京都丹後鉄道KTR001形 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


第3セクター鉄道としては初にして唯一の存在であるリゾート型特急用車両がこのKTR001形です。沿線に観光地を多く有する旧北近畿タンゴ鉄道が、関西地区への直通のために奮発して登場させた車両ですね。登場から25年が経ちますが、直線とカーブを巧みに織り交ぜたデザインは未だ色褪せません。



「タンゴエクスプローラー」という愛称があり、かつて新大阪から同名の特急にも使用されていました。経路に自転車で行けるほどの距離に住んでいた私としても思い入れのある列車でした。


しかし、北近畿地区の特急列車網の再編に伴い、KTR001形のJR直通運用が消滅し、代わって線内の特急である「たんごリレー」号として使用されていましたが、現在老朽化により定期運用すら持たない状況です。今回、偶然「たんごリレー」の代走で初乗車することが出来ました。それにしても、JR直通廃止以降必要最低限のメンテしかしていないのか、塗装の色褪せが激しく痛々しいですね。昔からこの車両を見てきた者として、多少の心境の複雑さを禁じえません。

特徴としてはLED式の行先表示でしょうか。折り返し作業中などは、画像のような「車内整備中」の字が表示されます。今回は第二編成を取り上げます。第一編成は・・もう乗る機会に恵まれないんでしょうね・・。

 


それでは参りましょう、まずはデッキドアです。プラグドアとなっており、低床ホームに対応するためにステップもあります。


クズもの入れもしっかり完備。


3号車のトイレです。中は洋式となっています。

1号車では男子小用トイレもあります。

 


1号車には洗面台もあります。鏡の中に照明が仕込まれている仕様は、直通先であったJR西日本が得意とする手法ですね。


一部荷物置き場的な広場も存在します。

 


デッキ仕切りを越えると、階段を上って車内へと入ります。バリアフリーそっちのけの構造に時代を感じます。

いよいよ車内です。ハイデッキ構造に大型窓、そして天窓。。同年代に登場したコレ を思い起こします。落ち着いた色調をしていますが、第一編成は座席モケットが派手で、肘掛などの色が安っぽい色をしています。

 


デッキ仕切りを車内から。天窓が車端部にもあるため、ドーム状に見えますね。仕切り扉上にはLED表示機も設置してあります。

天井です。肩部に天窓が配置されています。天窓は直射日光を防ぐためか、着色ガラスとなっています。照明は1列のみ、スポットライトと交互に配置されています。

 


1列のみの照明を補うため、読書灯も設置されています。しかし、どの席のスイッチを押しても点かなかったんですよねぇ・・。

最前面、展望席区画です。

 


前面窓は展望に配慮しているかどうかと言われればかなり微妙ですね。構造上これが限界かもしれませんが・・。運転士さんの挙動を余すことなく見ることが出来るという点では打ってつけではあります(笑)

座席です。回転リクライニングシートで、肘掛の形状こそ異なっていますがJR北海道のリゾート特急の座席に似たシルエットとなっています。座り心地もかなり似ていると言ってもよく、柔らかめで腰部分の詰め物が肉厚です。リクライニングもかなり大きくなっていますね。ちなみに座席自体は通路よりも更に高い位置にあるセミハイデッキ仕様で、着座すると大型の窓もあいまってかなり高い位置からの展望となります。

 


足元にはフットレストも備わります。跳ね上げ式で、足置き側にも座席側の床と同じ生地が貼られている為、一般的なラバー仕上げよりも滑りづらくなっているのは高評価ですね。

先頭車の運転台寄りには排気管があり、展望が殺されることから座席が設置されていません。このおかげで乗務員室側の座席が展望席区画のように独立しています。よってこの前後の区画は、JRに並み居るグリーン車を大きく突き放すほどのシートピッチを有しています。もちろん生まれるべくして生まれたものではないのでチートですけどね。というか逆に落ち着きませんね、これ(笑) この区画ではシートバックテーブルが使えないため、東武鉄道の特急用車両にありそうな大型の折り畳みテーブルが設置されています。ちなみにその横にはマイクジャックもあり、カラオケ需要にも対応しています。

 


壁際の座席には折り畳みテーブルとフットレストが設置されています。

最前列の展望席です。この席のみセミハイデッキ構造ではなく、背ズリも若干低くしてあり、後ろの席からの展望を確保しています。もっとも、前述の通りそれほど大きな展望を得られるわけでは有りませんが・・。ちなみに、この座席は回転することが出来ません。そして、各座席に共通することですが、座面がへたり切っていたり、画像のようにセンターアームレストがだらりと下がっていたりと、外観だけでなく内装にもかなりの疲れが見えます。たまにこのように使うのですしせっかくのリゾート型車両なのですから、しっかりメンテしてやってくださいな・・。

 


ちなみにヘッドレストリネンには、地元の工芸品である丹後ちりめんが使用されています。フツーに買えばかなりのお値段となるものだけに、たまに盗難に遭うという事件もあるようです。


窓側には読書灯のスイッチが有ります。しかし今や読書灯はまったく機能していない上に、一部座席ではスイッチが壊れているものも・・。


リゾート型車両だけに荷棚が設置できないため、階段付近に荷物棚が設置されています。車内側なので、セキュリティ的にも安心感がありますね。

一度は乗ってみたい列車の一つであったので、偶然とは言え乗車できてよかったですが、各部の劣化、損傷が目立ちます。定期運用も無く、経営が厳しい3セク故に仕方無い部分はありますが、どうにかきれいにしてあげてほしいと思います。

 

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