城壁のような中世(?)の建物を背景に、
ロールプレイングゲームから抜け出たような
男の子から女の子に聖杯に飾られた白い花を手渡す―
いかにも、大人向けの意味ありげなデザインが並ぶ
タロットカードの中で暖かい空気が漂ってくる。
「ほのぼの」したカード。
世間のわずらわしいことから守られて、
家族とのんびりすごす。
家族の誕生日を祝い、幼なじみと遊んで…
自分の実家に帰省したときのような、そういう空気のあるカード。
OLをやめた当時の私の生活がそれに近いものでした。
通勤ラッシュ、職場のノルマ、人間関係―
そんなもの全てから開放され、少しの貯金もあったので
お気楽に生活していました。
旅行したり、学生時代の友人に会ったり、ライブにも行きたいだけ行って。
けれども、結局その生活には満足し切れませんでした
守られて生活するのは楽。傷つくこともない。
けど、実はどこにも行けないカゴの鳥でもあって。
もちろん外出は自由だけど、結局、「家族」という輪の中でしか過ごせない。
そのつもりがないまま何時の間にか、「家族」に依存して生活している自分に気付きました
もちろん、家族と同居していても、独立出来ている人はいるのだけど、
私の場合は実家を離れているにも関わらず、心身とも依存していました
楽なのだけど、新しいことをやろう、という好奇心も気力を失っていました。
そこに気づいてしまった時
自分はこれからどうしていくのだろう、と悩み始めてしまい、
もう次に進まずにいられなくなっていました。
それから、いろいろな事があって
占いを仕事にするようになって今に至っています。
この空気は過去の愛しい記憶であった方が幸せなんだと思う。
遠い記憶の底から呼び起こすから、輝いているんだと思う。