読書の秋。久しぶりにいい小説を読んで
見事なストーリー展開に興味を持った。
宮尾登美子さんの小説「錦」。
大阪の船場と京都の西陣を主な舞台にして
織物をめぐる、男女の愛と悲しみを描いた女性作家の力作。
この小説のくだりに
「お口のべっぴん}の言葉が出てきたのでおもしろかった。
京言葉の一種である。
その言葉の含意は、京都には美しい顔立ちの人がいるが
言葉上手に言う人には、気をつけてくださいと。
さらに調べてみると、京都は歴史的に
政権争いが絶えず、自分の身を守り相手にも傷をつけたくない目的で
直接的な言葉を避け、婉曲的な表現が発達したという。
その背景から、「ぶぶずけでもどうですか」の、いけずが出てきたのかも。
小説では確か一回だけの、「お口の~」文言の登場だった。
錦秋という季節だが、錦繍とも表現され、これは錦が絡んで
織物の表現にもつながる。
「錦」の小説の出版 中央公論社

