Osaka Metro400系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

 

万博を控えた大阪市、輸送の中心を担うOsaka Metro中央線では、大量輸送へ備えて新型車両の投入が進められています。宇宙船をイメージした前面デザインがインパクト抜群な400系です。
 
20系以来となるアルミ車体で、側面はホームドアの設置を見越したかドア部分にラインカラーを縦方向に入れています。20系は肩部が丸い処理でしたが、この系列では角を強調したデザインになっています。
 
車内です。中央線のラインカラー、緑を取り入れつつも、全体的に地下鉄としてはかなりコントラストの激しいカラーコードとなっています。
 
ドアです。地下鉄車両としては異例の窓の大きさ、中央線・近鉄けいはんな線共々地上区間が多いので、小さなお子様でも立ちながら車窓を楽しむことが出来ます。ドア上にはLCDディスプレイが備わります。関西にしては珍しく全てのドア上に設置されており、中々気合が入っています。そうそう、ドア横の握り棒は30000系と同じものになっていますね。
 
車端部です。仕切り扉は全面ガラス張り、アシストレバー付きで開閉も軽やかです。Osaka Metroでは大阪市交時代から妻窓を設けた車内作りをしていますが、この系列でもその伝統は受け継がれています。ただ面積は中々小さくなってまして、明り取り窓的な役割だけになったように思います。
 
仕切り扉には激突防止のためOsaka Metroのロゴが入っていますが、開いて固定するとそのロゴが戸袋窓からも見えるようになっています。
 
中間車にのみ存在する、優先座席を有する車端部です。座席モケットと吊革で区別しています。
 
先頭車にのみ存在する…ちょっとゴチャゴチャしたデッドスペース多めの車端部です。収容力がモノを言う地下鉄にして、これだけデッドスペースが多いのも珍しいと思います。
 
最前面です。基本的な構成は大阪市交時代から受け継がれたものですが、仕切り扉の窓は目一杯広げられており、立ちながらであれば前面展望も可能です。30000系や新20系リニューアル車辺りで前面展望への配慮が成されるようになりましたが、この系列で出来るところまでやった感はありますね。化粧板は黒系、地下で暗くなりがちな地下鉄ではありますが近年採用例がチラホラ出て来たと言ったところでしょうか。仕切り窓の下の蓋について、縁取りを黒くして目立たなくしているのはデザインとして成功していますね。
 
天井です。何と言っても吊り広告を全て省略したのが特徴で、これはドア横の戸袋部分や窓上などにしても同様です。広告は鉄道事業者にとっても貴重な収入源ですし、ましてや万博で多くの人が目にするであろう中央線にしてかなり思い切ったように思います。また天井にも黒の化粧板を使用し、カバー付きのLED照明がグッと引き立ちます。
 
窓です。30000系から引き続き柱を挟まないため、開放感があります。
 
日除けもキッチリ備わります。少し前に増備された30000A系は谷町線転用を見越して日除けが省略されていたので、素直にありがたい限りです。ハイバックシートに合わせて縦幅は狭いため、ドア窓と比して少し閉鎖感があります。
 
座席です。Osaka Metroでは初となるハイバックタイプのロングシートで、ドア間は5人掛け、バケットタイプでモケットも2色設定して定員着席を促しています。袖仕切りは最近流行りのガラスタイプ、上辺を斜めに切り落とすのはカバーされる面積を狭めるのであまり好ましいとは思えません。そもそもガラス自体、汚れやキズの目立ち、冬季の触れた時の冷たさ、万が一割れたら大ケガに繋がる恐れがあるなど、利点は見栄えくらいしか無いと思うのですが…。
 
学研奈良登美ヶ丘方先頭車、フリースペースとセットになった区画です。近年流行りのスペースを明確化するためのシートが貼られておりまして、それも緑色です。ドア部分のシートと色、被っちゃってますね…。
 
車端部は3人掛けです。ハイバックシートですが、背ズリの角度がハイバックにしては急過ぎるため、形状通り座れるのはよっぽど背筋が真っ直ぐした人です。幸い座面が奥深く腰掛けさせるような嫌らしい形状をしていないため、座面先端に腰掛ければ辛い思いはしなくてよいかもしれません。ハイバックシートのお手本は京阪8000系の車端部、ハイバックにするならあれくらいの角度が無いと辛いんですよね。
 
優先座席は青系のモケットで、真ん中は水色にしています。妻面には大阪市交時代からの車両作りの伝統とも言える機器スペースがこの系列でも健在、肘を逃がせるので窮屈感の軽減にも繋げられるんですよね。欲を言えば、もう少し低かったらいいなぁ、と(蓋があるのでそうも行かないでしょうけど)。
 
先頭車の車端部にある、今までの車両に無いデッドスペースです。乗務員室に収まらなかった機器をここに配置したとのことですが、これまでの系列に無かった機器とは何なのでしょうか…。一応、消化器は収められるようにはなっています。
 
向かい側のデッドスペースはパーソナル&コミュニティスペースという扱いらしく、まぁモノは言い様ということですね。
 
隅にはOsaka Metroでは初となる電源が用意されています。但しUSBのみですので、スマホやゲーム機くらいにしか使えないですね。このデッドスペースの広さですし、中央線という特性上パソコンを使いたい方もいるでしょうから、コンセントの方がよかったようにも思います。
 
さて、この系列の4号車にはクロスシートを装備した車両がおります。ドアの塗装も灰色にして区別しており、ドア窓の下にもそのピクトグラムが描かれています。
 
コスモスクエア方、フリースペース部分はロングシート車と同じく青色の塗装で、車椅子とベビーカーのピクトグラムが描かれています。
 
学研奈良登美ヶ丘方は優先座席で、優先対象者のピクトグラムが描かれています。
 
車内です。クロスシートの地下鉄対応通勤電車は京阪800系以来でしょうか、パーソナルスペースの確保や目的地に向かって移動するワクワク感の演出を目的にして設定されたそうな。4号車だけなのは混雑率などを勘案してなのでしょうね。
 
天井です。荷棚が省略されており、さらに開放感が出ております。吊革は三角形で、Osaka Metroとしては採用例が少ないものの、思い切ったという程でもありません。そうそう、ユニバーサルデザイン的にバンドが非常に長いものがありますが、これは人により好みが分かれるかもしれません。
 
窓です。ロングシート車と設計が変わっておらず、クロスシートの割に窓が高く感じてしまいます。余計な設計変更を嫌ったのかもしれませんが、これでワクワク感25%減なんですよねぇ…。
 
座席です。1人掛けの固定式クロスシートで、この向かい側は進行方向と逆向きに固定されています。転換クロスシートのノウハウがそれなりにあるであろう関西にして、半数が進行方向と反対側を向くことになってしまうのは少々残念です。
 
座席は背ズリがロングシートよりも低めな割に同じく角度が立ち気味、またドア間の距離が狭いこともありシートピッチも詰め気味です。肘掛けも斜めに落ちる形状で肘掛けとして不十分、眺望的にも真ん中の列くらいしか満足に楽しめないのも惜しいところ。試みとしてはいいとは思うものの、結果として居住性としてはイマイチになっちゃっています。あと、パーソナルスペース確保を優先したため着席定員が大幅に減少してしまっているのが致命的です。比較的混雑率が低い車両に設定したと思いますので、着席を優先するなら他の号車に乗った方がいいかと思います。