車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

213系から223系への置き換えのタイミングで、JR四国からもマリンライナー用の車両を増備することになりました。何やら車両使用料の兼ね合いだそうで・・。さて、それで導入されたのが5000系です。一番5000系らしい画像をのっけてみました(笑)

 


こちらは瀬戸大橋25周年記念ヘッドマークが付いていた時代のもの。本四を結ぶ大動脈ももう四半世紀ですか。

 

そうこうしているとこの通り30周年ですもんねぇ(笑)


今回は高松方先頭車となるグリーン席・普通席合造車の5100形をご紹介。カラーはこの通り2種類存在します。車内も微妙に違うのでまたご案内します。


つりあがった配置になっているライトがかっこいいですね。グリーン席と普通車指定席の合造車で、首都圏で使用されているE217系の2階建てグリーン車の鋼体をまんま流用したのだとか。横須賀線の2階建てグリーン車と言った方が分りやすいでしょうか。

 

このような関係から、予讃線の観音寺以西には乗り入れ不可とのこと・・。ただ通常は岡山-高松間の快速「マリンライナー」専業ですので、困らないと言えば困りませんね。


側面には、岡山の桃太郎伝説にちなんだロゴが貼られています。それぞれ編成により異なり、イヌ、キジ、サルが存在します。


自由席車との比較。設計は合わせられていないので、非常にやっつけ仕事感が否めません。


それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。外側にはグリーン席と指定席である表示と、車椅子スペースの表示、半自動ボタンがあります。ドアは化粧板が貼られていないものです。料金不要の自由席のドアには化粧板が貼られているだけにこれはどうかと思いますが・・。まぁ関西の車両と関東の車両の合わせ技と言われれば納得しないでもないですが、特別料金を取るだけの空間の車両だけに、ここは化粧板、貼ったほうがいいと思います。

 

両側には半自動ボタンが設置されています。ボタンはなぜか西日本仕様ですね(笑)

 

上階へ向かう階段と下階へ向かう階段との間にはゴミ入れが備わります。大きさ的にもJR東日本グリーン車のそれと同一です。

 

壁面には座席番号の案内があります。最前面平屋部と階上がグリーン席エリア、車端平屋部と階下が普通車指定席エリアとなります。いずれも指定席券を持たない者の立ち入りは禁止です。


平屋席は車椅子の方の利用を想定した指定席となっています。


座席です。両側1人掛けのリクライニングシートとなっています。


全展開の図。肘掛は跳ね上げることもでき、固定用のベルトなどもついています。それにしても目の前がトイレの壁、1人掛けということもあり引きこもりサンにはぴったりの座席と言えそうです。ただこちら向きだとテーブルがありません。なぜ反対向きにだけ固定テーブルがあるのか謎ですね。

 

そのトイレです。バリアフリー対応で面積もそれなりに割いて設置されています。

 

向かい側にはヒーターと握り棒が設置された以外は何もありません。ここはトイレ待ちスペースなのでしょうか・・。都合、先に載せた座席の向かい側の席はここを含めて自席の占有スペースとなっているわけですが(笑)


お次は階下、普通車指定席エリアです。213系時代から普通車指定席は存在しましたが、自由席と比べても着席保証以外のアドバンテージが存在しなかったため、当時から比べると少し前進したのかなぁという思いです。階下席なので瀬戸大橋の眺望という点では大幅に後退しておりますが・・。


天井です。ダブルデッカーとして、やはり階下席は天井がフラットなため圧迫感は否めません。

座席です。回転リクライニングシートで、JR東日本の普通列車グリーン車に搭載されているそれに近いものですね。異なる点といえば、リクライニングだけでなく座面スライド機構も追加されたことでしょうか。


回転リクライニングシートではありますが、リクライニングはごくわずかです。ちなみに手前のピンクの座席、これがリクライニングめいっぱいです。テーブル類の設備もなく、あまり良い印象ではありませんね。以前の指定席が自由席車と同じ座席であったことを考えると、随分と進歩したほうではありますが・・。

 

なおシートピッチはJR東日本の普通列車グリーン車と同等ですので、窓割りは合っています。


荷棚はありませんので、片側1列分を潰して荷物スペースが取られています。

 

その後訪れてみると、荷棚の奥に何かが‥。

 

非常時脱出用のハシゴでしょうか。災害も他人事じゃ無くなってきていますからねぇ‥。


グリーン車へは階段を上っていきます。途中壁面にはブーケが飾られています。


階上エリア、グリーン席へと参ります。ちなみに床にはカーペットが敷かれており、騒音の低減を図っています。ちなみに、グリーン車指定席は一部のフリーきっぷと普通乗車券のみ有効で、定期券や青春18きっぷなどでは利用出来ません。


壁面にはブルーリボン賞受賞のプレートが。但し、受賞はこの5100形のみだそうで・・。



天井です。グリーン車であるにも関わらず、首都圏グリーン車にはあるスポット空調やSuica読み取り機(あ、これは違う)などの設備はありません。黙って瀬戸大橋の景色を楽しめと・・(笑) 照明の照度について、普通車指定席よりは明るめになっているように思います。


座席です。普通席とフレームは同じながら、ヘッドレストを厚くしたり、背面テーブルの設置、リクライニング量の違いなど、小さな格差が付けられているようです。しかし、このリクライニング量はグリーン車としてはちょっと・・。まさか指定席のあのリクライニング量のセコさやテーブルの省略は、このグリーン車との格差付けのために!?(^^;; 


荷物スペース。グリーン車は両側設置となっています。一つ気になったのは壁面の出っ張り。これはもしや、種車の壁面テーブルの跡・・。もう少しなんとかならなかったものか・・。

 

板面にはマリンライナーのロゴが入れられています。


こちら後期増備の車両。赤系の座席となったことでメリハリがつきましたね。

 

座席です。背ズリ中央のモケット色が赤となった以外は変わりません。

 

なお、種車の鋼体をまんま流用しているため、シートピッチが普通車指定席よりも広げられているばっかりに、ガッツリ横が窓枠といった席も存在しています。眺望が売りの階上席グリーン車、そして景色が売りのマリンライナーにしてこれはちょっとヒドいんでないかい?製造、川崎重工で一緒にやっちゃったほうがよかったのでは?


荷物スペース後ろの座席です。固定式のテーブルがついていますが、背面テーブルに比べると面積が極端に狭いためあまりおススメできません。


最前面、パノラマグリーン車です。ここの座席は「マリンパノラマ席」として階上グリーン車とは別枠での購入となります。4席しか無いため、空席であっても「△」の表示が付いているスペースとなっています。大迫力の前面展望、4席のみのショート空間のため、知る人ぞ知る穴場席となっています。


仕切り窓はパノラマグリーン車だけあって大型です。仕切り扉の上にはLED表示機が設置されています。


天井は冷房吹き出し口とスポット照明のみ、夜間走行時はかなり薄暗くムーディーな雰囲気に。こういう車内作りは、どちらかといえばJR西日本寄りですね。しかしその薄暗さを補うスポット照明くらいは欲しいものです。

 

座席です。高松方を向いたときはテーブルが無いため、インアームテーブルが設置されています。そのため階上席と比べてアームレストもちょっぴり豪華になっています。


座席は運転台側の席のみセミハイデッキ構造となっています。同じ高さでは乗務員によりせっかくの展望が妨げられてしまうという理由なのでしょうね。それでも表示灯などによる鬱陶しさもあるので、座席を指定するときは右側のC・D席の方がいいですね。

 


というわけでセミハイデッキ席部分。乗り降りの際にズッコケないように気をつけましょう。

 

マリンパノラマ席のみの特典として、座席裏の網ポケットにブランケットが仕込まれています。ドア付近で仕切り扉が無く、冬季に寒風が吹き込むことを想定したものなのでしょう。まぁ地味すぎてあんまり気付かれていないのが悲しい点ですが・・。
 

で、後日乗ると、予備品のロットの都合のせいか、左右で異なるモケットの座席が搭載されていたり‥。変に色を途中で変えると、こんなことになりますね。

 

 
 

 

 

大阪市南部から堺市の浜寺までを結ぶ阪堺電車、「半壊電車」と揶揄されることもあるくらい老朽が進んでいる車両もいるなかで、スローペースながら新型車両が投入されています。

 

平成までは1001形が投入されていましたが、令和になってからは形式名を改めて1101形が投入されています。

 

阪堺どころか、日本最古級のモ161形と並びました。1001形と共通運用となっており、天王寺駅前から浜寺駅前までの直通運用に入っております。

 

車内です。構成は1001形から変わりませんが、華やかでコントラストが激しかった1001形から一転、トーンを抑えた色調になっています。

 

1004

1001形も載せてみましょう。色調の差を感じて頂けるかと。

 

ドアです。プラグドアで、入口のドアは1001形同様に両開き式です。これ、モ161形以来なんですよね。隔世遺伝とも言えるでしょう。

 

出口は片開き式です。超低床車で段差が少ないことから「リトルダンサー」、以前も言いましたがシャレ抜きのシャレです。

 

3車体連接固定編成のため、都合上車端部が存在します。連結面、という方がいいかもしれません。きのこ形で、空間を広く見せようとした形跡が見えます。なんせ、斜めの部分から握り棒が伸びてますからね‥。

 

先頭車体の運転台です。路面電車らしく中央に配置されています。で、通路幅を極力広く取るためか、衝立はやや右側にセットされています。上部にはLCDディスプレイがあり、運賃や次駅案内等を表示しています。そうそう、右側は昼間にも関わらず遮光幕が降りていました。まぁ、昨今の情勢によるものでしょう。

 

衝立の広告枠には、当時お目見え直後だったため1101形デビューのものが入っていました。

 

右上にはメーカーズプレートと車番のプレートがあります。なお天王寺駅前側が1101A、浜寺駅前側が1101Bとなっています。

 

天井です。ダウンライトなのは引き続きですが、こちらも化粧板がモノトーンとなった他、光源がLEDとなっています。1001形と構造(と言うのか、、)として異なる点ってここだけなんですよね。

 

中間車に関しては、冷房の吹き立ち口がありません。またロングシートのため、吊革が多く並んでいます。

 

窓です。1001形の日除けは簾調でしたが、フツーのフリーストップタイプのロールカーテンが備わります。まぁ、変に着色ガラスで眩しいよりはいいですが…。窓自体は二段式、上部はスライド式で開閉可能です。

 

先頭車には一枚固定窓もあります。

 

優先座席の日除けはそれを示すための専用仕様です。

 

さて、座席へとまいりましょう。1001形にならって両先頭車はクロスシート、中間車はロングシートのセミクロスシート配置となっています。

 

まずはクロスシートからです。機器や台車を収めるために妥協的に作られたものです。それでも、海外製の低床車両とは異なり通常の輪軸が使えると言う点で、長期的な調達コストは安くつくことでしょう。ボックスシートは機器配置の関係でセミハイデッキ化されていますが、その裏の座席はノーマルデッキながら背ズリは高めになっています。

 

一方で、ボックス席は真ん中に柱がドーンと入っているのはイマイチです。あと、片側1人ずつの配置なので、着席定員は少なくなります。これは、床面積を稼ぐのには仕方ないのですが…。

 

先頭の座席にはマガジンラックもあります。特に何も入っていませんが…。

 

中間車のロングシートです。短く直角な背ズリ、「どうせ短時間乗車のちょい乗りだけやろ」精神ブッツケの簡素さです。一方で袖仕切りの内側はモケット張り、冷たさの軽減はありがたい限りですね。

 

車椅子スペースの折り畳み座席です。こちらのみ座面がバケット形状になっています。

 

またここのみ、車椅子利用を想定し降車ボタンが縦に二つ配置されています。









開業100周年を迎えた叡山電車。このアニバーサリーイヤーに、新系列車両が登場しました。

100系、鞍馬線系統に投入された系列で、2025年12月から運用を開始しました。

愛称は「舞」、着物をまとって旅をするようなイメージをコンセプトに、華やかなデザインとなっています。

2両固定編成で鞍馬線系統の固定運用に入っており、ダイヤも公表されています。…何食わぬ顔でここまで書いてきましたが、この系列は既存車両の改造でして、元は叡山本線で運用されていた単行車両、700系720形2両を種車に固定編成に改造しています。両運転台を片運転台に改めており、連結面は前面だった時の面影が全くありません。離線防止のためか、パンタグラフは各車に搭載されています。

車内です。2扉ロングシートの構成はそのまま…と言うには色々変わりすぎたパッケージです。なお叡山電車ではこの車両や「きらら」を「展望列車」としており、叡山本線を走る「ひえい」を「観光列車」として区別しています。「ひえい」が展望列車じゃないということでそうしたのだと思いますが…。

ドアです。こちらは車端部側のものでございます。片開き式で、700系列と同様に窓を2枚にして面積を拡大しています。戸袋側には一部分にイエローラインを入れており、床面にも黄色を配して注意喚起しています。

最前面のドアです。この区画は防犯カメラが設置されています。

ドア上には開閉ランプが備わります。700系列のリニューアル車両と同様、OsakaMetro車と同じ開閉チャイムが流れます。

車端部です。元々運転台があった区画ですが、外観だけでなく内装に関しても面影が全然ありません。その割に、「きらら」のように曲面ガラスを採用したりしていないことからも、この区画に関して言えば展望列車としては物足りなさを感じてしまいます。

最前面です。化粧板こそ変われど構成は大きく変わらず、運転台側には運賃箱とLCDディスプレイがあります。LCDディスプレイは2面式で、左側は運賃表、右側は運行案内を流しています。

天井です。700系列同様枕木方向に羽が付けられているものの、照明は直管式のLED灯となっています。なおそのLED灯は下部にカバーを付け、反射式に準じたスタイルになるようにデザインされています。カバー面積が少し少ないのが残念ですが、メンテナンス性と両立すべく考えたものなんでしょうね。吊革は曲線を持たせ、色調も暗めのものを採用しています。

窓です。戸袋窓以外は一段下降窓で開閉可能です。また「きらら」と同じく天窓が追加で開けられており、「展望列車」のブランドをここで示しています。

日除けはロールカーテンタイプ、引き降ろすと柄が入っています。天窓には日除けは無く、夏場の昼間は直射日光にさらされそうです。

一部区画には鶴も描かれています。

座席のポール上には装飾が入ります。ちなみに天窓の関係もあってか荷棚はありません。うっかり荷物を持ち上げないように気を付けないといけません。

座席です。赤いモケットが眩しい20人掛けのスーパーロングシートです。「きらら」のように冒険しなかったのは、ラッシュ時の詰め込みという現実的な側面を考えた結果でしょうか。座面はバケットタイプ、背ズリには縫い込みを入れて定員着席を促しています。

袖仕切りはガラスを組み合わせたもので、二段式のガラスには日除けと同じ柄が描かれています。

座席間の仕切りにも。この仕切りは肘掛けとしても使えますので、ここを陣取るのも悪く有りません。で、仕切りには握り棒も2本入っているのですが、下部は間隔があまり取られていないため、お子様が手や腕を通したら最悪挟まる事態も想定出来ます。使うにしても注意が必要です。

優先座席は色調を変えて区別しています。座面はやや硬めながらクッションをしっかり詰めたものなので、叡山電車の乗車時間では必要十分と言えますが、背ズリがほぼ直角となっているため、ここはあまりいただけない所ではあります。

車端部のフリースペースです。付帯設備は握り棒のみとシンプルですが、その握り棒はもたれたり、あらゆるステータスの方が握れるように考えられていると思います。

さて妻面の機器スペースには、鞍馬石が貼り付けされております。案内も掲示されていますね。

向かい側は「MAI SPOT」という名の立席スペースです。2名分ですが寄りかかれるようにクッションが設置されています。

ここには充電設備もあり、USB、type C、置き型の各方法に対応しています。座席には座れませんが、充電に困った時にはここがありがたい設備になって来ますね。ただ、市原以北では車内照明が停電する程に電圧が安定しないことがあります。ご利用は自己責任でお願いします。

終着、鞍馬駅で折り返し前のひとときです。

新しく走り出した展望列車、鞍馬方面への観光アクセス列車として、次の百年に向けて新しい歴史を刻み始めています。





ひとつの会社で2つの軌間を有する私鉄もあまり多く無いと思いますが、その会社に当てはまるのが近鉄です。狭軌の南大阪線系統でワンマン運転列車に投入されているのが6432系です。1の位で系列を充てるのはさすが近鉄です(^^;;  これも混迷を極めており、6432系と言いながらこの画像、6425号車なんですよね。6422系をワンマン対応化したため6432系に編入したそうですが、車番まで変更していないためこうなったそうな。

 

車内です。THE・平成に増備された近鉄電車というパッケージで、2023年当時でも一般座席に赤いモケットが残っていました。


ドアです。近鉄らしい大きな窓は健在です。両端には引き込まれ防止のためイエローラインが追加されています。

 

6422系の6430Fとこの6432系の6422F・6425F・6430F・6432Fには千鳥配置でLED表示機が設置されています。ワンマン対応車の方が設置率が高いというのもまた…南大阪線系統では、これとシリーズ21である6820系2両編成2本しかLED表示機搭載車がいないんですよね。特急型車両共々、南大阪線系統はサービスアップの点で中々恵まれません。

 

車端部です。都合により大阪阿部野橋方のみご紹介。登場時より吊革・座席・床など、ちょこちょこ変更点があります。それでも、窓の小さい仕切り扉は変わりません。

 

最前面、こちらは吉野方ですが、ドアと乗務員室との距離が縮まったこともあって座席はありません。それもあってか窓はやや小さく高めの位置に配置されており、お子様の前面展望には向きません。運転台側の仕切り窓下には握り棒が、車掌台側には床置き式の避難はしごが置かれています。

 

反対側の大阪阿部野橋方の最前面です。左側に握り棒を追加してフリースペースにしています。片側だけじゃないといけない理由も無いと思うんですけどね…。なおワンマン対応ですが各駅に自動改札機が整備されているため、運賃箱などはありません。この辺りが名古屋線系統のワンマン対応車との違いですね。

 

天井です。近年ジワジワと数を減らしつつある網棚が健在です。また平成初期まで見られた近鉄オリジナルの三角形の照明カバーも特徴です。

 

窓です。ドア間は一段下降窓を2枚配置しています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテン、中間は一ヶ所のみ掛けられるようになっています。それでも、近鉄では上げるか下げるかしか無い車両がまだまだいっぱいいますからねぇ…。生地は深い青色、登場当初としても少々古くさかったのではないでしょうか。

 

座席です。ドア間は7人掛け、着席区分は特に設けられていません。そのため着席定員が7人でも実態は5~6人で座られていることが多いです。赤系のモケットは近年少なくなりつつありますが、これも一度貼り替えられて明るい系統のものになっています。

 

優先座席です。こちらもかつてはシルバーシートとも言える銀色のモケットでしたが、青みがかかったグレーに変わっており、床面に優先座席のシートが追加されています。袖仕切りは肘掛けと立ち上がり時に握れるパイプを兼ねたもので、かなり機能的だと思います。

 

車端部の4人掛けです。背ズリをやや高く取っており、角度も適切なので近鉄通勤電車では中々よいものだと思います。ただ座面は端の席を中心にバネがヤレている部分もあり、好き嫌いが分かれるかと思います。

 

避難はしごです。特急型車両も含めてこの形状のものが床置きされています。

 

フリースペースです。握り棒が2本になった以外、その他の立ち席スペースと環境は変わりません。

 

 

 







奈良県、近鉄が強すぎるため長らくJRの定期特急列車不毛の地として君臨し続けて来ましたが、おおさか東線の開業により近鉄のテリトリー外となる大阪北部から奈良へアクセス出来る特急列車、「まほろば」が設定され、2025年からは専用車両も2本用意されています。

2025年の春に登場した「安寧」編成から遅れること約半年、秋からは「悠久」編成が登場しています。「安寧」編成とは異なりグレートーンの塗装…塗装なんですかね、ここからのカットだとステッカー貼り付けかもしれません。

JR西日本の特急型車両に共通して表記されているロゴもグレートーンなデザインになっている一方で、窓周りには装飾がなされていますね。

装飾は天平感…いや、奈良感溢れるデザインです。奈良っちゃやっぱり鹿のイメージありますよね(苦笑)

系列名は683系、種車はかつて「しらさぎ」として登場した2000番台で、「まほろば」充当にあわせて新たに6000番台が付与されています。今や七尾線のわずかな区間しか交流区間を要さなくなった現在のJR西日本在来線において、交直流車両として置いておく必要は無いと思うのですが…。撤去費用かけるくらいなら、直流側で置いておこうということでしょうか。

各車両にはロゴが入れられています。前面と側面との間はグラデーションを描くデザインとされています。土休日はおおさか東線経由で新大阪-奈良間を結ぶ特急「まほろば」、平日はバイト運用として同区間を大阪環状線経由で走る通勤特急「らくラクやまと」に運用されます。

「まほろば」の方はこの車両の投入により上々の乗車率になっているようですが、「らくラクやまと」は朝の上りはともかく、下りは設定時間が悪過ぎて酷い乗車率を誇っています。天王寺でわざわざ区間快速を待たせてまで走らせているのですが…。

それではまいりましょう、まずはデッキ、ドアからです。こちらはバリアフリー対応車両のため、幅が広くなっています。窓が片側に寄せられているのが西日本らしいです。

1号車のサニタリースペースです。足元は木目調のデザインとされています。

男女共用トイレです。ドアは手動式、中は洋式です。

向かい側には男性小用と洗面台があります。こちらのドアは開き戸となっています。なお、ドア関係は化粧板が柄付きのものに交換されています。

洗面台です。鏡は照明を仕込んだもの、蛇口はセンサーによる自動式、2000番台時代から特に変わりません。

で、トイレの横には「安寧」編成と同様にギャラリースペースがあり、デビューからは国宝の「新薬師寺 十二神将伐折羅大将立像」のレプリカが展示されています。

2号車、バリアフリー対応トイレです。JR西日本の限られた世代でしか見られない台形をしています。ドアはボタンによる自動式になっています。

車内です。外観と同じく、車内も座席を中心にグレートーンでまとめられています。

デッキとの仕切りです。片側には荷物置き場が設置されています。仕切り扉は自動式、旅客案内は2000番台のLED表示機をそのまま使っています。今の時代からすれば、字というか、表示がかなり小さいですよね。

最前面、乗務員室との仕切りです。デッキとの仕切りとは異なり、仕切り扉に窓はありません。

バリアフリー対応区画のデッキとの仕切りです。車椅子等が通れるように幅広となっています。各区間の上には防犯カメラが設置されています。

広告枠には、デッキにあったギャラリースペースの案内が入っています。

天井です。色調はグレートーンながら、照明は従来通り暖色系を用いています。この辺りはJR西日本の特急型車両の共通項なんですよね。

窓です。2席に1枚の割り当て、最近ようやくロールカーテンを搭載した特急型車両が出たところですが、この車両では従来通り横引き式のカーテンで残されています。荷棚には読書灯があり、間接照明で暗くなる荷棚下を補完しています。

座席です。黒系のモケットの座席が並びます。元は2000番台ですが、座席は新調されています。

テーブルはシートバック式、アームレストの先端にはコンセントが備わります。ヘッドレストリネンは専用のものを使っているものの、ビニール製で付けっぱなしです。まぁ、チケットレスで安く乗ってさえいればそんなもんか、とは思いますが…。衛生面を考えても、別料金を取る列車くらいしっかり替えてほしいもの、何かしらのタイミングで都度替えてると期待したいですが…。

仕切り際の座席は、いわゆるオフィスシートとなっており、テーブルの面積を広くしています。コンセントは全席に設置されたため、今や違いがテーブルの面積だけとなったのは、時代が進んだものだと思います。通勤特急利用でここはありがたいですね。


バリアフリー対応区画手前の席は大阪・新大阪方面ではシートバックテーブルが無くなるため、サイドアームテーブルが設置されています。奈良方面ではテーブルのバリエーションが増えますが、通常は発券ブロックがかけられています。またサイドアームテーブルが設置された関係で、コンセントがアームレストの内側に設置されています。まぁ、全席これでもいいと思うんですよね、従来の座席はシートバック/サイドアームの両面仕立てだったわけですし。

こちらはバリアフリー対応区画の向かい側の1人掛けです。脚台には車椅子固定用のベルトが設置されています。座り心地としては4000番台から変わらず、頭でっかちなフレームのせいか座面が短く感じるそれです。かつてのサンダーバードのように、乗車時間が2時間を超えたりしなくなったのが幸いですね。

全展開の図。肘掛けは両側ともに跳ね上げ可能です。この構造のせいか、座席の回転は窓側を向いて回転するようになっており、通路側を向けて乗り移りさせることが出来ません。んー、わざわざそんな構造にせんでも。

1人掛け席はやや通路側寄りに設置されているため、2人席の後ろではテーブルの位置が微妙にズレます。

バリアフリー対応区画です。非常ボタン、コンセント、固定用具、握り棒、ヒーターがセットになったユニットが設置されています。

ユニットの上には折りたたみ式のテーブルがあります。展開することで面積を広げられますが、一般座席のシートバックテーブル程の面積はありません。一応、閉じてても開いててもドリンクホルダーが設置されているのは配慮ですね。










きのくに線こと紀勢本線の藤並駅から有田鉄道バスで15分、今やバス会社となった有田鉄道の終点だった金屋口駅付近を整備した有田川鉄道公園があります。しかし、「Tetsudo Park」て…。

 

そんなてつどうぱーくの入口ではデゴイチことD51が出迎えてくれます。かわいいヘッドマークも付けられていますね。

 

公園にはかつての有田鉄道線の線路も少しだけ残されており、有志が鉄道車両を走らせられるよう整備しております。

 

そんな有田川鉄道公園で保存されているのが、有田鉄道で最後まで営業運転で走っていたハイモ180 101です。ちなみに、有田鉄道線の晩年は第2・第4土曜日と日曜日は運休、運転日ですら朝と昼の2往復のみと、現存していれば…東京からは定刻で7時半に新幹線に乗らないと間に合わない難易度になっていました。

 

樽見鉄道からやってきたレールバスで、国内でも数少ない現存する2軸台車の気動車で、窓には樽見鉄道時代に使われていたとおぼしきサボが飾られています。

 

有田鉄道に来ても、車番は特に変わらず活躍していたようです。車番、国鉄でも使われた隅丸ゴシックを使っているんですね。

 

昭和59年製、保存線内のみとは言え動いているのも奇跡とも言えるでしょう。ちなみにここに集うのは鉄道ファンだけでなく、バスファンも集まるそうです。バスはどの車種でもそうですが保存車が少なく、当時のバスと同じエンジンを搭載したこの車両の「音」を楽しみに来るのだそうな。

 

製造元は富士重工、そのためかスバルのステッカーが。いずれにしても年代物のため保守も大変そうですが、有田鉄道バスが何かと保守の世話をしてくれているのだとか。

 

車内です。この手の車両としては珍しくセミクロスシートを採用しています。地味に路線長のある樽見鉄道で、長距離輸送と近距離輸送の両立を図ろうとした意図が伺えます。とは言え今樽見鉄道で走るハイモたちは、三木鉄道から来た車両を除けば全てオールロングシートで落ち着いていますね。

 

ドアです。バス部品を使った折戸式で、ここを切り取ればバスだと言っても通じそうです。違和感が仕事するとすれば、バスは左側にしか営業用のドアが無いことでしょうか。

 

開いた図。時代もありますが地方ローカル線への導入が多かったので、折戸部分はステップになっています。自動扉とわざわざ書いているのは、半自動扉がメジャーだった時代に登場したからなんでしょうね。

 

珍しく外から。ステップが設置されており、小柄な車体でもホームとの間に隙間が出来ないようにしています。

 

運転台です。路面電車のように中央に運転台が配置されています。車長の短い車体でワンマン運転に対応しつつ、両側のホームで乗り降り出来るように考えるとこうなったんでしょうね。

 

天井を見ると、ミニ扇風機が設置されています。富士重工のメーカーズプレートもありますね。

 

運転台との仕切りです。各種表記に加えて、運賃箱と整理券発行機が設置されています。

 

で、反対側。排気管があるためか、整理券発行機の設置方法や形状が異なります。

 

天井です。吊革はロングシート上にのみ設置されていまして、何気に国鉄のポリシーを守っています。荷棚はパイプ式で網棚から進んだように見えますが、全体的に小さい車体もあってか大きな荷物を置けるほど想定された縦幅は広くありません。そうそう、富士重工と言えば丸を並べた化粧板が特徴です。これを見られる車両も少なくなりました。

 

冷房も完備しています。吹き出し口は回転式で、窓上に設置されています。見てくれは古臭く現代的ではありませんが、寒ければ冷風を遮断出来る機能性はあることはポイントだと思います。

 

窓です。二段式で、下段が開閉可能です。上段上部の着色と言い、スライド式の下段窓と言い、横引き式のカーテンと言い、これ完全に観光バスのパッケージなんですよね。そう言えば、下段窓が開いていますが、実は下段もちょっと着色窓になっているんですよね。


座席です。まずはクロスシートから、2人掛け固定クロスシートが進行方向固定で設置されています。通路側肩部には持ち手が付けられていますね。

 

シートピッチも狭く肘掛けは省略、クッションも薄いそれは路線バスの座席と大きく変わりません(むしろ肘掛けが無いのでそれ以下かもしれません)。有田鉄道くらいならば必要十分ですが、樽見鉄道ともなればそれなりの乗車時間になるので、ちょっとしんどかったのではないかと思います。

 

一部足元にはヒーターがあり、脚を伸ばせません。

 

続いてロングシートです。やや背ズリが切り立ち気味で縦寸が短いものの、クッション性はクロスシートよりも優れています。袖仕切りは簡易的なパイプ式、形状的に肘掛けも兼ねております。

 

脚台にはヒーターがありますが…しっかり「BUS HEATER」と記載されています。これ、端の方々にまで効いてたんですかね?


さて、メインはここまで、お次はオマケとして金屋口駅に留め置かれていた超簡易的な貨車をご紹介。

 

トム203、近江鉄道から譲り受けた稼働状態では日本最古級の貨車で、本日の運転士さんいわく、当初は柵を付けて人を載せて走らせることを想定していたそうですが、諸事情で中止になり、今ではたまに刈り取った草を移動させるため走らせているそうな。ちなみに、引き取りに近江鉄道へ伺ったところ、「車体にはトム203と書いてんのに社員さんはトム206とか意味分からんこと言っとった」とのことでした(苦笑)

 さまざまな伝説をもつ近江鉄道、掘ればもっと色んな伝説が出るんでしょうね。


 

 







高知県の東西軸の末端を運営している土佐くろしお鉄道、ごめん・なはり線、主力は「くろしお」にかけた9640形で、基本的にはセミクロスシートを搭載した車両が走っていますが‥。

 

車内です。2005年に導入された車両はオールロングシートとなっています。景色がきれいな区間もありますので、クロスシートでゆったり景色をみようとしている方はガックシ来ること請け合いです。なおこれは畳を敷いてお座敷車両として使用することを前提としているためなんだそうです。

 

ドア横の握り棒にはクッションが巻かれています。冷たさは軽減されますね。

 

運転台です。地方ディーゼルカーおなじみの半室構造で、右側では前面展望が楽しめます。ローカル線としてはかなり高規格な110km/hで走行可能ですから、前面展望も圧巻です。

 

天井です。オールロングシートなので、全長に渡って吊革が設置されています。中央には沿線のイメージキャラクターが描かれています。直通先であるJR四国のアンパンマン列車と同じような感じですね。

 

荷棚には非常用のはしごがあります。ここにしか置けなかったんでしょうね。

 

座席です。ずどぉーんとスーパーロングシート、クッションは4人ごとに分けられており、薄く縫い付けで着席区分が入っています。ですが、ここまで来ると片側にしっかりと人が座っているところをあまり見ません(^^;; ロングシートともなるとやっぱり近距離乗車前提ですので、可もなく不可もなくな座り心地とは言えどもクロスシートが恋しくなります。

 

優先座席はJR西日本で見られるような、緑をベースにピクトグラムを散りばめたもので、床面には優先座席を示すシートが貼られています。そして、戸袋部分は車椅子スペースとなっており、固定用具と握り棒が備わっております。ステップレスでもあるので車両側のバリアフリーは万全ですが、景色がきれいなだけに窓がないのは少し残念です。

 

煙突部分です。お隣にはくず物入れも備えられています。

 

トイレです。化粧板はキャラクターが散りばめられたものとなっています。バリアフリー対応で、ドアの幅は広めとなっております。

 

終点、奈半利駅に到着。折り返し便があるにはありますが、時間があるためかアイドリングストップの意味合いもあってかエンジンや照明が落とされて夜間停泊のようになっています。

 

 

 









名鉄の岐阜市内線、近年はまさかのLRT構想による復活の可能性が出て来ていますが、その存在を知らない人も増えてきているかと思います。そんな岐阜市内線の生き証人のひとつが、岐阜から割と近いところを走る豊橋鉄道のモ800形です。

 

岐阜市内線廃止の少し前に登場した車両で、3両が在籍しています。2両は福井鉄道に旅立ったこともありましたが、最終的には豊橋鉄道に全車が集結しています。井原の鬼畜最急カーブを曲がれない制約も、台車周りの改造で克服しております。

 

かつてモ3000形に施されていたブラックサンダー塗装は、この系列が引き継いでいます。日本初の国産超低床車で、海外製も含めて3例目となります。このことから、ローレル賞にも輝いております。

 

車内です。超低床車化に際しては従来のボギー台車を使えることを前提としたため、部分低床車となっております。そのため、バリアフリーなのは中央のドアのみ、前後のドアはステップからの乗車となります。それと、路面電車では珍しくクロスシート比率が高めです。この辺りはかつての名鉄らしいですね。

 

ドアです。こちらは中央の出口で、両開き式になっています。窓も大きいので、小さなお子様でも容易に側面展望を楽しめそうです。バリアフリーを考え始めた黎明期・・部分低床車といえど、ステップが無くなったこの出口は、多くの人々を肉体的に、そして精神的に救ってきたことでしょう。

 

外側には収納式のステップ。路面に色を塗った「なんちゃって電停」もある豊橋鉄道だけに、さすがに低床化されていると言えどもステップは必要と考えたんでしょうね。

 

入り口、運転台直後のドアです。3枚仕立てで、左側は折戸、右側は開き戸になっています。こちらは台車があるためステップが残されています。

 

そして、出口同様に外付けのステップがあります。そうそう、福井鉄道に行っても豊橋鉄道に集結しても、名鉄独自の書体で書かれた車番は変わりません。

 

運転台です。中央に窓付きの仕切りとアクリル板が付けられており、路面電車にしては割かししっかり仕切られている印象です。豊橋鉄道の路面電車は均一運賃で前払い制ですが、運賃を入れたりICカードをタッチするだけならいいですが、フリー乗車券を見せる際は本当にしっかり見ているのか気にはなります(^^;;

 

仕切りの上にはLCDディスプレイがあり、運行案内とCMが流されております。均一運賃なので、運賃表示機の役割はありません。

 

天井です。元名鉄らしく、吊革は天井から直接ぶら下がっています。冷房吹き出し口はラインフロー式、照明はカバーの無い蛍光灯となっております。当時は旧型車も多く、見た目的にスッキリしたものだったんでしょうね。

 

窓です。台車部分は固定窓、低床部は二段窓で、上段が内折れ式で開閉可能です。日除けは無く、着色ガラスとなっています。内折れ式としていることで、日除けを付けられないという事情もあったのでしょう。

 

座席です。まずはクロスシートの2人掛けからです。低床部から台車部にかけては緩いスロープになっており、そこにクロスシートを設置しているため階段教室のようになっています。そのため、床が傾斜しているのが気になる方もいるのではないでしょうか。また都合上集団見合い配置、前の席は少し低いので自然と乗客と目が合います。

 

向かい側は1人掛けです。バスの座席をイメージしてもらえればいいですが、硬めで長時間の乗車には向きません。まぁ、現在の運用ではそれを気にするほどの乗車時間でもないですが。

 

で、台車部は運転台側を向いているのですが・・。台車部に限らず、めっちゃ狭いです。多少の荷物でも持ってると窮屈の極みです。いくら短時間とはいえ、これは中々きつい。

 

座席が背中合わせになる部分には握り棒を兼ねた仕切りが有ります。頭同士をぶつけないようにするためなんでしょうね。

 

ドア横のロングシートです。ここは車椅子スペースも兼ねているようで、座面は跳ね上げが可能です。

 

優先座席は無地のオレンジ色のモケットです。こちらは座面固定で、脚台が大きくなっています。こっちも、座り心地は硬めです。

 

各車両で座席のモケットが異なっており、こちらは青系のモケットになっています。

 

握り棒がある部分は持ち手がありません。合理的に作っていますね。

 

窓には降車ボタンがあります。こんなところにも器用に付いています。

 

夕暮れの豊橋駅前、帰途へ就く皆様を待ちます。






JR東日本の非電化区間、平成時代にキハが数形式導入されましたが、それでも国鉄型のキハ40系列が残存する状態でした。

 

そんなキハ40系列を置き換えるために登場したのがGV-E400系です。これまでJR東日本ではキハの後にハイブリッド気動車やバッテリー式電車を導入してきましたが、国内初の本格的な電気式旅客気動車として出て来ました(ハイブリッド方式も電気式ではありますが…)。

 

ハイブリッド式でないのは、コスト面や重量面で不利になることがあるからなんだそうな。それでもエンジンとモーター両方を積んでいることで重いためか、少しでも軽くしたかったようで狭幅車体を採用しています。まぁ、そんなに殺人的な混雜になるような区間が無いのが救いでしょうか。

 

トップナンバーですね。新潟地区と秋田・青森地区に投入され、ジョイフルトレインを除くキハ40系列を一掃しています。

 

今回は新潟地区に投入されたグループをご紹介。画像は五泉発新潟行き、この系列で数少ない快速列車運用です。かつて磐越西線で運転されていた快速列車「あがの」を彷彿とさせる表示ですが、磐越西線内は各駅停車、また新津駅で長時間停車を行うので、所要時間的には普通列車の方が早い列車もあります。新潟まで直通することと、通過駅からお客さんが乗らないことが取り柄ですね。

 

製造は川崎重工(当時)、JR北海道に投入されているH100形とは兄弟車両となります。設計共通化による製造コストの低減が狙いですね。

 

車内です。やはり狭幅車体なだけありコンパクトに見えます。暖色系の色使いは先輩格のE129系に通じるものがありますね。

 

反対側を見ますと、機器によるデッドスペースが目につきます。そうそう、形式としては3つ存在し、両運転台のGV-E400形、トイレ付き片運転台のGV-E401形、トイレ無し片運転台のGV-E402形があります。

 

ドアです。化粧板を省略したステンレス仕上げの片開き式で、E129系と比べれば簡素に済ませています。また磐越西線などの低床ホームに対応するため、ステップがあります。この時代になっても、まだ床面の低下は完全では無いようです。それでも、キハ40系列に比べれば改善されてますよね。

 

整理券発行機は台座に載せられています。

 

最前面です。JR東日本の近年の気動車は、ワンマン運転対応車でもしっかり乗務員室として仕切っています。仕切り扉は引き戸式、車端部と使用感を合わせています。

 

併結の様子。運転台・車掌台ともに仕切られており、通路に徹しています。

 

片運転台車両の車端部です。耐寒耐雪構造のためか、妻面にデッドスペースがあります。仕切り扉、こちらは化粧板仕上げで作られています。

 

トイレ無し車両も特に仕様は変わりません。どちらも優先座席に指定されており、床面を赤くし、吊革を濃黄色にして区別しています。

 

天井です。中央に引かれた赤いラインが特徴ですね。これがあるということはラインデリアが無いということですが、必要というほど混まないでしょうね。照明は直管式のLED灯で、キハ40系列より抜群に明るくなったことでしょう。吊革は4人掛けボックスシート上を除いて設置されています。この仕様、昨今では珍しくなりましたね。

 

窓です。二段式で、上段が内折れ式で開閉可能です。真ん中の桟が太く白いことで、少々古臭く見えてしまいます。下降窓の方が現代的ですが、この辺りがカネのかけ方の違いなんでしょうね。

 

座席です。まずはボックスシートから、4人組と2人組があります。

 

狭幅車体のため裾絞りが無いので、窓側でも窮屈では無いと思います。片持ち式で、冬季はドアが開くと足元を寒風が通りそうです。一応、床下にヒーターはありますが…。

 

トイレ横に関しては持ち手が省略されています。肘掛けは相変わらず短め、本当に肘が置ける程度で座っている分で言えば使い勝手はよろしくありません。

 

続いて2人組ボックスシートです。

 

ヘッドレストは相変わらず殺人的な硬さ、上部が反り返っているためこれまた頭に刺さる仕様です。また座面先端がE531系のように硬さがダイレクトに伝わる痛い仕様、このタイプはもはや時代遅れなはずなのに、なんでこれを使ったのかが全く分かりません。いずれにせよ、いい座席ではありません。

 

窓割はボックスシート単位で見れば揃っていますが、シートピッチを広げるためか柱の中央に背ズリが来るようにはなっていません。そのため窓の下辺を肘掛けとして使える区画と、角が腕に食い込む区画があります。選べるのであればよく見て座りたいですね。

 

続いてロングシートです。袖仕切りは寒冷地を走ることもありカバー面積が広いガラスを組み合わせたものになっています。画像は8人掛け、4+4で区切るようにポールが入っています。

 

こちらは6人掛けです。座面について奥に無理くり腰掛けさせるような感じが少なく比較的フラットで、クロスシート程の嫌らしさはありません。しかし先端はやや硬さを感じるものになっています。背ズリが…ねぇ、短距離利用向けの形状をこんなところに持ってこんでも。

 

優先座席とセットになった区画です。近年では赤黒ゼブラは見られなくなり、赤地に「優先席」と書かれたタイプになっています。持ち手や吊革が濃黄色になり、一般座席と区別しております。

 

フリースペースです。非常通話装置、握り棒、ヒーターが備わります。床にはピンクのシートを貼って、スペースの面積を明示しています。

 

車端部の2人掛け優先座席です。窓も無い上両側が壁になっているため、圧迫感は中々のものです。

 

くずもの入れです。飲料系とその他で口が分けられていますが、結局中の袋は一緒なので分かれている必要は特にありません。車内で出たゴミを捨ててもらうことが重要なのです。

 

トイレです。バリアフリー対応で、開口面積を広げるために二重引き戸となっており、開閉はボタンによる自動式です。中は洋式となっております。

 

デッドスペースには消火器や非常灯が備えられています。

 

新潟地区のローカル輸送で、日々頑張っております。

 

 

 

 

 







国鉄時代に日本全国に配備されたキハ40系列。JR化後各社で引退が相次いでいますが、ここJR西日本の岡山地区ではまだまだ主力を張っています。そんな岡山のキハ40系列の中で、国鉄時代の雰囲気に近付けた車両がおります。「ノスタルジー」という愛称で、通常はキハ40系列の運転に混じって走っており、時折運転される「みまさかスローライフ号」では専用的に充当されます。

 

車内です。かつて国鉄時代の普通車は青色のモケットを採用していた訳ですが、それをしっかりと再現していますね。

 

ドアです。ステンレス仕上げでステップ付き、国鉄時代のままで特に変わりません。変わった点と言えば、足元に注意喚起のための黄色いシートが追加されたことと、半自動ボタンが設置されたことですね。手でガラガラやってた時代よりは機能性がアップしていますね。

 

運転台です。ワンマン対応で、整理券発行機と運賃表示機、運賃箱が設置されています。運賃箱はこの通り併結時や最後尾に位置する際は通り抜けが出来るように運転台側に回転させて収納しています。

 

天井です。少ない蛍光灯、バカでかい割に冷えない冷房、この辺りは変わりません。

 

が、扇風機だけは変わっておりまして、懐かしのJNRマークが貼り付けています。

 

窓です。黒に塗装された桟が今時になっており、ここはやや国鉄感が薄らいでいる状態です。まぁ、この車両もまさかこんなことになるなんて考えてもいなかったでしょうから(^^;;

 

柱には帽子掛けと扇風機のスイッチがあります。扇風機を使う際はお近くの方と話し合いの上使用しましょう。

 

座席です。青色モケットの復活はともかく、ヘッドレスト部分にビニール製のカバーが付けられています。ちょっぴり豪華仕様ですが、国鉄よりもJR東海っぽさを感じます。

 

そうしても国鉄型ボックスシートなので窓側には暖房用の配管が張り出し、ヘッドレスト部分はほぼクッションレスなので、勢い余って頭をぶつけると痛い目に遭います。それでも、取り付ける角度自体は計算された安定の国鉄設計、良くも悪くも国鉄を感じるにはピッタリでしょう。

 

テーブルは急行型に取り付けられていたものを再現して設置しています。センヌキもありまして、岡山駅の自販機で瓶のコカ・コーラを買うのもいいでしょう。

 

キハ40形なので、固定クロスシート区画もあります。足元が狭いので、空いていればわざわざ座るような区画ではありません。

 

ロングシートです。こちらも青色のモケットに交換されています。そうそう、キハ47形では窓を向いたカウンター席が設けられていましたが、キハ40形は特にそのようなものはありません。

 

トイレに挟まれた3人掛けです。よっぽどでなければ2人で座られていそうです。

 

優先座席とセットになった区画です。ここはシルバーシートモケットではなく、JR西日本共通のものが貼られています。座面はスプリングが効いたものですが、背ズリは適切な角度は取られているもののクッション性がありません。国鉄時代のロングシートってこの辺りが共通してイマイチなんですよね。

 

トイレです。ノスタルジーであろうが無かろうが中は和式、それが岡山地区のキハ40系列です。