
播磨灘に臨む室津の港。海に面した付近の
海の色と海岸線がきれいだ。場所の名は、平成の大合併で
たつの市御津町室津に変わった。
古い歴史に包まれた町である。
その昔は「遊女発祥地」とも言われた。
そのへんのいきさつは、室町時代末期の室津を舞台にした谷崎潤一郎の小説「乱菊物語」に詳しい。
戦前の朝日新聞に連載された未完の大作。
当時の遊女は芸や教養を身に付け、格式が高い存在。
高嶺の花だったそうで、その名残りと伝統は
京都・島原の太夫や、江戸・吉原の花魁(おいらん)にも継がれているようであった。

今も室津の古い町並みは残り
家の佇まいに、タイムスリップする感じを覚える。
様々な遺跡、歴史的逸話が残され興味深い。
歴史の町の反面、漁港の側面を持っている。

室津は江戸時代には、参勤交代の西国大名の
船着場としての役割を果たして栄えた。
当時としては、日本有数の宿場だったそうである。
今は漁港の様相が強い。


室津は切れ込んだ入江にあり
自然に恵まれた漁港。
漁師さんに話を聞くと、朝4時半に船を出し
夕方4時頃に、漁を終え帰って来るそうである。
底引き網が多そうだが、今は水揚げは少ないとこぼしていた。

ちょっと漁獲の中身を覗かしてもらうと、カレイやえびに加えワタリガニが目立った。
ワタリガニは、冬の日本海のタラバガニとは異なる
旨さがあるようだ。

夕方には帰港の漁船が
後ろに波跡を見せながら、次々とその姿を見せる。

帰りは、夕日が彼方に沈みかけていた。
室津は国立公園内で、やはり水際の播磨灘、瀬戸内の
海がきれいだ。
次は、歴史的景観の雰囲気が残る、室津の町を散策してみたくなる。