家族ータロット78枚の物語―【聖杯の10】 | 占い師山吹海帆の「魔女の日記帳」

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魔女術、魔術をかじった魔女。
ハーブと料理とお笑いが好き。




虹がかかったそらを見上げる、一つの家族と思える人々。
夫婦(多分)は肩を寄せ合い、虹を見上げ子供達(これも多分)は、手をとって踊っている。
背景はのどかな田園で雲ひとつない空にかかった虹の中には10個の聖杯がデザインされている。

カードの意味は「幸福」「充実」
絵に描いたような幸福。
聖杯のカードは感情を意味しているので、それに関するものを全て手に入れて、満ち足りている、そうしたら、こうなるんだろうな、というデザイン。
(小アルカナの10という数字には到達点、という意味もあるし)

カードを見てると、感情、愛情の到達点って家族なんだろうな、って思う。
実際、カードの解釈として「1つのコミュニティにおける充足」ってのがあります。家族って無条件に相手を愛して、信頼して、護って、ってもので、家族があるから一人一人が社会に出て行った時に、嫌なこととかあっても頑張れるんだと思うんだけど。
それは「食わしていかないといけない」とか「母親だから」「迷惑かけたくない」という責任感やネガティブな感情じゃなく「家族なんだから」というもっと本能的なものなんじゃないかと。

ただ、この仕事をしているとその「家族」がなくなっている人が多いな、と感じる。
親子、夫婦、兄弟・・・そこにいつも損とか得とか、そんな計算をしている人が多い。
損するんじゃないかとびくついたり、どうにかして家族に勝ってやろう、という気持ち。
兄弟でライバルになることもあるだろう。けど、そこには徹底的に相手をやりこめるのではなく、負けた相手の努力を認めて次に繋げてやる気持の余裕があるべきなのでは。

家族がが苦手だ、という人によく出会うけど、それは、その人よりも、苦手だった人が家族である子供を護ることを忘れてしまったんじゃないででしょうか。無条件に愛することが出来なくて、子供のありのままを受け入れられなかったんじゃないか。

「家族にありのままを受け入れてもらえずに生きてきた人たち」を鑑定すると、内面の緊張が見えることが多い。この方たちは本音っていつ語るんだろう、って思う。
そういう立場の人達が意外に占い師に本音を語ったりするんだけど。

「癒し」とか「ヒーリング」がキーワードになるのは、そういう時代だから、かもしれません。