今年の日本は、例年になく早い時期に春が訪れました。
まだ4月が始まったばかりだというのにもう夏の空気に覆われ始めています
日々の天気図を見ても梅雨の始まりがすぐそばに来ているような気がします
日本付近で雨をもたらす擾乱も、温帯低気圧の中に梅雨前線の要素が強まってきている様子が窺えます。
高層天気図を見るとどうでしょうか。
まだ小さいですが、夏の太平洋高気圧の目安となるサブハイ(500hPaの5880m等高線)がフィリピンや台湾のあたりにあります。
夏になるにつれ、太陽による赤道付近の加熱が強まると、ハドレー循環が強化され、次第に太平洋高気圧が明瞭に現れるようになるでしょう。
さて、とにかく季節先取りで進んでいる今年の天気ですが、先月の天候を振り返ると実際のところどうだったのでしょう。
気象庁の報道発表で「3月の天候」が発表されましたので見ていきたいと思います。
報道発表を簡単にまとめて、私の解釈も少し加え説明していきます。
■気温
3月の気温は全国的にかなり高くなりました。南西諸島以外では統計開始以来3月としては最も高い記録を更新しました。
早い段階で冬の天気図から春の天気図にシフトしていったので、日本付近は西高東低の冬型気圧配置になる期間が少なく、寒気が流入する機会があまりありませんでした。また温帯低気圧が度々本州付近を通過し、南海上から暖かい空気を運んできました。
■降水量
3月の降水量は北日本太平洋側でかなり多く。東日本太平洋側で多くなりました。
低気圧や前線が度々本州付近を通過し、全国的に雨の降る日が毎週のようにありました。
降水量の平年比が200%以上の観測地点もあったほどです。
・北海道(根室 282%、室蘭 200%、浦河 207%)
・福島県(白河 225%、小名浜 201%)
・栃木県(宇都宮200%、日光 205%)
・静岡県(浜松 205%)
・三重県(尾鷲 242%)
日本海からオホーツク海や太平洋側に抜けていった低気圧と、本州南岸を通過した低気圧とがありましたが、
低気圧が南岸を通過した時には、南寄りの風で地形性の上昇流が発生しやすい東海地方で降水が強化され、大雨警報や土砂災害警戒情報が発表された日も多かったように思います。
■日照時間
3月の日照時間は全国的に平年を上回りました。東日本太平洋側は平年並みであったものの平年比108%とわずかに平年を上回りました。
雨や曇りの日が多かったものの、温帯低気圧と移動性高気圧が交互に現れたため、日本付近はしっかりと高気圧に覆われた日も多く日差しが多かったのでしょう。
というわけで、「平年を上回る」尽くしの3月でした。
まだまだ春のはずなのに、各地で夏日を観測したり5月並み6月並みの気温になっている地域が多いです。
4月の天候はどうなってしまうのでしょうか
今週は週末にかけて気温が下がっていくみたいですね。週末には平年を下回る予想になっています。
その後は再び季節外れの暖かさ(暑さ)になるのでしょうか?!
2週間気温予報を見ると、平年並みになる所が多いようです。
快適な気温になることを願う