こんにちは luftballonです
今日は、2021年の台風2号を題材に、台風の進路がどのようにして決まるのかお話ししたいと思います。
◆初めに、今回の台風を簡単におさらいしていきます。
太平洋上に熱帯低気圧が発生したのが4月12日のことで、熱帯低気圧はゆっくりと北西に進みながら発達を続け4月21日に台風になりました。
その後、フィリピンの南を北上しながら沖縄に接近した台風2号は、一時は猛烈な台風にまで成長しました。
22日には沖縄の南に達しましたが、沖縄に達する前に進路が東寄りに変化し、日本の南を東進しました。
その後日本の南海上で25日に温帯低気圧に変化して、台風の一生を終えました。
◆台風の進行方向ってどのように決まるの?
今回の台風ははじめ北西に進み、あるところで北東→東に進路を変えました。
これは台風の経路としてはよく見かけるパターンですが、どのようにして台風の進行方向が決まるのでしょうか?
大まかに3つの作用が働くことにより、台風は移動しています。
1.太平洋高気圧の縁辺流
2.ベータジャイア効果
3.偏西風(ジェット気流)
では、それぞれを詳しく見ていきましょう
1.太平洋高気圧の縁辺流
台風の季節になるとテレビの天気予報などでも解説されていることがありますが、台風は太平洋高気圧の縁を回って日本に近づいてきます。
なぜなら、高気圧の周辺では時計回りに風が吹き出しており、台風はその風(縁辺流)に流されるからです。
2.ベータジャイア効果
この言葉は聞きなれないと思います。気象予報士試験でもおそらく出題されることはないでしょう。
コリオリの法則のように、ちょっと小難しいというか、物理学の話になってしまうので物理が得意だという方以外は、完全に理解することは諦めが方がよいと思います笑
つまるところ、高速で回転する物体が、自転する球体(地球)の上に存在すると、自然と北西に移動する力が発生するそうです
なぜそうなるのか、私にはよくわかりません笑
ということは、例えば高気圧の勢力が弱くて縁辺流が弱かったとしても、はたまた高気圧の縁辺ではなく中心付近に台風が発生したとしても、とりあえずゆっくりと北西に進むということなんです
※一般に高気圧から吹き出す風はあまり強くなく、中心ほど微風になる性質があります。
今回の台風2号はまさにこのケースです。
まだ春なので、太平洋高気圧の勢力が強くありません。高気圧の縁辺流は弱く周囲の風に流される効果が少なかったため、はじめのうちはゆっくりと北西に進んでいました。
3.偏西風(ジェット気流)
偏西風は台風の進路が北西から北東(又は東)に変化する原因です。
偏西風は日本付近の緯度で特に強く吹いていることが多いです。そのため、台風が日本付近に近づいてくると、偏西風に流され始めます。
偏西風は冬に向けて強まるため、秋の台風はこのタイミングで急加速する場合があります。
まだまだ台風シーズンではありませんが、梅雨期の後半から台風が本州に接近したり上陸するようになります。
台風予報を見る際には、ぜひ台風を動かす原動力にも思いをはせていただければと思います