中学時代のような楽し、楽しと感じる余裕は

全くなくて、練習に付いていくのに必死。

少しずつ周りが見れるようになるが

あまりにもの実力の違いに愕然とする。

レギュラー陣の守備練習

最初は声出すことに必死で

漠然と眺めている感じだったが

流れるような動きやスムーズな足さばきに

完全に魅了されてしまう。

声出すことも忘れどんどん引き込まれていく‥‥‥

これが高校野球なんや‥‥‥‥‥

みんな自信満々に動いているし、

その姿がカッコいい!

堅実に無駄な動きが全くない二游間に

矢のような送球をするキャッチャーの肩。

それ以上に魅せられたのは三塁手!

チームのキャプテン

男が惚れ惚れするんですよ(笑)

一つ一つがカッコよくて

漫画の世界のようでした。

圧倒された上級生の守備練習

自分達もこんなにうまくなるのだろうか!!

この気持ちは不安なんかではなく

期待感がどんどん高まり

テンションが上がっていくんですよね。

早く自分達もこの中に入りたいと。

そんな中、1年の投手陣はプルペンへ。

入部して初めてのピッチング練習。

テンションが上がったままマウンドへ

いいとこ見せようと意気込むんですよ。

1球、1球力を込めて

5.6球投げたぐらいかな?

キャッチャーの『ナイスボール!』

という声がどんどん大きくなる。

もちろんその声は自分に向けられたものではない

隣のピッチャーに。

負けた.......

自分の自信なんてぶっ飛んだ(笑)

負けないくらいに力を込めて投げるも

向こうはいわゆる『バーン!』

こっちは『パスン』

何度も何度もチャレンジするも

実力の違いをまざまざと見せつけられた。

半ば呆然としてるあとに

次々と上級生のピッチングが始まり

調子に乗って浮わついていた佐野少年の心は

打ちのめされていきました(笑)

そしていよいよエースの登板

後に甲子園を沸かしファイターズに入る

酒井光次郎さん!

上背もなく華奢な体から

切れのある糸を引くようなボール

コントロールも抜群で。

テンションがどんどん下がるわけですよ。

違いすぎると‥‥‥‥‥

その日から毎日練習をこなしつつ

日々を何とか過ごすのですが

自分で何をしたらいいのかも分からず

自信をつけるどころか

自信をどんどん無くしていく(笑)という

残念な状況に陥るわけなんです。

練習は当然ながら厳しい。

上級生も厳しい。

煩わしいことばかりで

心が何度も折れそうに‥‥‥‥‥

そんな気持ちを救ってくれたのは

同じ野球部の仲間達。

日頃から励ましあい、時には大いに笑い

頑張ろうぜ!と

熱い気持ちにさせてくれたからこそ

続けることが出来たと思います。

ただ、向上心だけは

なかなか上がらないんですよね。

仲間といるのは楽しいし、

先輩達の姿を見るのも楽しい。

自分に力を付けようではなく

この空間にいることだけで

自分に満足するようになってきたんですね。

自分を高めることを全くせずに。

何度も心が揺れ動いた高校時代。

まだまだ続きます(笑)

振り返ると多くの気づきがあった3年間

まずは序章ということで(笑)

みんなかがやけー!