京都市に路面電車が走っていた…今となっては当時の様子を知る人も少なくなっていますが、広島ではその生き証人が今なお現役で走っています。
1900形、京都市電でも同じ形式名で、京都市電廃線の最後の時まで走った車両も在籍しています。
その時代を偲んでか、前面には京都の地名が書かれたヘッドマークが取り付けられています。
このヘッドマーク、各車で異なる名前が付けられています。
側面には、京都市交のマークが残されています。広電、ニクいぞ…。
車内です。多少の改造はあるにせよ、昔ながらのスタイルそのままに走り続けています。
入り口のドアです。一枚引き戸、「入口」の大きな文字が特徴です。広電に来てから、ICカードリーダーが増設されています。
出口のドアです。戸袋が座席側にあるため入口と同じタイプとなっています。実は各地の路面電車を見てもこのタイプは少数派でして、折戸や二枚扉にしたり工夫するケースが多い気がします。なぜあまりいないんでしょうね?
運転台です。この形式に限った話ではありませんが、運賃表が設置されていません。市内は均一運賃ですし、最近はICカードの利用も増えてますからあまり問題ないのでしょうが…。
運転台へのアプローチは運賃箱の反対側からで、その脇には指導役用でしょうか、モケット張りの丸椅子が設置されています。
天井です。広電に来てから冷房改造がされており、夏でも快適です。真ん中の吊革もここへ来てから設置されたんでしょうね。
窓です。二段窓が整然と並びます。戸袋窓以外の窓には爪を引っ掛けるロールカーテンが備わっています。
座席です。赤いモケットは京都市電時代のままと思われ、シンプルですが何かと柄を付けたがる昨今のモケットを見ているとかえって新鮮です。袖仕切りはICカードリーダーを取り付けたためか2種類あり、いずれもパイプ式ながら手前側は肘掛けとしても使えるようになっています。
一部優先座席に指定されたロングシートです。モケットはそのままに、背ズリにビニールカバーを付けて対応しています。なお、一番奥の座席では前面展望が楽しめます。
というわけで前面からの景色です。乗務員スペースが狭いため、広電に在籍する車両の中では一番前面窓との距離が近いように感じました。運転士さんからすれば堪ったものじゃありませんが(^^;;
ふと上を見上げると、ここにも京都市電在籍車両であったことを示すプレートがありました。ご丁寧にいつ広電に移籍したかも記載されています。
今日も吊り掛け音を響かせながら、広島市内を走り回ります。