全国屈指の激戦区で、各候補者の街頭演説を聞いて、なぜ自民党が強いのか考えてみた | 小学校時代に学級委員に7回立候補して7回落選した僕が勝てるはずのない市長選に挑戦することになりました

小学校時代に学級委員に7回立候補して7回落選した僕が勝てるはずのない市長選に挑戦することになりました

令和5年12月18日午前10時から市役所2階の大会議室で出馬発表会をします!120億円溜まった基金で、自殺率や水道料が高い南魚沼市の市民の生活費をとことん下げます!

  参院選投票日まで、残り3日となりました!!

 

  新潟県選挙区は、全国屈指の激戦区となっており、連日、大物議員たちが新潟入りしております。

 

  新潟知事選の時もブログで記しましたが、国政選挙では、地方議員たちが大活躍します。「革新系」として知られる市議会議員たちが「野党候補」を支援し、「保守系」として知られる議員たちが、「与党候補」を支援します。街頭演説の準備、動員、街宣カーの先導、ポスター張り、チラシ配り、などなど、広い選挙区の各現場を取り仕切るのは、各地に散らばる地方議員たちです。

 

 革新系の議員は野党候補を、保守系の議員は与党候補を必死に支援していますが、南魚沼市議会の議場内では、「革新系」も「保守系」も、8割以上の議案で賛否は一致しています。共産党を除けば、全会一致率は97パーセントです。議場内では肩を組みますが、国政選挙では、対立するという不思議な構図なのです。

 

 でも、実は、ここにこそ、自民党の強さの秘密が隠されていると思っています。

 

 それでは、その自民党の強さの秘密を、全国屈指の激戦区の各候補者の街頭演説の内容を聞いて、探ってみましょう。

 

 街頭演説を紹介する順番は、公平公正に、私が住む六日町地区に街頭演説にやって来た順番にします。

 

 一番最初に来たのは、6月23日午後3時20分、森裕子候補がやってきました。応援弁士は立憲民主党の前代表の枝野幸男議員でした。

 

 六日町郵便局前には40~50人ほどが集まりました。ほとんどが高齢者です。5人の市議会議員が前に立って、手を振ったり、パネルを持ったりしていました。

 

 

 枝野議員がマイクを握り、何人も首相を輩出し自民党の国会議員が多い群馬県より、自らが選出されている埼玉県さいたま市の方が発展していると言い、自民党議員を輩出したから地域が発展するとは限らない、という趣旨の発言をしました。正直、群馬県民がこれを聞いたら、どう思うかな?と思いながら、聞いていました。

 

 

 次に、森候補がマイクを持ちました。

 

 

 森候補の演説内容は要約すると、以下の通り。

 

 自民政権下で、生活が良くなってない。格差が拡大した。生活は苦しくなるばかり。岸田さんは何もしない。自分たちが、「岸田インフレ」から皆さんを守ります。年金は下げるべきでない。先進国では、日本だけが賃金が上がってない。賃上げこそが日本を救う。公務員の給料も上げていきましょう。おかしいことはおかしいと言わなければならない。自分は自民党議員たちから「あの人」と呼ばれ、相当、恐れられている。私は全力で戦います。現政権を批判し、皆さんの生活を守ってまいります。

 

 

 まず、二人ともマスクつけたまま話しているのが気になります。演説するときは、それなりの距離が取れているのだから、マスクを外して素顔を見せた方が親近感が沸くのではないでしょうか?

 

 森候補の演説ですが、現政権を批判する勢力は必要だというのはわかりますし、生活が良くなっていないと思う人は多いとは思うのですが、じゃあ、森候補だったら、「どうやって」賃金を上げられるのかの方法論について、全く語っていないことが気になりました。森候補は現職です。18年間も国会にいました。18年間で、「どうやって賃金を上げようとし、なぜ、達成できなかったのか」について、語った方が説得力があったのかなと思いました。

 

 

 次に6月29日、参政党の遠藤弘樹候補が六日町駅前で街頭演説をしました。選挙カラーがオレンジで、私もオレンジ色の服を着て行ったので、外から見たら、完全に運動員に間違われたと思います。演説を聞いている市民はほとんどいませんでしたが、チラシを配ったり、手を振ったりする運動員が7人ほどいたのには驚きました。街宣カーの先導車もあり、それなりの高級車でした。新しい政党で、知名度は低いけど、しっかりした組織があるということです。

 

 

 

 運動員は全員ノーマスクでした。

 

 演説内容は以下の通り。

 

 日本の賃金が上がらないのは、海外に金が流れているから。岸田首相は海外のリーダーに、日本の株を買ってくれと言ったが、日本はそんな貧しい国じゃない。私たちは毎日一生懸命働いたいる。アメリカは賃金が3倍になった。スイスは初任給が74万円。このコロナでどの製薬会社がもうかったのか?皆さんはワクチン接種は自発的にしたのでしょうか?マスクはしなくてもいいのではないでしょうか。

 

 正直、「参政党」という党がどんな党なのか全くわかりませんでしたが、世論調査では比例区で1議席獲得する可能性があるということです。ノーマスクや、ワクチンに懐疑的な人など、特定の人たちに共感を呼びそうな話題を提供しているからなのかもしれません。

 

 最後は7月7日、小林一大候補がやってきました。午前10時に塩沢郵便局前、午前11時に六日町郵便局前ということで、2か所とも行ってきました。

 

 両方とも、橋本聖子・参議院議員が弁士でした。

 

 とにかく、凄い人の数です。↓の写真が六日町ですが、森候補の演説の時のと比べられるでしょうか?1枚の写真に納まりきらないくらいの人の数です。300人くらいでしょうか?塩沢も200人くらいいたでしょうか?両方で500人。森候補は六日町だけですが、40~50人。

 

 

 街頭演説に来た人の数だけ見れば、小林候補が圧倒的優位に見えますが、世論調査では、両候補は拮抗しているのです。つまり、街頭演説に来る人の数は、得票数にあまり影響しないということなのです。街頭演説に動員かけられている人は投票先はすでに決まっている人が大半ですし、もしかしたら、暑い中、動員かけられた腹いせに、対立候補に1票入れている人だっているかもしれません。私の様に、塩沢と六日町、両方の演説を聞きに来ている方もいました。森候補の時とは違い、若い方が多いのですが、ほとんどが制服姿で、職場から来たと思われます。

 

 六日町では、橋本議員が集まった人たちとグータッチをし、私が立っているところへも来ました。私を見るなり、「前のところ(塩沢)にもいましたよね?」と言われ、「はい。わかりますか?」と聞き返すと、「はい。アスリートかと思いました」と言われました。オレンジのスポーツシューズ、オレンジの靴下、黒いスポーツタイツに、白い短パン、オレンジのスポーツTシャツに、白のアームカバー、黒い自転車のヘルメット。確かに、この格好ならアスリートに間違われるのかもしれませんが、オリンピックメダリストに「アスリート」と言われ、少しうれしくなってしまいました。

 

 ここでも、南魚沼市議会の同僚議員たちが大活躍です。塩沢では、鈴木一議員が司会をし、六日町では、目黒哲也議員が司会をし、塩川裕紀議員が、最後のエイエイオーの掛け声を担当しました。他にも、先導車に乗ったり、幟を持ったり、パネルを持ったり、交通整理をしたりと、チラシを配ったりと、選挙カラーの青いポロシャツを着て、街頭演説の下支え役を務めていました。

 

 それでは、演説の中身に入ります。

 

 東京五輪の担当大臣だった橋本議員がマイクを握り、東京五輪では、新潟の方たちにお世話になったことを伝え、「地域の声を聴くだけではダメなんです。それを政策にして実行できなければだめなんです。政権のど真ん中で働く人でなければ、この新潟の声は届けられないと思います」と言いました。

 

 

 

 この論理だと、「政権与党を支持しない限りは、あなたの声は届きませんよ」とも聞こえます。少数派の意見をしっかり取り入れてこそ、民主主義が機能します。私の様に会派に所属せず、好きなことを議場で言って、他の議員全員から発言取消しを求められるような政治では、少数派の意見が削除をされてしまいます。

 

 それでは、次に、小林候補の演説にいきましょう。

 

 

 

 

 

 

 塩沢の牧師通りで、小林候補はマイクを持ち、最初にこう言いました。 

 

しおかわ牧師通りにたくさんの皆様にお集まりいただきました」

 

しおかわ??え、今、しおかわ、って言いました?

 

まさか、「塩沢(しおざわ)」を「しおかわ」と言い間違えたのでしょうか?

 

いや、まさか。そんなはずはありません。市内に200以上ある行政区の名前を間違えるならまだしも、塩沢は、合併した3町の一つ、旧塩沢町の名前です。

 

しかし、このブログを執筆しながら、演説を録音したテープを何度聞き返しても、「しおかわ」と言っているようにしか聞こえません。

 

細かいことで、揚げ足取りはしたくありません。参院選は全県が一区だから、かなり広いです。すべての地名までは覚えられないかもしれないし、ほとんど足を踏み入れたことのない場所にも行くこともあるでしょう。だとしても、旧自治体名を言い間違えるのは、ちょっとまずいと思います。

 

「新潟のために働く」という小林候補のメッセージが、こういう細かいことで、説得力を失わせてしまってはもったいないですね。

 

 肝心の演説の内容はこちらです。

 

  物価高騰で生活が苦しくなっている。自公政権は補正予算を組んで、強力な対応をしています。ガソリン代を抑えている。実行力がある政府の対応に対し、野党が言う「岸田インフレ」は的外れ。予備費5.4兆円を確保し、何かあったときのために用意している。皆さんの生活を守れるのは、自公政権だけ。この地域の農業を守り抜く。政策力、実行力のある政治が求められている。国際情勢が不安定化するなか、安定した政権が必要です。減災・防災対策をすすめます。

 

 橋本議員と言っている事は似ていて、政権与党でなければ、実行力がなく、政情が不安定化しているときこそ、安定した政権が必要だということです。でも、この論理では、与党に1票入れなければ、生活が良くならない、と言っているのであって、一体、この生活苦や少子化の問題をどうやって抜け出すのか、全く解決策が提示されていません。

 

 「与党でなければ実行力はない」という与党候補と、「私たちが生活を良くします」という野党候補。でも、どちらも、「どうやって生活を良くするのか?」「どういう方法で経済を活性化させ、賃上げをするのか?」という肝心な部分は語りません。
 

 与野党の候補が大接戦を繰り広げているから注目はされているけど、実際、街頭演説を聞いても、候補者の政策の違いを見出すのは難しいのです。これこそ、南魚沼市議会では、共産党含め8割以上の確率で全会一致で議案が可決されるという地方議会の現実を反映しているものだと思います。共産党を除けば、全会一致率は97パーセントなのです。

 

 私は、ここにこそ、「自民党の強さ」の秘密があると思っています。

 

 南魚沼市議会では、どの会派に入っても、ほとんどの場合、すべてに賛成するわけですから、「だったら、自民党系の会派に入った方が、政策を実現しやすいのではないか?」と思うのは自然の流れではないでしょうか?市長も自民党だから、政策を提案しやすいだろうし、会派も大きいから、会派内でまとまれば、すぐに政策実現できそうだと思うでしょう。さらに、自民党会派に入った方が常任委員会の委員長ポストや、正副議長ポストにつける可能性が格段に上がるのです。自民党員だけの会派なら、2期目で委員長、3期目で副議長、4期目で議長になるのも夢ではありませんが、非自民党員だけの会派から議長になったケースはないし、副議長や委員長になるのも稀で、なれたとしても、4期くらい必要になります。

 

 と言う流れで、自民党議員が議会の大半を占め続け、その中から市長や議長が輩出され、一つの大きな権力集団となり、その権力に多くの団体が群がるようになり、多くの人が動員されるようになっていくのです。そして、私の様に、その権力集団に対し歯向かう行為をすれば、とことん叩かれる、という構図です。

 

 先日は、麻生太郎・自民党副総裁が「弱い子はいじめられる」という発言をして話題になりました。私はそれを聞いて、会派に属さない私は、「弱い子」だから、いじめられているのかな、と思えてしまいました。

 

 私が議員になってから、某議員から何度も何度も同じことを言われてきました。「お前、そんなことしていると、誰も話してくれなくなるぞ」「1人ぼっちになりたくないだろ」。

 

 発言取消しの動議が出される前にも、同じことを言われました。「他の議員全員が不適切な発言だと思っているのだから、自分から発言を取消した方がいい。じゃないと、1人ぼっちになるぞ」と。その時、私は、この方にこう伝えました。

 

 「自分の信念を曲げるくらいなら、1人でいることを選びます」