大阪梅田から神戸の元町までを結ぶ阪神電車。この鉄道で最多勢力を誇っているのが、急行系車両の8000系です。かつては赤とクリーム色の赤胴車塗装でしたが、リニューアルにより9300系と同じ塗装に改められています。このグループは表示灯や種別・方向幕がLED化されています。もはやリニューアル前の面影が…。これまでのリニューアルでは中間にクロスシートが設置されて来ましたが、このグループ以降のリニューアルではオールロングシートでの出場となりました。
車内です。このグループはタイプⅡ以来の設計変更を行っており、印象が変わっております。この設計変更に当たっては、何やら近畿車輛の担当者も加わっていたそうな。この頃からの縁で1000系以降の新造車は近車となったんですかね?
ドアです。タイプⅡと比べて縦方向に面積が拡大されているほか、ドア上のエンジンカバーが大きくなっています。両端にはイエローラインが入れられており、戸袋への引き込まれの注意喚起をしています。
車端部です。仕切り扉は窓が縦方向に長いタイプのものを使用しており、見通しはよくなっています。右側には非常通話装置が設置されています。
優先座席とフリースペースを有する車端部です。一般座席は急行系ということで暖色の色使いですが、こちらは一転寒色系を使用しています。吊革は特に一般エリアと変わりがありません。なお、非常通話装置はフリースペースに設置しているため、妻面には設置されていません。
座席です。ロングシートはバケットタイプとなっており、ドア間は8人掛けで4+4で区切られております。このグループでは袖仕切りがパイプから肘掛けを兼ねたタイプに変更されており、更にリニューアルでパイプを荷棚まで繋がる仕様に再変更しています。
最前面の3人掛けです。こちらは大阪梅田方の一般座席です。窓が縦方向に拡大された結果そのしわ寄せは背ズリに来ており、タイプⅢ以前と比べるとホールド感は低下しています。また座面もクッション薄めで底付き感がする仕様、本線の短距離利用ならまだしも、直通特急などの長距離利用にぶち込むには「乱暴」の一言がふさわしいかと。
元町方の優先座席です。前面展望はこちら、左側からどうぞ。
さて、ここからは38年ぶりの阪神タイガース日本一を記念して副標シリーズへとまいりましょう。18年ぶりのセントラルリーグ優勝を決めた翌日より、特別副票を全列車に掲示して運転をしておりました。
そしてシーズン終了からクライマックスシリーズまでの長期ブランクも何のその、ファイナルステージをストレートで制して同じ関西に本拠地を置くオリックスバファローズとの日本シリーズ開催が決定し、これまた特別副標が入れられておりました。史上二度目の関西ダービーは、お互いの本拠地を快速急行でダイレクトに結べることから「阪神なんば線シリーズ」とも言われましたね。 日本シリーズのルールに則り計2日間の移動日が設けられましたが、あれは移動日というより休養日ですね(笑)
その阪神なんば線シリーズは第7戦にまでもつれ込む熱戦となりましたが、阪神タイガースが38年ぶりの日本一となり幕を閉じました。そして、翌日より特別副標が入れられました。日本一、おめでとうございます。