京阪3000系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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中之島線開業と同時に快速急行用車両として登場した3000系です。「3000」という系列は3005Fが最後の1編成として存在していましたが、これを8031Fとして8000系に編入して2代目3000系となりました。なぜ素直に11000系にしなかったのでしょうか(^^;; 初代3000系のように名車になってほしいとの願いがあったのでしょうか。

 

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「風流の今様」をコンセプトにしており、随所に円弧を使ったデザインが施されています。

 

こちらが現在の姿。元々今では信じられない中之島線直通の快速急行用として登場しただけに特急運用はあまり想定しておらず、特急運用が主体となった現在京阪特急伝統の「鳩マーク」が掲出出来ないという京阪拘りの問題があったことから、液晶画面を増設しています。


特急運用時はこの通りで、淀屋橋や出町柳では鳩が羽ばたく動作まで見せます。

 

そして2018年現在は定期で復活した快速特急にも充当されています。

 

快速特急には「洛楽」という愛称が付けられており、こちらもディスプレイが動くようになっています。前面窓下にもディスプレイを追加したため、車掌台側の前面展望の面積は微妙に減少したとか・・。

 

事実上京阪間ノンストップが復活し、ダイヤも特急の後追いではなく独立したダイヤとなっています。「洛楽」の前には出町柳方面では急行、淀屋橋方面では快速急行を運転してある程度中間駅の速達性も確保したダイヤとなっています。いずれも途中で「洛楽」に追い抜かれますが・・。

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車番は最近流行のステッカー式。号車番号と禁煙表示、製造のKawasakiのマークを併記しています。

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こちらはローレル賞受賞とグッドデザイン賞受賞のプレートです。立派な額縁に貼られています。

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車外の表示幕はLED式です。漢字とアルファベットを交互に表示します。

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車内です。2+1の転換クロスシートの車内で、これまでの京阪電車には無かったフォーマル(と言えばいいのでしょうか・・)な装いとなっています。

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ドアです。濃い木目調のデザインは淀川対岸を走る元グループの阪急京都線の9300系にも通じるものがあります。ドア上にはLCD表示があります。しかし1つだけであり、サイズが2つ分を想定したであろうものになっているのでどこか寂しい雰囲気です。

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車端部です。妻面に窓は無く壁になっています。仕切り扉は窓が大きいものですが、もうひと伸び欲しいかなぁ、とも思います。

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こちらは車椅子スペースを有する車端部。優先座席にも指定されています。

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赤外線センサー式の自動ドアとなっています。北大阪急行8000形に始まったこの自動ドア、阪急9300系で導入されてから京阪でも採用されるようになりました。

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最前面です。直後に転換クロスシートが設置されており、実質展望席のような扱いとなっています。この区画のみ座席が2+2配置になっています。そうそう、運転台側と仕切り扉の遮光幕ですが、地上・地下の上り下りでは自動的に上下する機構が備わっています。ATS地上子にでも反応しているんでしょうか?

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天井です。やはり紺色の吊革が特徴的です。快速急行用車両としての登場ゆえか、10000系後期車で廃止されていた照明カバーが復活しています。中吊り広告が並ぶのは特急車の出自ではないので仕方が無いですね。

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窓です。採光性を考慮して戸袋窓があります。最近の車両で戸袋窓が存在しているのも珍しいですね。

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優先座席横の窓はこのように柄入りです。ちなみに、通常の座席付近のカーテンにも共通するものとして、円状の模様が入っています。なかなか凝ってます。あ、カーテンはフリーストップ式です。

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座席です。クロスシートは全席転換式で、ヘッドレストカバーや手すりなどがやはり円弧状になっています。そして肘掛が黒色で、両端に通したオレンジのラインがアクセントになっていて引き締まった印象です。

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1人掛けです。基本的に2人掛けと同じですね。仕切りはクッションを貼って立ち席に配慮していますが、ドア横のスペースが詰まりすぎていて死んでいるので使いづらい面もあります。

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こちら優先座席に指定されているクロスシートです。ヘッドレストカバーを変えることにより識別しています。背ズリが背中から腰にかけて急に落ち込むような形状になっていて、長時間の乗車では腰に負担がかかってしまいます。乗り通すには少し厳しいものがありますね・・。またこの円弧状の手すり、デザイン性はいいとして持ちにくいんですね・・。

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最前面の2人掛け展望席です。ここでは持ち手が手すりではなくツマミのようなものになっています。

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展望席からの眺めです。複々線区間ではアグレッシブな走りを見ることができます。

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ヘッドレストカバーにはこのようにロゴも。

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窓側に肘掛はありませんが、窓の桟が代用になります。それなりに幅もありペットボトルなどを置くこともできますが、縁取りがされていないものです。カーブ式会社と揶揄されるほど曲線が多い京阪線、ここをテーブル代わりに使うのは少しリスキーかもしれません。しかも、例によって例のごとく、カーテンを降ろすとこの桟、使えません。最近はこの仕様が流行っているのでしょうか。

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ドア横の仕切りは完全に閉鎖されていて風の通り抜けを防いでいますが、いかんせん足元が狭いです。

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転換クロスシートの表地には東レのエクセーヌという高級生地が使用されています。鉄道座席としては初めての採用らしいです。計画時に「本当に使うんですか?」と聞かれたとか。この辺の話題性には事欠かない京阪、ただ形状が・・嗚呼形状が・・。

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車端部の6人掛けロングシートです。バケット形状になっていますが、柔らかい・・というより適度に跳ね過ぎないくらいのスプリングが利いている座席で、長距離にも十分耐えられます。

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優先座席です。クロスシートと同じようにヘッドレストのような意匠です。

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ただ気になったのは袖仕切り。壁になっていて肘周りの余裕が全くありません。せめてモケットを貼って冷たさを和らげるべきです。というよりもっと他の形状を考える知恵を絞らなかったのかと。

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車椅子スペースです。非常通話装置が設置されています。車椅子スペースの手すりがそのままドア横に伸びているのがユニークです(^^)

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転換クロスシート横にも。ここは少し狭めです。

本来の運用であった京阪間の快速急行運用は完全に消滅し、快速急行としての運用も2018年現在は平日1本のみとなってしまいました。今や京阪間ノンストップの観光用(笑)看板列車には就いているものの、この車両本来の出自を知る者としては、今の輝かしい栄華に写る暗い影に哀愁を感じずにはいられません。