JR西日本285系 普通車指定席「ノビノビ座席」 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

「夜行列車」、時代の荒波に揉まれて観光列車やごく稀に設定される臨時列車、そしてクルーズトレインを除いて風前の灯となった列車ですが、2023年現在で唯一残存した定期夜行がこの列車です。

 

車両の愛称はサンライズエクスプレス、列車名は「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」です。東京と出雲市・高松を結ぶ電車寝台特急で、新幹線や飛行機の最終便より遅く出発し、翌日始発便よりも先着するダイヤで一定の旅客輸送を獲得し、当時最新の電車寝台に置き換えたことからよくある「車両の老朽化」などという「嘘つき(…いや、嘘ではないけど)も大概にしろ」と言いたくなる理由にもあてはまらず、ここまで運転され続けています。

 

系列名は285系、JR西日本の0番台と、JR東海の3000番台がおります。3000番台は新幹線では西日本保有編成に付与されるものとなりますが、こちらは設計のベースがJR西日本のためか、東海保有編成が3000番台となっています。今回はその中から、5号車・12号車に連結されているモハネ285-200番台をご紹介。

 

太平洋側に小窓がたくさん並んだ外観が特徴的なこの車両には、サンライズエクスプレスで一番安価に利用出来る普通車指定席、「ノビノビ座席」が設定されています。


普通車指定席で「ネ」の記号が付いてる訳ですが、片側の台車直上にはB寝台「シングル」があるので、あながち間違いではありません。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。JR西日本設計の車両らしく、ベージュ系の色使いとなっています。

 

ドア横には開閉ボタンがあります。一応長い時間ドアが開くケースはあるものの、特に使用されているところを見たことがありません。

 

窓には各種受賞の表示。近年225系ではグッドデザイン賞のプレートが貼られた実績はありますが、それ以外ではあまり見ない表示のような気がします。

 

トイレです。二ヶ所あるのはさすが寝台列車ですね。登場当初は洋式と和式の両方を備えていましたが、リニューアルにより全て洋式に改められています。これも時代の流れですね。

 

手前には飲料系専用のくず物入れ。需要の程は…?

 

洗面台です。こちらも寝台列車らしく二ヶ所設置されています。鏡は照明を仕込んだもので、安定のJR西日本感がします。目隠しのカーテンも備えてありますので、長時間利用で無ければメイクに利用することも出来るでしょう。

 

車掌室です。中に車掌さんがいることを視認出来るようにか、仕切りの窓が半透明となっています。

 

 向かい側には車掌室と反対側のドア扱いをするための業務用室があります。その横には‥色々ありますね。くず物入れ、非常灯、消火器と言ったところでしょうか。

 

さてようやく車内です。普通車指定席ですが、フェリーの座敷席のごとく二段式のカーペットが並びます。一番リーズナブルに利用できるため、学生をはじめとする若者に人気です。

 

天井です。ダブルデッカー級の車高はあるものの、立てるほどの高さはありません。照明は通路と窓側にあります。

 

通路です。窓は二段式で、日除けは横引き式のカーテンが備わっており、眩しい時はさえぎることが出来ます。ただ限界はあるもので、流れてゆく光はどうにもなりません。あと、中央付近にコンセントはありますが、通路であることから破損や盗難のリスクや、あくまで清掃用なので電圧降下で機器が逝くことを覚悟の上で自己責任ですね。

 

上段への移動は階段です。手すりはそのまま上段の保護棒になっていますね。

 

というわけで、「座席」です。板の間に薄いカーペットが敷かれているだけなので、「普通のイス」に比べれば横になれるだけマシ程度に思っておく方が幸せです。まずは上段、天井にはカーテンレールはあるものの、防犯のためか設置されていません(通路側とを仕切るカーテンはあります)。一応、顔の部分は仕切りの衝立はあるものの、別の防犯面が心配です。実際、相当数の被害件数もあるようですので、貴重品の管理はしっかりしましょう。

 

備品は枕カバーと肌掛けのみ、カバーだけ渡してどうすんだという気もします。空気を入れるタイプの枕や、タオルなどがあるといいかもしれませんね。

 

窓側には備品その2、コップがあります。朝の歯磨きにありがたいですね。その上には直上の照明のスイッチがあり、その横には読書灯があります。

 

続いて下段です。階段を登らなくてよい分、大きな荷物を持っているとラク‥というか、大きな荷物は自分の専有面積を削るだけなんですよね。一応、上段へ上がる階段の裏はちょっとした荷物置き場になっております。

 

端の席は片側が全て壁なので、多少はプライバシー性もあるでしょう。