今回はさらに謎の多い太陽の塔の内部を見ていきたいと思います。
ちょうど今、万博記念公園内の博物館「EXPO'70パビリオン」で
「とくべつてん みる・ふれる・あそぶ太陽の塔」が
開催中であったので見学しました。
とくべつてん みる・ふれる・あそぶ太陽の塔
2014年3月29日(土)~8月3日(日)
万博公園 自然文化園 EXPO'70パビリオン
展覧会のキャッチコピーに
太陽の塔「初代:黄金の顔」をアイジャック!?
と、うたっているように1992年の大改修で取り替えられた
太陽の塔「初代:黄金の顔」を展示し、本当の万博期間中に
あった事件、太陽の塔目玉男ハイジャック事件にかけてか、
目玉部分に観客が入れる展示をしていた。
初代:太陽の塔 黄金の顔
直径11m 鉄骨下地鉄板溶接、スコッチカルフイルム貼り
黄金の顔の目 両眼3.6Kw クセノン投光器
*目の部分にいる人物で大きさを推測ください。
*目玉男ハイジャック事件とは、会期中に無断で黄金の顔の目の部分に
登り、立てこもったアホな男の話です。
この特別展および常設展では太陽の塔の内部についても興味深い
展示をしている。
「謎解き 太陽の塔」の著者、石井 巧氏によれば、ここにも岡本太郎が
仕掛けた謎が数々あると言う。
太陽の塔の内部:生命の樹の設計図
内部には高さ45mの「生命の樹」が作られている、
観客はエスカレーターで一階から上層部まで登りながら見学できた。
生命の樹 下部
左上はエスカレーターの底(?)
テーマ館の展示コンセプトはこうなっていた。
・地下ー過去 根源の世界ー生命の神秘
・地上ー現在 調和の世界ー現代のエネルギー
・空中ー未来 進歩の世界ー分化と統合(組織と情報)
この生命の樹は、単細胞生物から人類が誕生するまでを、
下から順に<原生類時代>、<三葉虫時代>、<魚類時代>、<両生類時代>
<爬虫類時代>、<哺乳類時代>にわけて、その年代ごとに代表的な生物の
模型によって表している。
太陽の塔 内部の生命の樹に展示された模型のダミー(?)
一部は電子制御装置により動いていた。なを、これらの模型は
特撮映画で有名な円谷プロがが製作を担当した。
謎解き 太陽の塔の著者、石井匠氏によれば、岡本太郎はこの「生命の樹」を
単なる生命の進歩の歴史なんぞではなく、空間を螺旋めぐりをすることは
いわば仏教的転生曼荼羅宇宙を再現した体内めぐりをさせることと想定し、
死と再生のイニシエーション(通過儀式)を人々に体感させたいと考えていた。
その目的は「人類本来の生き方を取り戻す」ことにあったと、著者は主張している。
これは、太陽の塔の外観および内部展示共に一貫した岡本太郎の考えだそうです。
しかし、現実は岡本太郎の意図とは大違いになり、万博はイベントとして
大成功したが、太陽の塔はイベントマスコット、キャラクター化され
聖なる祭りではなく、お祭り騒ぎバカ騒ぎに終わってしまったと嘆く。
だが、半世紀になろうとする現代になって、太陽の塔を神像化し
聖地化する動きが出てきている。と、著者は述べている・・・
いかがでしょうか?
まあ、われわれ当時青春時代にめぐりあったイベントを懐かしむだけでなく
いろいろ考えなければいけない時かもしれません。
各パビリオンのユニフォーム
左からアメリカ館、東芝IHI館、ペプシ館、協会エスコートガイド
*そういえばミニスカートが流行した、いい(?)時代だったな。
会場夜景/サーチライトを照らす太陽の塔とテーマ館・お祭り広場
本当にこんなすごいものが千里にあったんだね・・・
浪花のことは夢のまた夢 (豊臣秀吉 辞世の下の句より)
さて、私も散歩ばかりしている訳ではありません。
万博公園の西口の近くには春はポピー、秋はコスモスなどが咲き乱れる
花の丘があり、コスモスの時期に描いた1枚をご紹介します。
私撰:関西名所図絵之内
コスモスの丘/万博記念公園 (油彩・F10号)
*左側に散歩する若夫婦とバギーに乗る赤ちゃんと女の子がいます、
この二人の女の子に注意して、今後も(いままでも)私の絵をご覧くださいね。
詳しくはいずれご説明します。
みなさんも、大阪にこられたときはぜひ、万博公園に立ち寄られて、
あの希望に満ちた青春時代を思い出してくださいね。
最後に、You Tubeが2009年11月にテレビ番組で太陽の塔の内部に
33年ぶりに入った番組をアップロードしたものがあるので興味のあるかたは
ご覧ください。但し、中はかなり展示物は少なくなっていてさびしいですが
生命の樹のイメージはわかると思います。
太陽の塔の内部にある生命の樹