現代の新幹線は、本線の複々線化というよりも高速化だけに特化した側面が有ります。そこで割を食うのが在来線で、採算が見込めない路線は地元に運営を移管し、地域輸送を担わせる形態が各地で誕生しています。
熊本と鹿児島を結ぶ第三セクター、肥薩おれんじ鉄道もそのひとつで、ここでは全線電化区間でありながら気動車が運転されています。HSOR-100形で、交流電車は価格が高価な上2両編成でないといけない不経済さがあったため、単行運転が可能な気動車とされたそうな。その他、使用しない電化設備の維持費もJR貨物が持ってくれているそうです(電車だと自腹になるんだとか)。なお平行在来線では珍しく県境を跨いでも同じ会社ですが、沿線の県市町村の足並みが揃わない結果を招いたため、以降分離された3セクが県境付近の駅でぶつ切りにされるようになった原因と言いますか、要因となっているそうです。
車内です。2ドアセミクロスシート、地方ディーゼルカーとしては標準的な仕様ですね。
ドアです。化粧板を省略したステンレス仕上げとなっています。3セク転換を前にホームのかさ上げを実施した一方で、車両の方も他社に導入された同形車よりも低床化されているそうです。よってステップが無くバリアフリー化を達成していますね。
運転台です。ワンマン運転に適した半室構造で、車掌台側では前面展望が楽しめます。ここだけはJR時代の普通電車には無かったアドバンテージ(?)ですね。朝夕ラッシュ時や多客時は2両になることもありますが、ほとんどが単行運転となります。かつては3両編成なんてのもあったそうですね。
天井です。クロスシート上は吊革も無ければ吊り広告も無くスッキリしています。照明はカバーの無い蛍光灯が並びます。
窓です。固定窓で、日除けはフリーストップタイプのロールカーテンが備えられています。
座席です。まずはクロスシートから行きましょう。
4人掛けのボックスシートで、車両によりモケットが異なっています。形状自体はこの手のディーゼルカーによく見られるタイプで、クッションやや薄めの少し硬いスタイルです。
ロングシートです。こちらは3×3の9人掛けとなっています。袖仕切りは背ズリ上端まである板、肘掛けとしてはちょっと使いにくいですね。
こちらは2+3の5人掛けです。ヒーターは有りますが、バスヒーターかひとつ有るだけです。まぁ南の方なのでそこまであっためる必要も無いかもしれません。
こちらは優先座席です。モケットは一般座席と変わりません。
トイレとクロスシートに挟まれた3人掛けです。クロスシート背面の上部にはモケットが貼られており、もたれかかっても頭は冷たくなさそうです。
トイレです。車椅子対応で、ドアは大型です。ただコスト低減のためか開閉は手動式です。
ゴミ箱と非常ハシゴです。車内にゴミ箱があると、散らかりませんし車内清掃の手間も軽減出来ますよね。
さて、肥薩おれんじ鉄道ではくまもん列車が3両在籍しており、外観も特徴的になっています。
こちらはその2、体の黒にほっぺの赤丸が配されています。
そして最後がチキンラーメンみたいなその3(笑) なお今さらですが、工期を短縮させるため車体は天竜浜名湖鉄道のTH2100形とほぼ同形状となっています。
車内です。都会の電車ではまず出来ない大胆なものが…(笑)
運転台後方にはくまモンのステッカーが貼られています。
天井もこの通り。広告もくまモンで溢れています。
座席にはロングシートの定員1名分を潰して(笑) くまモンが座っています。ラッシュ時も多分そのままなんでしょうね。
クロスシートのヘッドレストカバーにもくまモンがいます。