JR西日本115系 1400·1600番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


「当初の想定から変わり果てる」ということはいつの時代でもあるものですが、この車両もまたそのひとつ、115系の1400番台、1100番台、1600番台という3両全ての番台区分が異なるD編成の中の一形態です。

この編成は元々伯備線用に登場した6両編成の1000番台でした。1400番台は、その6両編成を4両編成へ短縮する際に不足した先頭車を捻出するため、姫路方から三原方へ方転させた車両の番台区分となっています。

で、もっともクセモノなのが、反対側のクモハ。1600番台を名乗っており、4両編成から更に1両減らした3両編成に短縮するにあたり、中間車を先頭車化した際に発生した番台区分となっています。

加古川線に渡った103系3550番台に共通した貫通型低運転台の先頭車改造で、その姿から「妖怪ぬらりひょん」と言われることもあります。朝夕ラッシュには本来の姿、6両編成に増結して走ることもあります。

車内です。体質改善工事N30が実施されており、登場当初から大幅に印象を変えています。この画像は1600番台、やはり奥の違和感は半端ではありません。

ドアです。体質改善が実施されてもステンレス仕上げのままとなっています。床付近は注意喚起のために黄色のマットが追加されています。

車端部のドアです。こちらはどういう訳か車端部側の戸袋窓が埋められています。あ、そうそう、ドア横には半自動ボタンが増設され、半自動扱い時でも楽々開閉出来るようになっています。

車端部です。寒冷地を走るため雪切室を設けたスタイルで、当初はロングシートだったようですが、現在はクロスシートが置かれています。仕切り扉は窓が拡大されたスタイルで、見通しが格段によくなっています。一番従来よりも変わっている区画かもしれませんね。

優先座席を有する車端部です。ステッカーやヘッドレストカバーで区別していますが。それ以外は一般座席区画とそう変わりません。

トイレを有する車端部です。向かい側はフリースペースとなっており、編成内で一番床面積が広い区画となっています。

最前面です。こちらは比較的原型に近い前面を持った1400番台のものですが、かつて存在したロングシートは全て消えており、広い立ち席スペースになっています。車掌台側に機器を追加したためと思われ、側窓も埋められていますね。これ、最低限でも2人掛けロングシートをどちらかに設定出来なかったんですかね?

そして一番のミステリースポット、1600番台の最前面です。中間車を先頭車化するにあたり、費用を極力ケチって改造した結果、なんと仕切りが完全に仕切ったものではなく、上部が筒抜けになった仕様で出てくることとなりました。何ともやっつけ仕事感が漂います。増結時は往来が可能で、連結面・及び乗務員室がやや高い位置にあることから、段差の坂には注意喚起としてオレンジと黄色のゼブラ塗装が施されています。

天井です。N40のようなスッキリしたものではなく、中央の冷房ダクトが大きく張り出しております。ただ荷棚はアーバンネットワークで見られる、前飾りがついたカッコいいタイプです。吊革は丸型、設置数は少なめです。まぁ座席の持ち手もありますから、補助的なものということですね。

窓です。ドア間は二段窓を2枚、両端は戸袋窓という配置は昔から変わりません。下段はツマミが撤去され、開閉出来ないようになっています。

私が一番ビックリしたのは地味ながらここ。一部の日除けが225系などのような軽やかに上下出来るタイプに交換されているものがありまして、持ち手が金属になっているのがそれです。227系500番台の影も忍び寄るなかで、ささやかな改造がちょっぴり嬉しかったり。

座席です。まずは大半を占めるクロスシートからまいりましょう。ドア間は転換クロスシートが3脚、ドア横の固定クロスシートが2脚配置されています。

まずは転換クロスシートから、見てからに形状に工夫が無いそれは、大量製造を念頭に置いた工数の簡略化・コストの削減の結果生まれたものとも言えます。そりゃあ、セミクロスシートよりは居住性は格段に上がってはいますが…。

で、窓割りはセミクロスシート時代から変わっていないため、こんな修行席があります。ドア横が戸袋窓ということを考慮すると、非ボックス区画で眺望が良いのは1列のみなんですよね。

続いてドア横の固定クロスシートです。

転換クロスシートよりは座面が奥に腰掛けられるようになってそうです。しかし、せっかく転換しない区画なのですから、もう少し背ズリに工夫といいますか、小マシな形状にしてくれてもいいのに、とは思います。

優先座席はヘッドレストカバーで区別しています。ここでは1列4席のみの設定ですね。なお窓側に肘掛けも無ければミニテーブルも無し、全区画共通でこれです。初めて窓側肘掛けを省略した223系2000番台は、窓枠下辺に肘を置けるという合理的発想でやっていましたが、この車両のようにやれ戸袋窓だの修行席だのがあるような環境では、肘掛けくらいは設置してほしいものです。その代わりでもないですが、座面と壁面との隙間にスペーサーが入っています。

車端部のクロスシートです。ドア側が固定クロスシート、妻面側が転換クロスシートという珍しい配置をしています。ドア側は戸袋窓が埋められて閉鎖的ですが、223系2000番台以降の車両ではそれが標準になってしまったので、何を今更…な話ではありますね。で、窓側には何やら気動車のような配管が通っています。全ての115系に見られる訳ではなかったような?

反対側を。通常ここには妻面にも固定クロスシートを設置してボックス区画とするのがセオリーです。そうならなかったのは恐らくここのせい、配電盤の点検蓋がある関係で、ここを転換可能にしておかないと蓋が開けられないからでしょう(他の区画は…配置を揃えたから…?)。私の記憶では、かつて通常営業時には転換機構がロックされていたように思うのですが、毎回解除が面倒だったんですかね?

こちらが優先座席。それにしても…ドア側は戸袋のためにほぼ景色が見えない修行席、妻面側もこの向きでは足元狭すぎで別の意味で修行席、反対に転換すればボックス区画と、価値観次第では座れる以外のメリットが何もない、誰も得しない区画なんですよね、ここ。

トイレと…乗務員室背後にロングシートが無いため、編成唯一ここにだけ存在するロングシートです。ロングシートは2人掛けで、袖仕切りが肘掛けを兼ねた板と立ち席とを仕切るためのパイプが組み合わさったタイプです。パイプがやや外側に曲げられており、肘を置く余裕を持たせてくれたのは配慮の賜物ですね。座席は座面は程よいスプリングを感じられるソレですが、背ズリは相変わらずクッション性ほぼゼロで板みたいな感じです。トイレは和式、結局洋式改造されることなくここまで来ちゃいました。

最後にトイレ横のフリースペースです。握り棒と、壁面にスッキリ収まったヒーターが付帯設備です。