行ってきた！

養老先生の講演、光明寺住職司会の椅子座禅、秋川雅史さんのコンサート！

盛りだくさんの「禅を聞く会」だった。

こうゆう会を企画してくれた曹洞宗の関係者の方々の尽力に感謝だー！

全部最高だったけど、

養老孟司先生の講演会を聞いて、

自分の中に気づきが生まれたから、少し書く。

まず養老先生の

「自分は純粋な日本人だから、明治や戦後に入ってきた西洋式の型は違和感を感じた。常に自分はこうしたいと主体的に答えねばならない問いかけの連続が、まさしく西洋っぽさだ。その慣れないことをスタンダードにしたから、ストレスがかかる生き方になった。国語は唯一外国にテコ入れされなかった教科だから、昔から無理せず自然とできる教科だった」

っていう言葉に、ハッとした。

養老先生は、

外国と違い日本は、国土の広さに対して人口が多い。

長い時間をかけて、他者と密接に生きてきた。

この他者との近さは、世界的にみても珍しい国。

だから、集団で和をなすことを主軸にする考え方が根付いている。

みんなと違うことをとりわけ強調する外国文化とは違い、みんなと話し合い、どう擦り合わせるか、どう折り合いをつけるかを重視する精神性が宿ってる。

どちらも一長一短はあるが、

そうゆう国に生まれた民族ならば、尚更、外国のような【自分を特別視するやり方】よりも、

日本的な【自分と周囲の共通点を見つけて和を目指すやり方】の方が平和的で良いんぢゃないかと思うって。

外国は、キリスト教の影響も濃くて、神との一対一の対話の際は私が〜という話し方をする習慣があって、それがベースにあるから自己主張の文化が濃いんぢゃないかって。

この話を聞いて思ったのは、

日本は元々多神教の国だし、他者との近距離集団生活の中では、個性と個性の折り合いや擦り合わせをする和を大切にする必要があったんだろうなって。

他者との距離が近くて和を心掛けてたんなら、当然人間への理解が深くなるだろうし、当たり前のように1人1人が違う考えや価値観、視野を持った人間だということをどこの国よりも熟知してたんぢゃないかな。

その違う人同士が同じ目的の元、手を繋いで生きていくにはどうしたら良いかという人間関係の叡智を、長い歴史の中でエビデンスとして持ちまくってる国なんぢゃない？

違いを強調するやり方は外国のやり方。

違いの中に共通項を見つけて和を目指すのが日本の本来持ってたやり方。

他にも、

自己は、そこまで不自然なほど過剰に意識したり強調したり大切にするものではない。

過剰な自己は、歪みの元。

変わってることが自然な形で出てくるものであればそれは自然なものだから自然なこととして取り扱えば良いが、

そうでなければ、わざわざ無理に違いを作ったり、強調しすぎたり、過剰に演出したりするのは不自然ではないか。

と話してた。

外国の型がスタンダードになった時代を生きているから、その教えや考えに染まっていたとしても、

日本人として生まれたからには、日本人的な感覚はどこかに宿ってる。

直感で感じる違和感って、

その日本人的な感覚かもだよね。

体調があまり芳しくない中で、一度も椅子に座らず、1時間以上も立ちながら講演をしてくれた姿に、改めて尊敬と感謝の拍手を贈りたい。

今日の企画会のテーマは、

【自己とはなにか】だった。

私の中で、鬱になる前に、

感覚で捉えて視えた世界が、まさしくさ。

【過剰な自己からの脱却後の世界】だった気がするさ。

鬱になってそれを見失い、

なんなら鬱の間は、

過剰な自己のビッグウェーブ！

過剰な自己＝精神のバランスが落ち着いてきたことで一応の寛解は果たしたけど、

前みたいに脱却できた訳ではなかったさ。

なんていうか過剰な自己の脱却は、

いつの間にか出来たことだったし、

感覚で捉えてた世界ださ。

だから当時の感覚は思い出せるし、

脱却後の世界で感じた心地よさは覚えてる。

けど、どうやったら又その世界に入れるか、

そうなの。入り方が分からなかったさ。

分からないから、

思考をこねくり回す日々だったのさ。

けど思考を巡らせば巡らすほど、

過剰な自己は強固になるだけでさ。

理屈で捉えようとしてたから、

なんか迷路にハマった感じだたのよ。

それが良い感じに柔らいできたのが、

自然栽培を始めてからださ。

だけどそれでも、

入れそうで入れない世界だった。

それが、今日の講演がトリガーになって、

あの頃感じていた感覚の輪郭を

再び捉えられた気がするさ。

例えば再び言語化できたこととしては、

型がないものに、

型にハメようとするから不自然となる。

答えがないことに、

答えを求めるから迷子になる。

その時にならないと分からないことを、

事前に決めようとするから不自由になる。

本来ない世界を、ない苦しみを、ない悩みを、

自分が作り出してる。

目の前の事象を、

そのまま、真っ直ぐ捉えること。

そこにはシンプルな世界が広がるだけ。

もはや良いも悪いもなく、

やったこと、やらなかった結果が、

ただシンプルに反映されていただけだった。

だから、自分が欲しい結果があるなら、

やるし、努力もするし、頑張ったりもする。

普通のことだ。特別な話ではない。

自分が望んでないなら、

やらないと選択する。

これも普通の話だ。

この普通のことを普通だと、

捉えてた感覚。

普通にできた感覚。

余計な紐付けをしないから、

シンプルに今に集中してた感覚。

余計な荷物を背負わないから、

身軽だった感覚。

諸行無常

方丈記

鴨長明

鴨川は鴨川だけど、

中に流れている水は常に同じではない。

意識は止まったものしか扱えない。

意識で考える以上は止まるしかない。

けど実体は、常に移り変わる。

止まった意識は一瞬を切り取ったもの、

実体は常に移り変わる。

だから、

意識と実体には、ズレが生じる。

そのズレを出来るだけ少なくするには、

放念する勇気がキーワード。

今意識したことは、この瞬間にも変わる可能性があるものだと理解するのが自然なことだった。

特に成長する時期は、

変わり続ける自分をそうゆうものだと、

理解しておく。

そうそう！

確かに鬱前に捉えてた世界は、

こんな感じだった。

己を特別視しないことで、他者との和を生み、

その和のために自分の持てる力を発揮したいと願う。内部では己がアリアリと形づくられていく。

我をなくしていくと、

逆に己への絶対的な信頼感や安心感に抱かれ、新しい我が誕生し存在感を増す。

ないけど、ある。

あるけど、ない。

この形を体感できる喜び！

己を高くみせることなく、

また己を低くすることもない。

ただ、そこに自然に存在する姿。

感覚の記憶が蘇ってきたかもしれない！

【備忘録】禅を聞く会