昭和20年代後半は、自宅で亡くなる方が80%くらいでした。1976年には、亡くなる場所として、自宅と病院が同じ割合になりました。以降、病院で亡くなる人の割合がどんどん増えていきました。今では、介護施設で亡くなる方もいて、病院80%、自宅と施設が10%位になっています。
生活支援技術
問題 58
介護老人福祉施設で最期まで過ごすことを希望する利用者への対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 終末期の介護方針を伝えて,意思確認を行う。
(解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です)
「終末期にどのような介護を受けられるのかを、利用者に事前に説明をし、同意を得ることが、その方の意志を尊重することになります・・・これが正答か・・・」
(考えてみた)
終末期
老衰や疾病が進み、治療の効果もなく、そして、治療をすることなく、あとは、亡くなるのを待つ・・・そんな時期です。よく。「余命〇〇か月・・・」なんて言われます。
この時期になりますと、残りの日々を、「いかに苦痛なく・・・」「いかに不安がなく・・・」「いかに楽しく・・・」、そんな感じで人生の最期を過ごしてもらいたいですよね。
長く生きるより、その日1日の「生活の質/QOL(Quality of Life)」を大事にしましょうという時期になります。
リビング・ウイル
老衰、病気、事故・・・で、自分が、「もう助からない・・・」となった時に、「自分はどうして欲しいか?」というのを前もって決めて、家族や周りの人に伝えておくことです。特に、自分で意思を伝えられなくなった時には、周囲の人も困らなくて済みますよね。
「最期の最期まで、医療を尽くしてほしい・・・」、「胃瘻までしなくてもいい・・・」とか、「自分が死んだら、検体に提供してほしい」・・・これも、リビング・ウイルの決め事の中に入ります。
2 入所後に意思が変わっても,入所時の意思を優先する。
(解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です)
「入所前は、『施設で最期まで過ごしたい』と思っていても、『やっぱり家族のもとに戻りたい・・・』や『最期まで医療を尽くしてほしい・・・入院したい・・・』と心変わりがするのも当然です。入所時の意思よりも今どのように考えているかを優先するのが、普通でしょう・・・この選択肢は違うかな」
(考えてみた)
利用者本位・利用者主体とかいいますよね。昔、どう考えていたか?より、今の考えの方が大事ですよね。しかも、命にかかわることなんですから・・・
「やっぱり、少しでも長く生きたいです・・・だから入院したいです・・・」と言っているのに
「いやいや・・・入所した時には、入院しないで、最期までうちの施設にいたい・・・って言ったでしょ?入院なんかダメダメ・・・」
こんなのありえないですよね。
介護や福祉には、関係ないですけど・・・「意思」と「意志」
「意思」・・・頭の中で考えていることです。明確な考えでなくても、なんとなく、ぼんやりとしたものでも構いません。「イシヒョウジ」なんて時には、「意思表示」といいますね。
「意志」・・・何かをしよう!何かをしない!・やめる!といった事を示す時に使うそうです。
私には、いまいち、違いがわかりませんね・・・
3 本人の意思よりも家族の意向を優先する。
(解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です)
「介護施設にとって、ご家族は大事な協力者ではありますが、契約しているのはご利用者ですからね・・・やっぱり利用者を優先するのが普通ですよね・・・この選択肢も違うかな」
(考えてみた)
介護職員といった福祉従事者は、利用者の利益を最優先します。これも、選択肢2の、利用者本位・利用者主体の考えですよね。
ただ、実際には、本人の意思と家族の意向が違うなんてことは多々ありますよね。利用者は、「家に帰りたい」と言っているのに、家族は「施設で暮らしてほしい」・・・これなんかちょっとヘビーですよね。
私の場合、こんな時は、本人の意思を優先というか、尊重しながら何が、この利用者にとって幸せか?利益になるか?といった視点で考えます。一緒に暮らすことを望んでいない家族と一緒に暮らすことがこの利用者にとって、幸せなのか?むしろ不幸なのではないか?といった視点で考えます。まぁ難しい話ですね。
植木鉢モデル・・・って知ってますか?これは、地域で最期まで暮らす際の解説イラストです。2016年版を見ますと、選択は本人・・・となり、家族は外されてますね。家族は、本人の選択に対して、心構えをもって支援をすることになりました。
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4 本人の意思確認ができないときは,医師に任せる。
(解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です)
「寝たきりでもう話ができないような利用者ですと本人の意思確認ができません・・・となると、その利用者のことを一番知っているのは誰か・・・家族、親族であることが多いですよね・・・この選択肢も違うとしよう」
(考えてみた)
医師は、医療行為の提案をします。そして、その医療行為はどのような目的や・方法で行うのか、どのようなリスクがあるのか、予後はどのようになるのか等の説明をしなければなりません。そして、患者さんからの同意を得てから、その医療行為を行ないます。これをインフォームドコンセントといいます。
ですが、中には意思表示をできなくない状態の人もいます。その際には、その患者さんをよく知る家族から同意を得るといったことが実態としては多いようです。
5 意思確認の合意内容は,介護福祉職間で口頭で共有する。
(解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です)
「情報の共有は、文書で行いましょう・・・口頭ですと、言い間違いがあったり、ニュアンスが変わったり、また、忘れてしまったりします・・・文書に残しておけば、正確に伝わりますし、間違いにも気が付きます・・・この選択肢も違うとしましょう」
(考えてみた)
私は、特養の職員なので、特養ではという点から書きますね。老衰等で、もう医療ではどうにもならず、治療をすることなく特養で過ごすとなると、看取り介護というものになります。その際には、「看取り介護計画書」というものを作成します。
まぁ、看取り加算を取らないなら、この計画書も必要ではないんですけどね。でも、みんなで統一された介護をすることは大事なので、計画書に限らず、文書で決めておくことが必要ですよね。
ということで残ったのは、「1」なので・・・
私の答え 「1」 正答は「1」
最初はビビった看取り介護!
初めての看取り介護はこわかったですね。「部屋に行った時に、死んじゃってたらどうしよう・・・」と。今は、そんなことはないですけどね。それよりも、穏やかに快適に最期まで過ごしてほしいな・・・と思っています。そのためにも、看取り介護の勉強は大事ですよね。まだ、看取り介護の経験がない方は、前もって知識を仕入れておくと、恐怖感も薄れるかもしれませんね。