村上春樹 「騎士団長殺し」 PART7 | 七転び八転び!? 15分で1冊 

七転び八転び!? 15分で1冊 

人生、いいことの方が少ない。

「薬害エイズ訴訟」の体験とそれまでの過程、読書の感想と要約をを綴ります。

41、
しかし雨田具彦は今施設に寝ているはずだからここにいるはずはなかったが本人であることは間違いなかった。
そして彼は「騎士団長殺し」の絵をじっと見ていたのだった。
私は彼に気付かれないようにそっと部屋から出て食堂に戻り水を飲みベットに戻ったが中々寝られず起きたのは10時過ぎだった。
そして雨田具彦がまだいるかと思いスタジオに行ったがいなかった。
私は政彦に電話して父の様子を聞いたが特に変わったことは無かったという。
何でそんなことを聞くのかと言われたので先日夢に現れたとごまかしたが私が実際見たように雨田具彦が「騎士団長殺し」の絵を見ていたことは話した。
そして政彦はこの前話せなかった大事な話をしたいので私の家に来るということを言う。

42、
水曜日にガールフレンドが私の家に来て性交した。
土曜日に政彦が来た。
話の内容は私の元妻ユズのことでありユズは政彦の職場の同僚と交際しておりかつ妊娠しているという。
政彦に私は父に逢わせてほしいと頼み許可を得るが政彦はその日は私の家に泊まった。

43、
翌日遅くに起きて朝食をとったがユズのことを考えていた。
今妊娠7か月ということなのでそのときは私は車で東北を放浪していた頃なので自分が父親であるはずがなかった。
私は放浪中に記録していた日記を見返した。
するとある日に見た夢のことを急に思い出した。
それは私はユズと一緒に住んでいたマンションにいた。
そこにユズが寝ていたが私は空中からユズを見ていた。
その姿にとても性的興奮を感じた私はユズの服を脱がせ性行為に及びそして射精をしたがユズは起きなかった。
そして私は目を覚ましたのだった。
翌朝政彦は遅く目を覚ました。
まもなくまりえと叔母が来るので政彦は帰ったがなぜか部屋にあったはずの出刃包丁が消えていた。

44、
いつものように二人は私の家に来てデッサンを始めたがなぜかまりえは私と口をきかなかった。
しかし最後の方に小声で後で家に遊びに来てもいいかと聞くので許可をした。
一度二人は帰ったが4時ごろ行っていた通り一人でまりえはやってきた。
そしてまりえは免色は自分の家を覗いていると思うという。
免色の家に行ったときとても大きな双眼鏡があったというが私は知らない振りをした。
まりえは叔母の秋川笙子に興味があるからだと推測していた。
なぜなら秋川笙子はまりえに何も言わないがオシャレをして今週2度外出したという。
まりえは二人の急速な関係に叔母さんが免色に騙されているのではと心配しておりだから私に相談しに来たという。
もう7時になったことからも私はまりえに帰宅するように言いまりえの秘密の通路を通り一緒に途中まで行く。
そして祠のところに来るとまりえは中を覗いてみたいというので蓋を開ける。
その後私はまりえと別れ自宅に戻った。

45、
金曜日はまりえの参加している絵画教室だったがなぜか彼女がいなかった。
夜になると秋川笙子から電話が来てまりえが学校に行ったきり帰ってこないという。
とりあえずあと1時間して戻らなかったら警察に電話するということでいったん切った。
私は免色に電話してまりえのことを聞いたが当然なにも知らずそこで私は免色に家に来てもらうことにした。

46、
免色が夜の11時過ぎに私の家に来て祠のことは警察に言うのはやめようということになった。
その後二人で祠のところに行く。
免色が穴の中に降りていくとペンギンの人形を見つけたというが私はそれはまりえのものだという。
つまりこの穴にまりえが入ったということが分かった。
私は一人でいることに不安になり免色に家に泊まってもらうよう頼む。

47、
私は秋川笙子に電話したがまだ帰ってきていないし警察にも知らせていないという。
ペンギンの人形を放したらやはりまりえのだというが私はスタジオで見つけたとごまかした。
私は何かあったらすぐに連絡するようにお願いした。
30分後に秋川笙子から電話が来て兄が帰宅し警察に連絡したという。
とにかく私は自分の部屋に戻り寝ることにしたがいつまでも寝られなかったがそこに騎士団長が現れた。
私はまりえが行方不明になっていることを言うといかにも騎士団長が知っているような感じだったのでお願いしても教えてくれずヒントだけでもという。
すると騎士団長が翌朝の午前中に私に誘いの電話が来るが絶対に断ってはいけないと言われる。

48、
翌朝7時に秋川笙子に電話をしたが何も進展はないとのことだった。
免色は起き一旦帰宅することにしたが帰り際実は秋川笙子とかなり親しい関係になったと報告を受ける。
私はまりえが二人がそういう関係になっているのではと相談を受けたことを話す。
10時に雨田政彦から電話が来て父の容体がよくないとの連絡を受けたので会いたいのなら一緒に来ないかと誘われる。
私は昨晩騎士団長から「誘いを断るな」と言われたことを思い出した。
まりえの一件があるが政彦には何も言わずに誘いを受ける。
私は政彦の車で療養所まで向かうが車中父の話になった。
父親からウィーン時代の話を聞いたことがあるのかと聞くと食べ物・音楽とかどうでもいい話はしたが政治や女の話は一切しなかったという。

 

49、
一旦我々はファミリーレストランに入ったが仙台で見たあの男の車があったのが見えた。
しかし見渡してもあの男はいなかった。
療養所に着き私は雨田具彦と対面したが彼は熟睡していた。
彼が寝ている間政彦はユズの妊娠の話をした。
順調であり彼は楽しみにしているが実はユズは出産はするが結婚を望んでいないといいそのことについて彼は了承しているとのことだった。
雨田具彦が目を覚ましたのは3時過ぎだったが政彦が声をかけ私を紹介したが私を見るだけで何も反応しなかった。
今度は私自身が彼に自己紹介をした。
ずっと反応が無かったが屋根裏部屋に上がった、というと少し反応したように見えた。
私は会えて「騎士団長殺し」の絵の話はせず屋根裏の話をし続けたがその間雨田具彦は何かを考えているように思えた。
雨田具彦がじっと私を見続けている様子を見た政彦が相当思えのことを気にったみたいだという。
そのとき政彦に仕事がらみの電話がかかってきてしばらくここで父と話をしてくれと言われ政彦は部屋から出る。
そのとき背後に騎士団長がいたことが分かった。