文章題ではなく計算のスキルの範疇だと考えています。パターン暗記も否定はしませんが、高校に入ると物量で詰むので、私としてはあくまで考えてもらうことを重視したいですし、ちょっと見方が違うだけで今までやったものと同じような問題だったり、または数字が違うだけで全く同じ問題だったりするのであれば、一度教えたものに関してはすぐ質問するのではなくノートを確認して、教えてもらったことを思い出しながら解いてほしいとも思っています。


そしてここには二つの課題があって

 

・教えたものをノートに書くということをしない(まとめるノートはこちらで用意し、書く時間も作ります。授業終了時間を過ぎていれば自宅でやってきてもらいます・・・がそれでも書かない子、というのは確かに存在します)。

 

→これはもう指摘し続けるしかないと思っているのですが、それはそれで委縮するというのもわからないでもないしどうしたものか???ずっと悩んでます。

 

 

・見ても、同じものということを理解ができない

→これに関しては、具体的に「これと同じ」という指示をします。それでも忘れてしまった場合は再度説明しますが、やはり「思い出す」「考える」ということは本人が意識し実行してくれないと計算と違って身につかないので、そこは意識的にやってほしいと思います。小学校中学年には難しいかもしれないですが、これは訓練です。考えることをあきらめない姿勢を身につけてくれればと思います。

ヒントを与えることも基本的にはしますが、ヒントがそのまま答えになるケースも少なくないので(式をつくってしまうところまで説明してしまったら、それはもう単なる計算問題です)、塩梅が難しいところです。

 

私がひたすらいうのは「わかることは全部書き出せ」「イメージできないなら絵を書け」

これがヒントじゃない、という方もいらっしゃいます。自分が何がわかっていてなにがわかっていないのかを明確にして、足りないものを埋める・知りたいことを知る前に必要な情報を集めるという姿勢は単純に成績をあげることよりも大切なコトだと思っているので、受験期の中3ならともかく小学生~中1まではこれはヒントであると言い続けますし、このヒントで理解できないレベルの学力の子にはそもそも文章題をやらせないと思います。できると思っているのでやらせています。ですので、みんながんばってね。

 

 

 

 

 

いつもありがとうございます。瀬谷松栄塾田中です。

 

講義中心になる夏期講習。今年は無制限コースは推奨せず、きちんと宿題をやってくることで塾に来る日を減らそう、という試みで案内しました。

 

当然宿題は出すわけなんですけれども、宿題っていうのは基本的に目的があるわけですよね、普通は。

 

だから生徒たちにも、「なぜその宿題を出しているのか」という理由の説明もするようにしています。

 

宿題の出し方にはたぶんいろいろ目的があって

①強制的な勉強時間の確保

②なにがわかっていないかを明確にしておくことで授業中に不明点を解決しやすくする

③授業の復習を目的としたもの

④勉強やらせてますよメッセージ

⑤勉強習慣をつける?????(宿題で勉強習慣はつかないと個人的には思っています)

 

このあたりですか?他にもあります?

 

当塾の夏期講習は基本的に③としています。②は英語と数学が多いかな。授業でやったことをもとに家でやってもらったものを確認して、実際は大抵できていないのでもう一度説明をします(集団塾だと授業前小テストがこれにあたるのでしょう)。こうやって少しずつ「できない」の上に「できる」を上塗りしていくイメージですね。

 

 

事情があって宿題をやってこないケースなんかも当然あると思うけれども、今回の夏期講習での宿題やらんとなると、授業の効果半減どころか8割減になるよ、という話をしました。

 

解説重視で授業をしている以上、練習が圧倒的に不足するのでその問題演習をやってみる

授業内容を思い出しながら、あらためて「わかった点・わからなかった点」を整理する

※わからないことはあってもいい。授業でわかった気になっただけと気付いたぶんすばらしいことでもあるので、是非次回でもLINEででも質問してください。他にも同じようにわからなかった人いるかもしれないから、再説明する必要性をこちらも気付けるチャンスでもあります。

思い出す、整理するという行動をすることで、より理解が深まったり暗記できたりする。

 

授業時間内だけでは十分な時間が確保できません。そのための宿題ですが、もしやってきていないとしても、その問題の解説をしてしまったり次の単元に進んでしまいます。基本的に数学や英語は連続した内容であることがほとんどですから、理解不十分な状態で次の授業を受けることは「わからないことを積み上げること」に他なりません。

 

夏期講習のような長期休み中の学習は「学校の授業が進まないことによって得られる復習しなおせるボーナスステージ」ですから、ここで同じことを繰り返しては夏期講習の意味も半減以下になってしまいますよね。

 

以前はこういうことがあるといったん授業中止したり、宿題をやる時間を確保していたりもしたのですが、ごく一部のやらない生徒のためにそれをやることは、真面目にやってくれる生徒に対して失礼だと思うように考え始めていたので、今年からあまりそこを甘くしないようにしています。

 

 

自分が

なにができていて、なにができていないのか

なにがわかっていて、なにがわかっていないのか

これを知ることってすごく難しいと思うんですよ。実際に私だって今でも「あれ?これ実はどうなんだっけ?」って考えてしまうこともありますし(もちろんそうなれば調べるなり他の先生に質問するなりします)、でもそういうことの繰り返しが学ぶということなんじゃないかな、と思います。

 

だからこそ、

適当にやったり、ちょっとも考えないでわからないと放り投げたりしないで、

自分なりの「根拠をもって解答につなげること」

そしてそれが間違っていたときに、「何が間違っていたのか」を集中して聞き取る・メモをとること

これを大事にして宿題に取り組んで欲しいなと思います。

 

 

 

いつもありがとうございます。

瀬谷松栄塾の田中です。

 

当塾は夏期講習中は集団授業を実施することも多いのですが、夏期講習に限らず、またうちに限らず、さらには塾には限らず、授業を受けることへの注意点を生徒にも話していますので今日はこれをここに書いておこうと思います。

 

 

勉強の仕方なんていうのはいつもここで公開しています。勉強の仕方を教える塾、と言いながら公開するのはなぜかっていうとですね。

 

単純にわかっていてもやはり楽な方に流れてしまうのが人間というもの。

 

だから「気持ちが緩んだときに注意をされる環境」の中で、その勉強の仕方を継続することが必要なのです。もちろん塾に通わず一人で出来るなら本当にそれでいいのです。最終的にはそうなってほしいものですしね。

 

本題に戻ります。

 

 

 「なるほど」ではなく「なんで?」という気持ちを持ち続ける

 

 

 

授業というのはわかりやすいと言われる授業であればあるほど「なるほどね」となりがちです。そしてそれを「もうわかった」と放置しがちであることもよくありますね。

 

それはわかったけどじゃあこれはどういうことだろう とか、 こういうケースも見たことあるけどこれはなんでこうなの?とか

 

自分で身につけるためにどういう勉強したらいいかと考えながら聞くとか

 

特にこの最後のことって、大人になってから役に立つことだと思っています。達成したい目標に向けて、どういう手順でやったほうがいいか、と考える習慣というのは勉強した経験が役に立っているように思います。

 

 

 

まあ、簡単に言ってしまうと「なるほど」とわかった気になるのが一番怖いってことです。

 

実際問題解いてみると「あれ?わからない」ということも結構ありますからね。

 

 

 

授業を受けた後は「教わったことを何も見ずに思い出そうと整理して」「問題を解いてみる」。

間違えたときは「正しい答えを見て(なるほど~そうか~)と納得するだけではなく、なぜ間違えているのか、自分がなにがわかっていないのか、自分が何を勘違いしていたのか、などを自分なりに判断してみる。そしてできればその考え方で合っているかを身近な先生に聞いてみる。こういったことを通じて、

 

・自分はなにがわかっていないのか

・覚えていないだけなのか、理解ができていないのか

 

整理して、不足しているものを埋める。これを繰り返すのが(学校の)勉強です。

 

 

 

 覚えることは覚えなさい

 

 

 

勉強を教えてもらえれば勉強ができるようになるわけではありません。

 

 

どうやってやるのかを教わったら、身につけるために練習する・・こういうのはスポーツやゲーム、楽器だったらみんな普通にわかっているはずなのに、どうしても勉強というものになったとたんに忘れてしまいます。

 

 

例えば、用語がわからなければ説明を理解できません。

 

手順を教わったらそれを繰り返しやってみなければ当然のことながら身にはつきません。

 

覚えるという作業は、意識して自分でやろうと思わなければいつまでたっても覚えることなどできません。

 

塾がそれを言うのは卑怯、というご意見を頂くことも(外部から稀に)ありますが、

 

 

 

いやだって他人の脳なんてコントロールできないからね?他人がどうかできるんだとしたらそれもう洗脳でしょう。

 

 

やり方も複数教えてるし、それでも覚えられないなら一緒に考えるけれども、私自身もそうですがそもそも努力量が足りないんですよね。

 

※ちなみに私はもともと記憶力がとても低く、今年になってさらにひどくなってきました。でもそもそも「覚えるまでやる」だけなんですよね。見ただけで覚えられる人もいれば、何十回もやらないと覚えられない人もいる。でも覚えられないなら覚えられるように努力するだけです。

 

もちろん覚える量をなるべく減らせるような工夫は教えます、自分がそうやって工夫してきましたからね。

 

それでもやはり、覚えなきゃいけないもんは覚えなきゃいけないのです。

 

ワーキングメモリーが低いなら、反復するしかないのです。

 

覚えるというのは忘れて思い出すという作業を繰り返すことによってできます。

 

覚えられないという生徒ほど、ほとんどその時間を取っていないか、思い出すという作業ではなく眺めるということをしていたりします。それで覚えられる人、そんなに多くないですからね。

 

 

 

夏期講習は特に広範囲ざっくりの授業になりがちですから、自分で「ここは絶対にできるようにする」とある程度範囲を絞って、徹底的に繰り返して、「この夏はこれができるようになった」と自信をもって答えられるような夏にしていきましょう。