信越本線の横川機関区跡に作られた碓氷峠鉄道文化むら、ここからかつての信越本線の線路をごく一部的に転用し、廃線跡脇にある温泉施設までを結ぶトロッコ列車があります。
「シェルパ君」の愛称があり、構造的には普通の鉄道施設と変わりませんが、法律的には「鉄道」ではなく「園内遊具」の扱いとなっています。
推進・抑速はこのトロッコ列車専用に新製されたディーゼル機関車が行います。かつては旧横川機関区のスイッチャーが担当していましたが、修復出来ないほどの故障をやらかしてしまったため新製したとのこと。しかし機能的にはこちらの方が効率がいいとは思いますが、美観としては逆の方がいいように思います。ちなみに編成は機関車含めて3両編成、客車はトロッコ客車と窓がある客車となっています。
というわけで、まずは窓付きの客車(特に車番があるわけではないので…)から。木が多用されたその内装は旧型国電や客車をイメージさせるものとなっています。恐らく青のモケットがそれを増幅させてるのでしょうね。
ドアです。立派な引き戸で、横にも本格的なドアスイッチが設置されています。
最前面です。車椅子マークが貼られていますが、特段それ以外無い立ち席スペースとなっています。
天井です。照明は大型のフラスコ照明、触れないようにするためか囲いもあります。
座席です。まずはクロスシートから。
背ズリは板張り、座面はクッションがそれなりに効いた青いモケットのものです。背ズリはともかく、座面はどこかの国鉄型車両からかっ削いだものなのでしょうか・・。肘掛がないのは乗車時間が短く必要ないと判断されたからなのでしょうね。
ロングシートです。こちらには簡素なパイプ式ながら袖仕切りが備わります。それにしても、トロッコ列車、しかも園内遊具という扱いからしてもこのロングシート(特に背ズリ)の作り込みはただならぬものがあります。やっぱりどこかから引っぺがして来たんでしょうかね・・。
続いてトロッコ車両へと参りましょう。風雨上等、ワイルドが溢れる印象です。
ドアです。こちらは折り戸式となっています。構造的にも引き戸とすると戸袋が必要となるのでこうなったのでしょうね。
最前面です。こちらにも車椅子マークが貼られていますが、実態は(私含め)上り坂を力強く登る様を大展望するための子どもたち(+野郎共)の専用スペースと言っても過言ではありません。後ほど少し出てきますが私も立派なその中の一人です(^^;;
天井です。構造的には隣の客車と変わりません。
そうそう、地味に吊革も備わっており、立ち席にも対応しています。
窓・・がないので側面ですね。雨よけのシートなども特に無く、各種天候不順が発生した場合には自己防衛が求められます。
上には風鈴が吊り下げられています。列車は非冷房なので、走行中に当たる風だけが涼となります。
座席です。やはり風雨に強い木製座席です。この辺りはトロッコ列車の典型とも言えるスタイルですが、背ズリ下部が微妙に傾斜がついたものとなっているのがポイントです。
窓側には固定式のテーブルが備わります。しっかり縁取りも付いてますよ。
で、ワイルドなトロッコ列車には当然自然からの無賃乗車もあるわけで、それに喝を加えるべくスプレーが備わります。
珍しく連結面を。連結器は住友金属工業(現:日本製鉄)製です。ちなみに、旧住金は鉄道の車輪と車軸(合せて「輪軸」と呼ばれる)の製造は国内100パーセントでして、特殊なものを除くと全国で走る鉄道車両の全てがここで作られています。
いざ、日本最急勾配の鉄路へ。
↑ ↑ ↑