車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

現存する関東最古のケーブルカーが、箱根登山ケーブルカーこと箱根登山鉄道鋼索線です。

 

車両の形式はケ10・ケ20形、2020年より運用を開始した車両で、こちらがトップナンバーの1号車です。強羅駅で接続する鉄道線で走る3000形と同じオレンジバーミリオンの塗装となっております。

 

そしてこちらが対になる2号車。箱根山から見える青空をイメージしたブルーとなっております。

 

強羅駅と早雲山を結んでおり、早雲山からは箱根ロープウェイに接続しております。

 

ケーブルカーにしては珍しい行き先表示機。「各停」の文字がありますが、定期列車は全て各停で、多客時の臨時便で途中駅無停車の「直行」が運転されるそうです。これだけ聞けば、国内最古のケーブルカーをルーツに持つ生駒ケーブルの山上線っぽいですが、あちらもびっくり、この路線の途中停車駅は4つもあります。

 

車内です。まずは2号車から、外装と合わせた青系の色使いとなっております・・というより、ケーブルカーとしては非常にまれなロングシート車両となっている方がすんごい気になります。

 

ドアです。無塗装ステンレス仕上げの片開き式です。

 

ドア上にはLCDディスプレイ、さすが新型車両と言うだけありますね。途中駅も多くあるので、視覚上どこにいるのか分かるのはありがたいですし重要ですね。

 

更に開閉ランプも有ります。並の通勤電車くらい先端を走っていますね!

 

車端部です。2両編成のケーブルカーと言うのも珍しいですね。それにしても、仕切り扉があるのは立派(※鉄道線車両とは異なり、行き来可能です)ですが、側ドアに対してこちらどデザインはかなり前時代的です。窓も小さめで、段差が多いケーブルカー車両にして見通しが効かないのは、少々リスクがあるようには思います。

 

最前面です。乗務員室はケーブルカーにしては珍しい全室構造となっております。この強羅方には、フリースペースが用意されています。

 

天井です。冷房も備わっており、事務室にあるような汎用的なものがついております。また吊革も多数付いており、行楽シーズンを中心に大混雑となる車内での安全確保に努めています。

 

窓です。二段式となっており、上段が横引き式で開閉可能です。日除けはありませんが、一応着色ガラスにはなっております。そもそも、日除けを付けたケーブルカー自体あまり見たことがありません。

 

床面はケーブルカー車両らしく段差だらけ。段差の先にはLEDランプの線が入っており、なるべく足元に注意してもらおうとした努力の跡がうかがえます。

 

座席です。近年の鉄道は、長距離長時間を走る地方路線でもロングシートとなってしまうケースが増えていますが、その波はケーブルカーにも押し寄せてきているようです。ただそれは箱根登山ケーブルが首都圏の通勤電車並の混雑となるケースが多いからこそとも言えます。

 

車端部の座席です。仕切りの向こう側の2人掛けは優先座席で、モケットは赤色で区別されています。窓の大きさは変わらないので、優先座席部分は背ズリが短くなっています。

 

最前面の3人掛けです。こちらは肘掛けのような余寸があります。ここまで触れていませんでしたが、モケットはきれいなアジサイ柄となっています。箱根登山鉄道沿線には、地山を締めるために多数のアジサイが植えられています。一般的に梅雨時は観光客が減りがちですが、箱根はアジサイもきれいなのです。

 

向かい側の車椅子スペースです。この位置に持ってくるのは先代車両と一緒ですね。

 

続いてトップナンバーの1号車です。外観同様、色調を変えています。

 

早雲山方面の最前面です。乗務員室として区切られてこそいますが、前面展望も可能です。

 

座席です。モケットは…何を表してるのかは分かりません(^^;;  座り心地は多くを求めてはいけない、ちょい乗り程度のものです。実際長くても折り返しのドアが開いて出発して着いてドアが開くまで最長でも20分程度、そんなに長い時間乗るわけでも無いですし。

 

立ち席スペースです。車椅子マークが無い以外は特に変わりはないですね。

 

さて、ここからは先代となる四代目車両、ケ100形・ケ200形のご紹介です。元々この車両をご紹介する予定が、出し渋ってるうちに車両が交換され、そのケ10・ケ20形も取材が出来たので一緒に公開した次第です。ちなみに、台車はそのまま現行車両に流用されているようです。

 

車内・座席です。車端部をロングシートとしたセミクロスシート配置で、床面積は少なく感じます。

 

最前面の乗務員室はやはり全室構造で、客室とは完全に区切られています。

 

天井です。照明はカバー付きの直接照明を中央に配置しています。また、国内のケーブルカーとしては初の冷房車両なんだそうです。ちなみにこの車両はスイス製、それだけで色眼鏡かけちゃいますね(笑)

 

窓です。二段窓で、上段が内折れ式で開閉可能でした。

 

座席です。ボックスシート配置だけでなく、進行方向固定のクロスシートもあります。うん、観光ピーク時は混雑しますわな…。こちらも鮮やかなアジサイモケットでした。

 

その区画の向かい側には1人掛け席もあります。

 

車端部はロングシートです。この車両では一部のみでしたが、後継車は全てこの配置になってしまいました。奥は優先座席で、モケットが区別されています。

 

車椅子スペースです。柵で区切られており、窓側には握り棒が付いております。

 

沿線のアジサイと共に。ここで一言、輸送力であったり機能面であったりは現行車両はかなり進化しているようには思いますが、この先代車両の方が…外観はカッコよかったなぁ(^^;;

 

 

 

 

 

 

 



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富山地方鉄道の市内電車、地域輸送に徹する側面が大きすぎるばかりに電車線と比べて観光色が強い車両が無かったためか、軌道線100周年を機に1両をリニューアルして観光列車に仕立てています。

 

対象となるのは7000形の7022号車です。塗装はオリジナルカラーをベースにしつつ、ロゴが色々と…ええ、もうお分かりでしょうあの方がやったんですね。

 

文字多めなのはお馴染みですが、オリジナル塗装をベースにしているのは富山地鉄らしいですね。

 

この通り、新しくなった富山駅前にも。

 

車内です。外観が大幅に変わってないからと言って安心してはいけません、この通り中は大変貌しております。

 

ドアです。片開き式で、プレスが打たれた懐かしい方には懐かしいそれです。外から見て左側には手すりがあり、床が高い車内へ入るための補助になっています。

 

運転台です。中央の仕切りは化粧板を貼り替えています。ですがこのリニューアルでも特にLCDディスプレイの設置等はされていません。均一運賃であることや、ICカードの普及、レトロな雰囲気を出すためだとか、色んな理由があったのでしょう。

 

で、右側の仕切りは丸い覗き窓が付いたものになりました。元々は普通に「穴」だったと思うのですが、今はビニールが貼られています。

 

天井です。化粧板は一新され、照明にはカバーが掛けられています。吊革の輪は木製になっているのはお馴染みのミトーカデザインと言ったところでしょうか。

 

照明カバーをアップで。やっぱりロゴと文字は我慢出来ないようでございます。まぁ、これがあるだけで光が柔らかくなりますし、視覚的に入ると入れたくもなるのでしょう。

 

夜間はこの通り、柔らかな優しい光が車内を照らします。

 

窓です。日除けの生地は交換されましたが、配置自体はそのままです。

 

降車ボタンは昔ながらの押す面積が小さいタイプです。近年はボタンが大型化されているだけに、貴重な存在になりつつありますね。

 

座席です。ここは大幅に手が加えられており、座席がオリジナルタイプになったうえ、ヒーターカバーが一新されテーブルが追加されています。

 

 

運転台を向いて右側は4人掛けです。座席に関しては完全にやらかしちゃってますね、ただでさえ路面と言う保線が良いとは言えない環境にそれなりに揺れる古い車体なわけで、横方向への負荷が高い状況にして背ズリが木、なんでも見た目だけよかったらいいってもんじゃないでしょうに。

 

 

座面の座布団は相変わらず色々なモケットがあり、見た目だけは楽しいですね。

 

テーブルは折り畳み可能、時折学生がコーヒーを置いて楽しむ光景が見られたりします。混んでいる時は邪魔以外の何物でもなさそうですが、ラッシュ時にもお構いなく入ってるんですかね?

 

夜のとばりが降りつつあるこの時間、温もりや優しさを感じられるのはいいですが、座席・・というか背ズリは今からでもなんとかなりやせんかねぇ?

 

 

 

 

 

 


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最近、新しく譲渡してもらった車両の登場や、既存車の改造で賑やかさを見せている一畑電車。長らく一畑電車のフラッグシップとして活躍してきた5000系にも改造の波がやってきました。2編成のうち1本がその対象となっています。


その名も「しまねの木」。前面にはヘッドマークが付いていますね。

 

さて、2020年代に入りまして、塗装が独自塗装から一畑一般塗装へ変更されています。またヘッドマークもちょちょいとデザインが変化しているようです。灯具類はそのままであることと、ヘッドマークで2100形と区別が出来ますね。さて、中はどうなっているのでしょうか。


というわけで車内に入ってみました。す、すごーく「木」で溢れていますね(^^;; 

 

10年近く経ちますと外観だけでなく車内にも変化があるもので、一部変わった箇所がある2024年の車内です。


ドアです。原型時代は金属地そのままのドアだったのですが、新たに化粧板が貼られました。右側には整理券発行機が備わります。ワンマン運転では必須のアイテムですね。


車端部です。幅広貫通路は相変わらずで、車両間の行き来が多いワンマン運転列車では何かと都合がいいようで。


最前面です。こちらも前面展望が可能な大きな窓のまま残っています。中央部分には運賃箱が鎮座しており、左上にはバスタイプの運賃表示機が設置されています。


天井です。構成自体は変わっていませんが、両側肩部の化粧板が貼り替えられており、冷房吹き出し口に木目の化粧板が貼られています。

 

そして2024年。照明が直管式のLED灯に交換されています。蛍光灯はじき製造中止の後に継続利用が出来なくなるため、それに備えたものでしょうね。照度は蛍光灯よりアップしていますが、木製の荷棚が窓側になる程光を遮ります。このように夜間だとやや薄暗くなりますね。


吊革はJR西日本の新型電車や通勤電車に広がっている径が太いオレンジ色のものです。留め具は木を使っています。


窓です。二段窓、青い生地を使ったロールカーテンは変わっていません。


座席です。ドア間は転換&回転クロスシートからボックスシートに改座されています。

 

まずは2人掛けの4人組ボックスシートから。通路側とは木のパーテーションで仕切られており、プチ個室感覚を味わえます。

 

こちらの座り心地ですが、どこの区画を座っても座面のクッションがやたらに沈み込むようになっています。個人的には後述の2人掛けの方がお気に入りです。



中央にはテーブルが設置されています。

 

折り畳み式で、通路側方向へ広げることが出来ます。広げると4人分のドリンクポケットが出てきます。


反対側の1人掛け、2人組ボックスシートです。

 

座席単体で見ると、やはり座面は根本から2人掛け席と異なるもので、こちらはバケット形状になっています。

 


ちなみに窓割りは変わっていないので、窓が中央に来ている場所もあれば画像のように柱が中央にきている場合もあります。お好みに合わせて、どうぞ。


こちらにもテーブルが付いています。

 

2人組席ということで、座席方向へ開く形となっています。


座席中央にはこんな窪みがあります。荷物入れにしては小さすぎますねぇ・・。


ドア横がロングシートなのは変わっていません。袖仕切りが木の板で出来ており、かつての旧型国電みたいです。


車端部の5人掛けです。背ズリがかなり短めになっています。窓の寸法は変わっていないのですが・・なぜでしょう。



乗務員室直後は3人掛けです。昼間の前面展望はこちらからどうぞ。


そしてその向かいは車椅子スペースになっています。固定用のロープが備わっていますが、存在感は皆無に等しいですね(^^;;

 

2024年のフリースペース。自転車のピクトグラムが追加され、サイクルトレインの自転車置き場にもなります。そうそう、ドアの足元には黄色のマットが敷かれています。

 

またフリーWi-Fiも整備されています。近年は都市部でWi-Fiの設置を取りやめる会社が増える中で、地方でこういった情報提供ツールが整備されていくのは皮肉なものです。




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阪急では、朝ラッシュ時の10両編成運転取り止めに際して大きな変化が起きています。かつて6014Fと8両編成を組んでいた6024Fでしたが、6014Fが伊丹線用として転出した後、リニューアルが実施され箕面線用の4両編成として走り始めています。

 

…本来であれば箕面線で活躍している6024Fですが、突発代走として伊丹線をワンマン扱いで走れるようにもなっているようです。この時は、かつての相方、6014Fとの行き違いも見られました。しかし、7000系列の改造が充足してくると、このような光景も見られなくなることでしょう。
 
そんな代走運用を終えて平井車庫へ帰る際の回送での一コマ。種別灯も点灯させ、擬似特急体験を楽しんだことでしょう。6014Fなどの伊丹線仕様車では方向幕がフルカラーLED表示機化されていましたが、こちらは種別灯こそLED灯化されているものの幕式のままで残されているのが特徴です。

 

また側面も種別幕の埋め込みは実施されておらず、外観では大きな変化が見られません。が、内装には変化が起きているようです。
 
車内です。伊丹線仕様車に準じた簡易リニューアルが行われていますが、あちらとは異なる点があります。
 
ドアです。その異なる点はこちら、伊丹線仕様車では2ヶ所点対称となるようにLCDディスプレイが設置されていましたが、この編成ではそれが省略されています。
 
車端部です。化粧板は日焼け対策で焦げ茶色になり、非常通話装置がこちらに移っています。
 
フリースペースを有する車端部です。この区画は優先座席にも指定されています。
 
最前面です。2024年時点でツーマン運転の箕面線ですが、伊丹線運用にも入っていることから、ワンマン運転用の放送機器を積んでいるようですね。本線系統では車掌台側の仕切り窓に自動放送機器を設置していますが、この車両に関してはそこに機器はありません。
 
天井です。本線時代に冷房吹き出し口がラインフロー化されており、中央のスイープファン共々塗装仕上げで美しいです。簡易的な更新なので、7000系で実施されたような薄型照明カバーのLED灯化や、荷棚の交換などはされていません。
 
窓です。こちらも化粧板の交換程度の変化で、阪急伝統だったアルミ鎧戸が健在です。8000系のリニューアルではここがフリーストップタイプのカーテンに変わっているだけに、照明共々支線への手抜きが露骨に表れています。まぁ、かつての伝統が一日でも長く見られるのは、趣味的には嬉しいんですけどね。
 
座席です。ドア間は8人掛けです。伊丹線仕様車と同じく、脚台ドア横の化粧板が1000系よろしく焦げ茶色のものに交換された程度です。やはり、袖仕切りくらいは交換して欲しいとは思います。
 
車端部は5人掛けですが、モケットの色の変化具合を見るに、4人掛けとして使われるケースもありそうです。で、その背ズリですが、モケットの上部の色だけが変化しているのが分かるかと思います。奥まで腰掛けさせないような垂直気味な角度となっているため、近年の車両と比べるとしんどい座席ではあります。箕面線の乗車時間だからこそ「まぁいいか」とは思いますが。
 
優先座席です。こちらはワイン色のモケットで区別しています。こちらには消火器が収納されておりまして、車両の外側に張り出して収納しているため、車内側はスッキリしています。同グループの会社にも見習ってほしいものです。
 
フリースペースです。握り棒が2本と非常通話装置…これまでの阪急のフリースペース作りから一転した充実具合です(笑) ヒーターは無いのですが、隣の座席の脚台から出るようになっているようです。
 
で、優先座席の区画。窓と戸袋上にステッカーを貼っています。
 
最前面の2人掛けです。前面展望はこちらからどうぞ。そうそう、ワンマン運転用の自動放送装置は搭載済みですが、車掌用の自動放送装置は非搭載のようです。そのため、2024年現在では阪急線では数少なくなった肉声放送が実施されています。

 

関西空港への連絡輸送のひとつとなっている特急が「はるか」です。ライバル路線となる南海との競合を制するため、天王寺から先、新大阪・京都・野洲へと足を伸ばしています。

 

ちなみに、関西空港へと向かうのが関空特急「はるか」、天王寺・新大阪・京都・野洲方面は特急「はるか」と使い分けているそうな…なるほど。そんな「はるか」専用車両として活躍しているのがこの281系です。なにやらお召し運用に備え、窓は防弾仕様になっているとか…。

 

道中、車掌さん曰く「少々場違い」な福島の踏切を通過します。梅田貨物線も大きな変化が訪れるのでしょうね。

 

ドア横には号車案内と席種区分を表示するLED表示機が設置されています。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアです。窓の上辺を丸くして遊び心を持たせています。また空港特急ということもありドア幅は急行型車両並みに広げられています。

 

くずもの入れは681系と同様、飲料系とその他で分別されたものです。ただ681系にはあった飲料系投入口の蓋が無くなっています。

 

トイレ・・に見えるこちらは更衣室です。ベビーベッドもあり、ちょっとした多目的室ともいえます。奥にあるのは男性小用トイレです。

 

こちらはバリアフリー対応トイレで、扉が幅広で面積も広くなっています。手前には荷物置き場があり、スキーなどの長尺モノも置けるようになっています。

 

洗面台です。681系から続く鏡面に照明を仕込んだものです。これは最近製造されたJR西日本の特急型電車にまで受け継がれしデザインとなっています。


デッキ部の荷物棚です。滑落防止のためにセーフティーバーが設置されています。それにしても、デッキ部に設置されている関係上客席と分離されているというのは、盗難の危険性もあるのではないかと気になる今日この頃。

一部には自動販売機もありましたが、あまり使われてなさそうだったこともあったのか…

 

・・その後の様子。営業中止となっており、やはりあまり使われていなかったんですね。

 

そして、至る現在。自販機が撤去されて壁にされております。隣にあるのは元々公衆電話の通話スペースだった部屋です。

 

扉は現在も開くことができ、スマートフォンや携帯電話の通話スペースとして使用出来ます。


そしてフリースペース。元々喫煙スペースとして機能していましたが、現在は全車禁煙です。

普通車の車内です。暖色系の照明と黄色のヘッドレストカバーと、かなり明るい車内です。

 

デッキとの仕切りです。仕切り扉は前面ガラス製、JR西日本では珍しいですね。LED表示機が設置されていますが、やや手前側に配置しています。

 

バリアフリー対応車両は仕切り扉の幅が広く少し寄せて配置しています。

 

座席種別の表示はなぜか札式、JR西日本最初の特急型車両である681系ですらLED表示なのに、なぜこの系列だけ札式なのかが分かりません。

 

座席です。登場当初から続く、黄色いヘッドレストリネンがアクセントのリクライニングシートが並びます。


リクライニング角度は控えめです。見てのごとく、薄っぺらいのですが、座り心地もスカスカな印象です。かなり小さいサイドアーム式テーブルもあいまって

一番長かった運用は米原から関西空港まで130分、これでってのは少し厳しい気も・・。

 

バリアフリー対応の1人掛けです。車椅子固定用のベルトが設置されています。


さて、続いて1号車のグリーン車です。

1+2配置で大型の座席が並んでいます。パッと見、座席以外での違いと言えば、荷棚下の補助照明が追加されているところでしょうか。このへんが関西っぽい気がします。

2人掛けです。普通車と比較すると、大型化とピローの設置、ピッチ拡大、バーレストの設置・・と言った所。バーレストとなったのは関西国際空港発着と言うことで、欧米の乗客を意識したというところでしょうか(欧米人は靴を基本的に脱がない)。センターアームレストもグリーン車であれば妥当な広さです。

 


1人掛けです。テーブルは普通車同様インアーム式。グリーンにしてこの大きさはどうでしょうか。リクライニング量も抑えめ。大きくして枕つけて「ぐりーんです。」というのもどうかと思いますが・・。知ってか知らずか、はるかのグリーン車って、他の特急電車と比べていつも空席が目立っているように思います。

 

さて、例えばJR四国はアンパンマンとズブズブな関係ですが、JR西日本はハローキティとズブズブです(笑) そんな中、海外旅行客利用者が多い関空特急「はるか」、にハローキティラッピングが施されています。

 

JR西日本の特急型車両は基本塗装が白なので、ラッピングがされますとかなりそっちの方が目立つようになります。

 

271系との併結の様子。地味にキティちゃんの着物の色が違うんですよね。一時期は全編成がラッピング対象でしたが、近年は登場時の姿に戻った編成も出ています。

 

キティちゃん化されているのは外観だけではありません。まずはデッキからですが、右側に寄せられた窓をいいことに左側にキティちゃんが溢れています。

 

洗面台は…もう鏡とはなんぞや、と言った感じで、記念撮影に全振りしています。

 

という訳で車内です。こちらもお手軽ながらキティちゃんがたくさんいらっしゃるようです。

 

 

窓です。柱にキティちゃんがいますね。ただ、日除けは特に変更はありません。この辺りは予算の兼ね合いなんでしょうね。

 

 座席はヘッドレストリネンが交換されています。キティちゃん柄がはいってはいますが、ベースが白なので以前よりも落ち着いた様子に見えますね。

 


バリアフリー対応の1人掛けです。こちらもヘッドレストリネンが交換されております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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小樽市総合博物館には、北海道で活躍した車両たちが保存されています。その中にあるのが、キハ58系列の北海道版、キハ56です。道内各地で急行列車から普通列車まで幅広く活躍しました。ここでは、3両のキハ56形が保存されています。なお写真は少し昔のもので錆が目立っていますが、現在は再塗装できれいになっているかと。

 

それではまいりましょう、まずはデッキ、ドアからです。地方路線の低床ホームに対応するためステップ付きです。特筆すべきは塗ドアで残っていることで、今走る国鉄型車両がほとんどステンレス仕上げになっていることを考えると、保存車と言えど貴重な存在です。

 

洗面台です。保存車となっても昔は本当に使えたのか、元あった蛇口に加えて別の蛇口が増設されています。

 

通路に戻ると、鏡があります。・・ここ撮ってて、トイレ撮ってねぇのかい、俺‥

 

車内です。急行型らしくボックスシートがずらりと並ぶ仕様です。北海道で走る車両らしく、各所で独自仕様が見えます。ここで言うなら、床面が木で出来ていることですね。冬季に滑り止めの金具を取り付けて乗車するケースが多かったことから、耐久性をクリアできる木が使われたとのこと。

 

天井です。元々のキハ58系列は非冷房、この形式でも変わりません。照明・扇風機・通風機・スピーカー、シンプルにそれだけです。あと、荷棚は昔ながらの網棚。これも今の車両では見られなくなったものですね。

 

窓です。酷寒地を走るだけあり二重窓で、これは2022年現在も走るキハ40やキハ54と同一ですね。

 

座席です。ボックスシートで、急行用のため窓側にも肘掛けが付いています。シートピッチも普通用車両と比べれば広くは取られていますが、現在の水準で言えばかなりキツいと思います。

 

デッキ仕切り際の座席は横幅が切り詰められており、窓側に肘掛けもありません。こうなると、シートピッチ以外は普通列車用と変わりませんね…。窓側にはテーブル…があったはずですが、老朽化のためか欠落しています。その下には元々灰皿がありましたが、末期の禁煙化によるものか撤去痕となっています。


で、更には2人掛けもあります。進行方向だとアタリ席っぽいですが、①横幅が狭い  ②戸袋窓  ③前席の足元は埋まっている  …と、環境として必ずしもいいものではありません。向い合わせでの利用を考慮する必要はありませんので、テーブルは前に付いています。

 

続いてグリーン車です。キハ58系列…どころか国鉄型グリーン車の保存車は少なく、貴重な存在ですね(何やら家庭用エアコンが設置されたり、デッキが撤去されるなど手が加えられていますが…)。


窓は1席に1枚、二重窓なのは普通車と同じですが、窓を極力小さくすることで冬季の密閉性を高めています。

 

座席です。国鉄時代にはよく見られた座席で、サイドアームテーブルと反転式のフットレストが付帯設備として備わります。テーブルは…ちょっと怖くて出せませんでした(^^;;  リクライニング角度も大きく、普通車との設備格差を考えると、長距離乗車では重宝されたことでしょう。

 

壁際の座席には折り畳み式テーブルがあります。広げると現在のオフィスシートにも通じる大きさですので、不人気がちな最前列への補償としては十分なものでしょう。

 

 …で、ですよ。なにか大きなモニターが真ん中にデーンと置かれています。貴重な車両なので、そのまんまで保存しておいて欲しかったような気はします。

 

 

 

 

 

 

 




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首都圏から最も近場で乗れるSLのひとつが、東武鉄道のSL大樹です。元々JR北海道から借り受けているC11を使用した1列車分の運用でしたが、真岡鐵道から譲受したC11を追加で導入、更に私鉄で使用後保存されていた異色のC11を整備の上投入して2列車分の運用を可能にし、更に予備機関車を確保しています。

 

そしてATS機器を搭載したヨ太郎ことヨ8000形も漏れなく一緒で、転車台でも仲良く一緒に回転します。そうそう、1運用時代は補機でDE10が連結されていましたが、現在は日光から鬼怒川温泉へ運転される「SLふたら」を除いて単機運転に変わっているようです。

 

で、毎度のことながら私のメインはこちらの客車です。あちこちのJRから余客車をかき集めて運用に充てております。

 

その中でも今回紹介するのが、真ん中に連結された12系客車です。波動輸送をメインに増備された急行型客車で、登場時は普通車のみで、急行列車の衰退後はジョイフルトレインや普通列車用に改造され、現在では国内でも可動(稼働と言い切れないものも含む)車両は20両に満たないくらいにまで減少している貴重な存在です。

 

東武鉄道に来た12系は2両、かつて大阪-高知間を結んだ夜行の臨時快速列車、「ムーンライト高知」に使用されていたもので、座席を3列リクライニングシートやカーペットに取り替えたグリーン車、「オロ12」として走っていた車両でした。こんな車両構成だったので、「ムーンライト高知」は多客時に普通車が増結されない限りは全車グリーン車指定席という、ムーンライトを名乗る列車で唯一青春18きっぷが使用出来ない列車でした。なおその時の増結車両は主に14系客車、現在も同じような状態ですので、当車も懐かしんで走っていることでしょう(笑) 14系と共に東武へやってきたのですが、しばらくは南栗橋の片隅でウダウダする日々が続き、晴れて運用入りしています。

 

側面には大樹のロゴ、そしてサボ受けには国鉄をイメージしたサボが入っています。そうそう、この車両に方向幕が無いので、案内も兼ねているのでしょう。

 

オマケ的に14系の方向幕を。かつては行き先も書かれていましたが、日光へ行くこともあるようになったためか、ロゴのみの表示に変わっています。

 

それでは参りましょう。まずはデッキから、ドアです。絶滅危惧種となった折戸で、上下辺が丸い窓にも懐かしさを感じます。走行系だけでなくこういう所のメンテにも手を焼くのが、現在の国鉄型客車の難しいところでもありますね。一応、所有は信頼と実績の東武博物館ですが…。

 

元洗面台区画です。洗面台には蓋がされ、運行用の端末が置かれています。しかし、鏡や換気用窓はそのまま残されていますね。

 

トイレはロックされ使用出来ないようになっています。まぁ、14系にもトイレが備わってますので、困らないっちゃ困らないですね。

 

車内です。カーペットやリクライニングシートは全て撤去され、むしろ登場時を彷彿とさせるボックスシートに再リニューアルされています。というか、外観には緑の帯が入ってましたが、あれってグリーン車ってことですよね…。あ、指定席料金は全車一律ですのでご安心を。

 

デッキとの仕切りです。オリジナルスタイルはそのままに、化粧板を木目調のものに交換しています。これだけで印象は大いに異なりますね。

 

反対側、出入り口側を見てみましょう。新たにサービススペースが設けられたため、少し奥行きがありますね。古めかしい非常ボタンを付けていますが、わざわざ移設させたのでしょう。

 

天井です。分散冷房は変わりませんが、照明は蛍光灯から直管式のLED灯に交換されています。また荷棚はパイプ式のものはそのままに、板を増設しています。物が落ちるリスクは減った反面、見通しはやや悪くなっております。

 

窓です。不思議だったのは、JR時代にグリーン車ながら二段窓が維持されていたことです。下段はツマミが撤去され固定、上段は開閉可能…現在の運用では問題ありませんが、グリーン車の夜行列車となればまた話は変わってきます。種別上快速列車とは言えグリーン車としてそれなりの運賃・料金は払うでしょうから、その対価として冬季の窓側のさぞ冷えたであろう仕打ちをお見舞いされるのは…ねぇ?

 

座席表示のプレートは国鉄時代のそれをよく再現しています。またかつては固定式の帽子掛けがありましたが、収納式のものに改まっています。元のまんまでも十分ノスタルジックでよかったとは思いますが…。中央にはマイクの機器が増設されています。

 

座席は全席ボックスシートとなっています。この辺、14系がほとんどそのまま使っているのとは対照的ですね。一説には、JR東日本で廃車となったキハ40系列のボックスシートを譲受したとか。

 

中央にはテーブルもあり、駅弁を広げるのにはちょうどいいでしょう。ただ乗車時間がさほど長くないので、その辺は注意が必要です。このテーブル付き座席からの出入りを考慮したせいか、本来12系にあるはずの窓側の肘掛けも無ければ、通路側の肘掛けまでありません。

 

壁際の座席に関しても、しっかり横幅を切り詰めるという国鉄慣習を忠実に守っています。持ち手は交換され、早い時期のボックスシートに搭載されていたカマボコ型持ち手に近い形状のものにされています。あちらは金属でしっかり握れる形状ですが…。

 

サービスコーナーです。改造の上設置された区画で、アテンダントさんが案内したり、各種準備に使用しているようです。左側にはマガジンラックがあり、パンフレットが入っています。

 

向かい側にはモニターが備わりますが、この日は特に何も放映されていませんでした。

 

続いてはぶどう色塗装のトップナンバーです。赤帯も入っており、何やらJR北海道や真岡鐵道を彷彿とさせます。

 

ドアです。出入り口にはステップがあり、足元を照らすための照明が仕込まれています。

 

元洗面台区画です。

 

あら、内張りの塗装が違えば、鏡上の照明のカバーも違うし、換気窓が塞がれてる…って違うところだらけ(^_^;)

 

車内です。基本的な構成は-2と同一なのですが、元洗面台区画ほどではないにせよ、多少の差異があります。

 

異なるのはここ、窓です。地味に窓枠サッシが塗装されているんですよね。なんでこんなとこだけ違うのやら…。

 

座席です。出自は同じなので形状は変わりません。14系の方が比較すると快適だとは思いますが、汽車旅の雰囲気であったり、乗車時間を考慮するとこちらでもいいかもしれません。

 

サービスコーナーです。ここは特に変わりはありません。
 

さて、今までスルーし続けていましたが、この12系客車はかつての出入り口を展望デッキに大改造しています。一応かつてのドア配置の名残がありますが、突然現れた展望デッキの衝撃たるや…。

 

この手の展望デッキは車端部に配置するのが常ですが、方転が難しいことや、しないにしてもSL直後は危険かつ締め切り扱いにしないといけないケースもあるので、この位置に落ち着いたのでしょう。

 

車番は展望スペース設置に伴い記号が「オハテ」に変わっています。国鉄→JRの12系には存在しなかった車番ですね。そうそう、車番の上には行き先表示のサボが入っています。

 

という訳で展望デッキです。固定窓の14系では五感で楽しむべきSL列車にしてちょっと物足りない感想を持っていたので、このスペースの出現はありがたい限りです。ただ、早めに腰掛けは埋まってしまいますし、乗車時間も長くないので終点まで埋まってることもしばしばです。

 

天井は化粧板を全て撤去しています。この辺り、同じ12系を改造したトロッコ車両を知っている身としては少しお手抜き感がしなくもありません。

 

側面、肩部にはガス灯を思わせるような照明が付いています。夜間もトンネルも走りませんが、こちらは逆にムードが出てると思います。

 

座席は簡単なベンチで、手前右側はお子様の着席を考えたか一段低くなっています。また壁には簡単な腰掛けがあります。座れなくても最低限そこ、という選択肢も無くはありません。

 

ベンチ下には飾り照明が仕込まれています。ここまでおしゃれにされると、天井のぶっきらぼうさがつくづく残念です。

 

車内のプレート。こちらは青の-2のものです。国鉄っぽいプレートで忠実に再現しております。

 

SL大樹、日光·鬼怒川温泉観光の起爆剤として登場し、機関車·客車ともに増強が続いてる状況です。東武鉄道で都心から特急列車で来てもらい、SLに乗車する。こうして増収を図ろうとしており、観光列車のお手本のような運行スタイルとなっております。

 

SLも3機体制となり、DL代走を極力減らそうとした努力もありますので、観光資源として益々の活躍を祈りたいところです。










 

 



 

 



 

 



 

 



 

 



 

石川県の金沢市近郊に路線を伸ばす北陸鉄道。公式サイトで「石川県内でバス・電車を運行する北陸鉄道」と言っている分には、本業は完全にバスと言えそうです(^^;; 

 

そんな北陸鉄道の浅野川線の主力として活躍しているのが、京王井の頭線からやってきたステンプラカー3000系を改造した8000系です。中には片開きドア採用の初期車も2編成いまして、ちょうど画像左の車両がその編成です。初期車とその後の編成で、車体断面が異なりますね。

 

あ、京王時代は前面上部のプラ部分を編成ごとに塗り分けていたのですが、北陸鉄道では全編成がオレンジ色となっています。


浅野川線では元東京メトロの03系の導入が続きまして、8800系で残るのはトップナンバーのこの編成のみとなりました。引退は近いようで、近年塗装が水色に変更されています。

 

基本的に動かすことが無さそうな方向幕がこちらです。文字に味わいがありますね。

 

 


車内です。最後まで京王に残った編成は、バケットシート化などの更新工事が行われて引退していきましたが、8000系では特に手をつけられることも無く、ほぼそのままの状態で使用されています。


ドアです。化粧板は貼られておらず、かなり年季が入っていますね。ワンマン運転に対応すべく整理券発行機が設置されていますが、かなり違和感無く仕上がっていますね。注目すべきはドア上、停車駅案内が入っているのですが、かつて運行されていた急行のラインが未だに残っており、「急行」の文字は黒塗りされています(苦笑)

 

初期車のドアがこちら。どどーんと片開き式になっています。裾絞りが無いため、ドアの下部までストンと切り落ちています。


車端部です。幅広貫通路で結ばれており、仕切り扉はありません。終日ワンマン運転のため、見通しがよく通り抜けもしやすいこのタイプは重宝されているのでしょうね。


最前面です。乗務員室直後の座席は撤去の上ボックス化、中央には固定式の運賃箱が置かれ、ボックスとの間には鎖でバリケードが作られています。

 

方向幕を装備した編成がこちら。幕というより行灯かもしれませんが、中々横幅広めです。

 

天井です。こちらは初期車のものです。照明はカバー無しの蛍光灯で、冷房装置と送風補助のファンが等間隔で並べられています。


それ以降の車両がこちら。あまり変更点は無さそうです。そう言えば、荷棚は首都圏では網棚全盛期だと思いますが、バータイプなんですね。
 


上部に設置されたスピーカーには、未だに「KTR」の文字がうっすら残っています。

 

広告枠には甲種輸送の写真が入れられています。211系も、第二の車生を歩む時代ですねぇ。

窓です。二段窓で、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。戸袋窓も残っており、時代を感じますね。

 


初期車はドアが片開きということで、窓は3枚配置、うち1枚が戸袋窓となっています。戸袋窓も二段窓に合わせたデザインで、統一感を出しています。機能的には、同じ大きさのガラスを用意すればいいという事情があるのかもしれません。

 


座席です。オールロングシート、ドア間は8人掛けとなっています。袖仕切りはシンプルにパイプのみで構成されたものとなっています。


北鉄金沢方に存在する優先座席とセットになった8人掛けです。ここのモケットのみ、シルバーシートを思わせるものになっています。

 


中には座面が一般座席の区画も…。予備品のやりくりの難しさに泣けてきます。


車端部は7人掛けです。3扉車両の車端部が7人掛けと言うのは珍しい気がします。座り心地ですが、座面は程よいバウンズ感ながら、背ズリ薄っぺらく、上端のフレームがガツンと当たるのは頂けません。長時間乗車するわけではないので、生活路線と割り切ればあまり気になりません。うれしいのは妻面にもモケットを貼っていること。冬場などは特に、冷たい思いをすることがありません。京王時代の気配りでしょうね。

最後に最前面、車椅子スペースです。車椅子スペースのマークが貼ってありますが、バリケードが存在しているのにどうやって使えと(^^;; 使用時のみ鎖を解除するのでしょうか・・。

 

そして初期車。行灯の有無もそうですが、戸袋窓が無いのでヒーターが短くなっていますね。

東京から各地に散った京王3000系ですが、各地で終焉の時が近付いているようです。



 

 



 

 










↑ ↑ ↑

道内各地で活躍してきたキハ40形、近年はH100形の投入で数を減らしつつありますが、まだまだ普通列車で頑張っています。

 

その中でも、一部は観光列車としても使用可能なようにプチリニューアルされた車両がいます。

 

「北海道の恵み」シリーズに続く「山紫水明」シリーズのひとつですね。

 

富良野で、フラノラベンダーエクスプレスに使用されているキハ261系5000番台と遠巻きに並びました。どちらも紫色の系統をしている車両ですね。今回は「紫水」に当たりましたので、見てみましょう。

 

車内です。「北海道の恵み」シリーズは座席を中心としたお手軽リニューアルでしたが、こちらは化粧板も含めて規模を拡大させたものになっています。

 

まずはデッキ、ドアです。直接客室として関係無いためか、ここはあまり変化が見られません。なおトイレも和式のまま、もしかするとそこまで長い期間使用することは想定していないのかもしれません。天井には蛍光灯と通風器がひとつずつあります。客室並みのものは揃えられています。

 

天井付近を見てみましょう。トイレ付近は屋根が一段下げられています。ロングシート上の吊革は吊輪が木製のものに交換されています。また荷棚も交換されていますね。

 

窓です。周囲の化粧板が木目調のものに交換され、窓枠下が同系色に塗装されています。またチラッと写っていますが、日除けは柄付きのものに交換されています。

 

座席です。まずはボックスシートから参りましょう。

 

ヘッドレスト部分を木の板に替えたのは「北海道の恵み」シリーズと同様ですが、持ち手が木製で円形をしたものに交換され、窓枠下のテーブルを兼ねた部分が焦げ茶色に塗装されています。で、その下にはテーブルを固定するための金具があります。そのテーブルを設置すると出入りに難をきたすためか、通路側の肘掛けを撤去してしまっています。これ、肘掛けも脱着式に出来ればよかったのに、と思ってしまいます。

 

ロングシートです。相変わらず背ズリをボックスシートに合わせて半分木にしてしまっていますが、ここまでして無理に木にする必要無いと思うのです。だってさ、硬いし滑るし、接合部違和感あるし。

 

優先座席とセットになった区画です。優先座席は道内普通列車共通のオレンジ色モケットとなっています。

 

トイレとボックスシートに挟まれた優先座席です。一応3人掛けと思いますが、キッチリ座ると少し窮屈ですね。

 

静かに発車の時を待ちます。










 

 



富山市内から立山や宇奈月温泉などの観光地を結ぶ富山地方鉄道。基本は2両編成での運転ですが、ラッシュ時の普通列車や特急列車を中心に3両編成での運転もあります。で、富山地鉄では2022年に西武鉄道で引退した10000系を譲受し、運用に入っています。
 

系列名は20020形、富山地鉄では初の20000番台となった形式です。
 

塗装はニューレッドアローとして登場した西武時代のままですが、富山地鉄に来てから命名された愛称のロゴが貼られています。ちなみに、方向幕は今や定期列車が消滅してしまった特急「うなづき」号です。うんうん。
 

その名もキャニオンエキスプレス、黒部峡谷をイメージした愛称なんでしょうね。こちらのロゴにはアーチ橋の中にNRAの隠し文字を入れており、“New Red Arrow”へのリスペクトが感じられます。
 

宇奈月温泉・立山方先頭車は221号車と、形式名どこ行った?な感があります。5桁の内5〜3桁は英馬力を表してますが、この車両の3桁目は何を表すのでしょうか。あと、左側には西武時代の車番が残されていますね。
 

3両編成の普通列車と、特急列車を中心に運転されています。なおこの割を食ったか、取材時は10030形「ダブルデッカーエキスプレス」仕様車のダブルデッカー車が運用から外れるという憂き目に遭っています。
 
西武の先代特急用車両である5000系を譲受した16010形と並びました。ちなみに5000系譲渡に際し、その登坂性能を買って完全な状態での譲受を希望していましたが、足回りを10000系に流用することが決まっていたため車体だけを譲受、他社からかき集めた足回りを組み合わせて入線していました。そのため、約25年の時を経て5000系の足回りが富山地鉄にやってきたことになります。16010形も、「足回り返せ」と言ってるかもしれません(笑)
 
ちなみに富山へは4両の10000系が入線しています。組成から外れたモハ10606は部品取り車両で、この通り稲荷町の隅でウダウダしています。ウダウダするのが、この車両の最後の仕事ですね。
 
電鉄富山では元東急8590系の17480形と並びました。車高の高さが分かる一方で、関東では顔を合わせることが無かったコンビですね。
 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。青系の化粧板で、窓は右上に寄るような配置です。ワンマン運転に対応するため、カードリーダー付きの整理券発行機が増設されています。ちなみに鉄道線は全国交通系ICカードには対応していないので、注意が必要です。
 

トイレはバリアフリー対応の大型のもの…なのですが、この時は故障しており使えませんでした。その隣は元々公衆電話がありましたが、西武時代には既に撤去されておりました。
 

西武時代からあった自動販売機は、飲料から地鉄グッズへと売るものが変わっています…が、こっちも故障か販売中止、トイレ共々頑張ってほしいものです。
 

洗面台です。蛇口は自動式で、液体石鹸が備えられて…いるんですかね、中身は入っていないかもです。目隠し出来るように、カーテンが備えられています。
 

最前面です。元々両側共に壁でしたが、乗務員室からの視認性を考慮して運転台に窓が設置されました。
 

またワンマン運転用に、先程と同じ整理券発行機と、運賃箱が増設されています。
 

さて、客室へと入ります。西武時代から大きく変わらず使われていますね。
 

デッキとの仕切りです。右側には非常通話装置が備えられています。車内の通り抜けが多い運転方法に即してか、仕切り扉は開きっぱなしで使われています。あと、仕切り扉上にあったLED表示機は埋められちゃってます。
 
最前面の仕切りには運賃表示機が設置されています。LCDディスプレイ全盛の時代にして、一世代前の電光式を使用しています。ここは都合、旅客案内のツールがあることになりますね。
 
天井です。カバー付きの蛍光灯、スッキリした冷房吹き出し口、この時期の特急型らしくシンプルなデザインに収まっています。荷棚ですが、特急型車両としては奥行きが浅くキャパが少なく見えるのは私だけでしょうか。
 
窓です。2席に1枚の割り当てで、窓枠下辺は一部拡大されて飲み物などを置けるようにしています。日除けは横引き式のカーテンで、柱の部分には帽子掛けが設置されています。
 
座席です。回転リクライニングシートですが、折り返し時の全席回転を面倒臭がったか、デフォルトではボックス配置でセットされています。座席自体は西武時代から何一つ変わっていませんが、ヘッドレストリネンが省略されたため印象は少し異なりますね。
 
というわけで、ボックス配置でひとまず一枚。リクライニング機構も生きておりまして、特急列車にも入る車両として十分な設備でしょう。
 
もちろん、回転機構も生きています。JR東日本E257系辺りで採用されていた座席をベースに、座面スライド機構を省略、その代わりではないですが、バーレストが備わっています。この時期のリクライニングシートらしい、やや硬めのクッション性でございます。イタズラに硬い訳では無いので、地鉄の乗車時間としてはちょうどいいでしょう。
 
仕切り際の座席はテーブルが固定式となっています。座席はともかくですが、やはり地鉄のローカル軌条では車端部に近いほどよく揺れます。それこそ、魚津-滑川間のあいの風とやま鉄道の複線の幹線軌条が羨ましく思えるくらい(笑)
 
広告枠には、キャニオンエキスプレスの愛称決定のポスターが入っています。
 
続いて、バリアフリー対応設備のあるこちらの車両へと参りましょう。形式的にはクモハだと思いますが、モハでまとめております。なお地鉄譲渡に際してこの車両は電動車化されており、完全に西武時代のまま、という訳ではないようです。
 
それではデッキ…なのですが、左側がものすごぉく気になります(^^;;; 幅は車椅子も通れるよう幅広で、他の号車とは異なり白い化粧板を使用しています。
 
デッキとの仕切り、上部をクローズアップ。自動開閉機構を解除しているだけでなく、何とドアが引き出ないように部分的に蓋をするという荒業です(笑) 「この扉は閉まりません」というステッカー付きです。
 
…で、振り返るとこんなビックリ区画が私を待っていました! トイレなどのデッキ設備は全て撤去し、代わりに座席をロングシート方向に取り付け、荷棚と吊革を増設した詰め込み区画になっています。座席は、恐らく稲荷町でドナーとして留置されているモハ10606から流用したものでしょう。ドナーは、こういったところでも活躍するんでしょうね。
 
という訳で、まさかの爆誕、4人掛けロングシートです。この区画は優先座席に指定されており、座面のモケットが赤色になっています。本来ある程度リクライニングして利用することを前提としたものをぶっ立てて配置しているため、長時間の乗車は向きません。また窓も無く閉鎖的な空間ですから、短時間のちょい乗りくらいでの利用が望ましいかと。
 
続いて、西武時代から変わらず設定されているデッキ仕切り際のバリアフリー対応区画です。現状全車自由席なので、誰でも利用可能です。2人掛けの通路側についてはシートバックテーブルが使えなくなるため、インアームテーブルが備わります。251系と同じ形状なのが、E257系と異なるところではあります。この辺りは西武鉄道がリクエストしたオプションだったのでしょう。
 
この車内から、立山連峰の激山を眺めることが出来るようになるとは…思いもしませんでした。