狙われた名画:ロートレックの「マルセル」 | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

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画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。


アメーバブログの皆様方が各地の桜だよりをアップされているので、

ごっこスーラも近所の万博記念公園に花見に行ってまいりました。


万博記念公園の桜1
大阪万博記念公園:おなじみの太陽の塔が目印です。
(2015年4月2日・モノレール駅から公園を望む)


万博記念公園の桜2
本日は天気もよく、満開の花盛りで観客もいっぱいでした。

今、この公園の周辺は再開発中で、エキスポランドの跡地には、
海遊館別館(大水族館)、ショッピングモールなどが建築中です。
また、東口ではガンバ大阪のサッカー場も新築しています。
ますます賑やかになりそうです。
(陰の声:道路が混雑して近隣はちょっと迷惑ざんすよ。
 ̄∩ ̄#  )

春に浮かれてスケッチなどな~んにも忘れて、ただ散歩してきました。



さて、桜だよりのご報告は以上で、本題に入ります。


世に 盗人の種は尽きまじ・・・


とは、よく言ったもので、この狙われた名画シリーズも

いつまでも続くネタですので、少々退屈になられたかと存じます。


そこで、今回の日本で起こった事件のご報告を持ちまして、

このテーマも中締めとさせていただきます。



ロートレックの「マルセル」盗難事件


1968年12月27日、京都国立近代美術館で事件は起こった


京都国立近代美術館
京都国立近代美術館

京都市岡崎公園内にある美術館、右は平安神宮の大鳥居。
ここは、この向かい側には京都市美術館もあり、図書館や
いろいろな会館もある京都の文化地区です。



この美術館で、当時ロートレック展が開催されていたが、

その会場からロートレックの「マルセル」が消えてしまったのだ。


R・マルセル
マルセル 1894年作・油彩・厚紙・46.5x29.5cm
ロートレック

マルセルのモデルはオペレッタ”シルペリック”の
主演女優マルセル・ランデルとも、ロートレックが
よく訪れたというアンボワーズ街の同名の娼婦とも
言われている。



外国 の美術館から借用中の名画が盗まれたことは、

この事件が初めてで、関係者は真っ青!

新聞にも大々的に報じられた。



マルセル事件新聞1
1968年12月28日 京都新聞



評価金額でいうと、「マルセル」は3,600万円と言われたが、

その近くには1億円以上の価値があるという「酒場スターの

イギリス娘」という作品もあったのに、「マルセル」だけを

盗んだのだ。

このため、犯人は「マルセル」のファンという噂も流れました。


その後の懸命の捜査しも関わらず、窃盗の時効(7年間)が成立して

しまいました。
(>_<)


ところが、時効からわずか1ヶ月後、思わぬ所から作品が出て来たのだ。


マルセル事件新聞2
1975年1月30日 朝日新聞

マルセル事件新聞1
大阪のある会社員が、京都の中学教諭から預かったと言って、

風呂敷に包まれた「マルセル」を届けて来たのだ。

預けたという中学教諭は、これも知人から預かったと述べたまま、

黙秘してしまった。


(陰の声:まったく、時効成立1ヶ月後に提出するなんて、

こいつら怪しすぎるけど、まあ、証拠隠滅のために処分しなかった

だけでもましかな (#`ε´# )


結局、時効のためにこれ以上の追求は出来なかったという。

ともあれ、作品はフランスのトゥールーズ・ロートレック美術館に

無事返却されました。




最後に、まだ行方不明の主な名画をあげておきます。


盗難年:1972年
モントリオール美術館(カナダ)

・レンブラント:小屋のある風景
・ドラクロア:洞窟の中の雌雄のライオン
・コロー:井戸端でのもの思い・左肘をつく若い女性
・ミレー:ミレー夫人の肖像・搾乳する女性

アルベール・アンドレ美術館(フランス)
・ルノワール:花瓶のバラ
・マティス:サン・トロペの眺め

盗難年:1986年
ラスボロー・ハウス(アイルランド)

・ルーベンス:騎士の頭部

盗難年:1990年
イサベラ・スチューワート・ガードナー美術館(アメリカ)
・レンブラント:若き芸術家の自画像
・ドガ:三人の旗手・フローレンス近郊の行列

盗難年:1995年
ストックホルム近代美術館(スエーデン)
・ブラック:静物

盗難年:2006年
シャカラ・ド・セウ美術館(ベルギー)
・モネ:マリン(海景)
・ピカソ:ダンス
・マティス:ルクセンブルグ庭園
・ダリ:2つのバルコニー

盗難年:2010年
パリ市立近代美術館(フランス)
・ピカソ:鳩と小さなえんどう豆
・マティス:田園風景

盗難年:2012年
クンストハル美術館(オランダ)
・ピカソ:アルルカンの頭部
・マティス:白と黄色の読書ランプ



まだまだ、ありますがきりがないので、この辺にしておきます。

もし、これらの絵画の情報がありましたら、

スコットランドヤード(ロンドン警視庁)かFBI、フランス内務省の

文化財密売窃盗制圧機関、東京警視庁などにご連絡くださいね。


では、”狙われた名画シリーズ”もこれで中締めとさせていただきます。



(陰の声:では、お手を拝借、一本締めでお願いします。 

「よ~っ・パチン」

ありがとうございました。m
(^人^)m )



 <狙われた名画:ロートレックの「マルセル」・了>



スーラ・ウタガワの
私撰:関西名所図絵・美術館のご案内


このブログの各ページで個別に発表した、スーラ・ウタガワ作品の
名所絵を場所別に集め「美術館」と称して再度アップロードしています。


第1室:大阪南部の名所図絵   開館中
第2室:大阪北部の名所図絵   開館中
第3室:大阪湾岸部の名所図絵  開館中
第4室:神戸地区の名所図絵   開館中
第5室:京都地区の名所図絵   工事中

*各展示室へのご入場(アクセス)はサイドバーのブックマークをご利用ください。

以上、ご案内申し上げます。     館長:スーラ・ウタガワ