阪急7000系7006F「京とれいん 雅洛」仕様車(3・4号車) | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

「ご乗車された時から京都気分」をコンセプトに走り出した、7000系を改造して登場した「京とれいん 雅洛」です。1両ごとに異なるテーマを持った内装のとんでもない列車なので、数回に分けてご紹介。

 

今回は中間に連結された、「大人の時間を楽しむ」がテーマとなった3・4号車をご紹介。

 

まずは3号車、テーマは"春"と"桜"で、『桜散らしの柄を使用して、はんなりとした春の京都を感じる車両』だそうです。

 

車内です。1号車と色調の系統は似ており、木目の「明」・モケットや飾り帯に使われた黒の「暗」・その地色にあしらわれた桜の柄の「明」と、コントラストがハッキリした華やかな印象です。

 

ドアです。この中央の2両のみ、両側の化粧板が町屋の柱をイメージしたような縦方向の木目調となっています。木目調と言えば阪急のイメージコードのひとつですが、マホガニー調でないのはテーマが異なるからなんでしょうね。

 

車端部です。モケットや化粧板の色はともかく、一ヶ所だけ他タイプの車両と異なる点があります。

 

ドア間の様子。これまでの阪急に無かった"観光列車感"がする配置となっています。いやはや、ついに阪急でも出たか、という思いでございます。

 

天井です。元々多くの立ち席を想定していない観光列車であることを考えると吊革をなるべく設置したくない意図を感じます。この車両は、とりあえず捕まれる場所はそれなりにありますし。

 

車端部の天井です。両側の間接照明に中央のダウンライトの組み合わせは先頭車と同一です。

 

窓です。1/3程度は障子を模した飾りが付けられており、日除けは簾調のフリーストップ式ロールカーテンとなっています。京町家らしい雰囲気は出ていますが、これからの維持管理は大変そうです(笑)

 
車端部の窓はサッシが黒色に塗装され、日除けの持ち手が木をイメージしたベージュ色となっています。また飾り照明も設置され、車端部だからと言って簡単にハズレ席にはしないようには考えられています。なおこの区画は優先座席のもので、日除けの生地には優先座席の表示が入っています。

 

座席です。まずは阪急ではこれまであまり見られなかった集団見合いの固定式1人掛けからです。それにしても、桜のモケットが美しいです。

 

ここの座席は唯一従来の窓割りを生かした配置としているため展望の格差は有りません。ただやはり固定式なのが残念なところで、半数が進行方向逆向きに座ることになります。並ぶ際は進行方向後ろ側のドアに並ぶ方がいいでしょう。

 

で、集団見合い式ですのでドア跡部分はボックスシートとなっています。丸窓風の側窓の化粧板はこちらも春らしく桜が描かれています。

 

そしてこちらは阪急初なんじゃなかろうかという展望席です。中々関西ではこの座席配置は見られませんので、どうもこの席に人気が集中している印象です。家族連れの方もよく見かけるので、そういう意味では「大人の時間を楽しむ車両」というコンセプトはやや空振り気味な気もします(^^;;

 

座席は2人掛けと3人掛けがあります。足元が広いわけではないので、形状としては両先頭車のボックスシートに近いものを感じます。要するに、やはり背ズリ部分の両クッションのかみ合わせがちと微妙‥。

 

背ズリ背面にはモケット同様、黒地に桜が鮮やかな化粧板と格子状の飾りを付けています。1人掛け側から楽しむものですね。

 

車端部のロングシートです。座面のみ分割された2号車と同様の形状です。

 

向かい側のフリースペースです。この車両で他車と異なっている点は奥に設置された座席がロングシートとなっていること。なぜこの車両だけそうなっているのかが謎ですが、全部揃えておけばいいのに‥。

 

各車車端部にはディスプレイが設置されており、京都の観光案内を流しています。

 

続いて4号車。テーマは"夏"と"葵"で、『貴族に愛された杜若をあしらった、夏の京都を感じる車両』だそうです。

 

車内です。3号車と異なり落ち着いた暗めの色調となっています。それこそ、色調は確かに「大人」を感じさせます。

 

ドア間です。配置こそ変わりませんが、化粧板やモケットだけで雰囲気がガラリと変わるのは他の車両と同じです。好みに合わせて往復で乗り分けるのもいいでしょう。

 

天井です。こちらもドア間は3号車と同様吊革はありません。ライト部分の色調をすべて暗めに変えています。

 

車端部の天井です。こちらもダウンライトの化粧板の色調を変えています。

 

窓です。戸袋跡のモザイク柄の化粧板が印象的ですね。

 

こちらの窓も日除けは簾調です。

 

座席です。まずは集団見合いの固定式1人掛け、こちらはモケットもシックなデザインで決めています。

 

さてこの座席、座り心地は正直あまり良いとは言えません。やはり背ズリ下部のクッションが悪さをしている気がしておりまして、「ゆったり」を志向して角度を緩くしたため体重が一点にかかるにもかかわらず柔らかめ、かつこちらも微妙にヘッドレスト部分のクッションと組み合わせがよろしくないのが原因じゃないかと思っています。まぁ、ロンリーな雰囲気を楽しむのに限れば良いのではないでしょうか。

 

そして中央のボックスシート。杜若の絵が描かれております。

 

そして窓側を向いた展望席です。テーブルも色調を揃えた濃いめの色をしています。

 

背ズリ背面には葵の花をあしらった化粧板が貼られています。

 

車端部のロングシートです。こちらはモケットが鮮やかで、暗めの化粧板から浮くように際立たせています。ロングシート部分には吊革が設置されているものの、数は通常の半数程度に絞られています。

 

で、向かい側のフリースペース。こちらも1人掛けロングシートが設置されています。こちらの握り棒も、ドア横と同様に木目の化粧板を貼り付けて冷たさを軽減させています。