今だから言うよ。

いつも辛く当たって、ごめん。
誰からも連絡が来ないからって、寂しいからって、それはきみのせいじゃなかったね。

思えば、今までずっと酷い事ばっかりしていたね。
どんな時でもそばにいてくれたのに、そのことが当たり前になっていたんだ。

寂しくて、切なくて、苛立ちのあまり、思わず手を上げたこともあったっけ。
あの時は痛かったよね。

それなのに文句一つ言わないで、傷だらけになっても、ずーっと付いて来てくれた。
ごめんね。

今日はいつも一緒に歩いた道を一人で歩いてみたよ。
途中で雨が降リ出して、本当に冷たかった。

いるはずがないって分かっているのに、人ごみの中にきみを捜してしまうよ。

そういう時に限って、街にはきみのそっくりさんばっかりだ。
みんな派手に着飾っていて、きみとは全然違ったけど。

ひとりぼっちの空しさ、とか。
磨けば光るとびきりの美人だったこと、とか。
きみの代わりなんてありえないってこと、とか。

……全部きみを失って気付いたことだ。

たとえ、二人の思い出を全て失っていたとしても構わない。
もう一度この手に抱きしめたい。

本当にどこに行っちゃったんだよ。








携帯電話。