本日は長崎に原爆が落とされた日。もちろん6日は広島に落とされた日。
 日本はどうしてここまで原子力と縁が深い国なのだろう。それも嬉しくないかたちで。
 僕は6日がHIROSHIMAの日だと気づいたのはオノ・ヨーコさんのtwitterをたまたま読んだから。
 それなりに原発のことに意識を高く持つように努力してきたつもりだったが、オリンピックで日本選手が活躍する喜びに紛れ、すっかり忘れていたのだった。
 福島原発の事故以前、『これからの日本の主力輸出品は原子力発電所』という言葉をこれまた特に深く考えず「そうなんだ」と受け入れ、ちょっとした違和感を感じながらも「日本経済を復活させていくには仕方ないよなあ」なんて思っていた。
 その日本自慢の原発が事故を起こし、まるで20世紀末に流行ったSF小説のようなことが現実となり、それを無理やり受け入れさせられ、そして1年半が経つとそのことに慣れてしまい、何にも感じなくなる。
 何となく東北地方の野菜を避けたり、無責任で不誠実なかたちで日常生活の中、FUKUSHIMAと向き合う僕。
 反省はするが、正直どうしていいかが分からない。
 思考停止状態。
 恥ずかしいことだが自分がある種の思考停止状態にあると自覚している。
 
 3.11当日、すぐにスタジオに駆けつけラジオの災害特別放送のディレクターとなりそこから数時間担当した。
 しばらくして津波の映像がテレビに映し出されたが、一体何が起きているのかわからない。
 まるでSFXを見ているような現実感の無さ。
 あとであのときもっと「津波」への注意喚起をラジオから呼びかけていれば、少しでも人の命が救えたのではないか、と今何が起きているのか、これからどういうことになるのかイメージできなかった自分を責め、かなり後悔した。
 なのに、である。HIROSHIMAの日を忘れてしまう自分。
 忘れることができるから人間は生きていけるのだ、と言った人がいたが、忘れてはいけないことだってある。
 今日はそのことをもう少し考える日にしようと思う。
 
 
 今週末が東京湾大華火祭(これが正式名称。いわゆる東京湾花火)なので、何となく見たいと思い調べてみたが、花火が見えるレストランとかはどこも満員。
 そりゃそうか。今週末だもんな。ひとつ空席が出た店もあったがひとり3万円でイタリアンのフルコース。しかもこの日は特別で事前にきちんと書類を提出した上で招待状が届くシステムらしく、「申し込むなら招待状の発送の関係もあるので急いでほしい」と言われる。いくらなんでもふたりで6万円は高い。
 その上特に食べる動機もないイタリアンのフルコースとは、花火の前に具合が悪くなりそうだ。
 一般の見物場所はどうなっているのかと思い調べると、この花火大会を主催するのは中央区。
 その中央区のページに行ってみると、パブリックの見物スペースはあるのだが、整理券対応でもうすでに締切済み。
 やっぱり年に1回の花火大会。もうすでに遅し。
 
 しかしながら昔からこうしたイベントに向けて何かを準備することが僕は非常に苦手である。
 子供の頃も夏休みの計画とか立てたことがない。それは例えどんなに楽しい遊びの計画であってもだ。
 中学高校ではクラブ活動に明け暮れ、遊びの計画など立てる余裕もなかった。
 大学時代も大学ビッグバンドに参加して練習に明け暮れ、大学4年の3月初めにそのバンドのコンサートが終わったあとに、みんながする「卒業旅行」なるものの存在に気づき、ふと行きたくなったが3月のその時期から海外旅行に行けるはずもなく、ひとりで4泊くらいでなぜか金沢、能登半島を一人旅。
 なぜあのとき能登半島を選んだのかいまだに理由がはっきりしないが、恐らくそれまで旅したことのない場所に行きたかったのだと思う。
 青春18きっぷを買って電車とバスを乗り継ぎのんびりと半島を回り、日が暮れたらその町の観光案内所で宿を探し泊まる。そんな無計画な旅。
 でもそのときにたまたま出会った能登の「大社焼」という陶器。
 さわり心地が柔らかく、温かい不思議な感覚のやきもの。気に入ってコーヒーカップを購入、今でも愛用している。あれから24年の歳月が過ぎ去ったが欠けることもなく僕のそばにあるその大社焼のコーヒーカップはあの時の僕の存在証明でもある。
 計画性のない旅には僕はサプライズを求めているのかもしれない・・・などと恰好つけているが、実際にはきちんと準備して出かけたって旅には偶然の出会いが満ちているものだ。
 やはり準備できないだらしなさの言い訳に過ぎない。しかしながらその無計画な性格は治らず、今年はたぶん僕は月島のあたりを特に何も決めずブラブラしているだろう。
 果たして月島から花火を見ることができるかはわからない。たぶん見えるだろう、いや見えるんじゃないかな?まあ見えなくてもいいか、立ち飲みで酒呑んじゃえば。むしろその日のその時間の方が店が空いているかもしれない。
 ・・・なんて甘いことを考えているのだ。