

川のある町はなつかしい。
川のある町はうつくしい。
川のある町はゆかしい。そして川のある町の女もまたなつかしく、
うつくしく、ゆかしい。
これは、作家の瀬戸内寂聴さんのエッセイ「京のみち」の一節である。
さらに。
鴨川の美しさはいうまでもないが、京都は、あてどもなく足まかせに道を歩いていくと
必ず、どこかで川にめぐりあう。
どんなささやかな川にも橋がかかっていて、その橋のひとつひひとつに
歴史がしみこんでいる。

京都の川は鴨川が中心だが、西の嵐山には大堰川、桂川がある。
かつての大阪ほどの水の都ではなさそうだが
それに近く、実質的には盆地に囲まれた水の都だったともいえよう。
鴨川の水を産湯(うぶゆ)に使うと、京美人になるという言い伝えは
今ではいわれなくなったが、むかしはそういう俗説が流布されたいたらしい。
瀬戸内さんはさらに
私は川が流れているから京都がこよなく好きなのだと思っていると
このようにも表現している。
もっとも、この本は20年以上前に出たものだけに
今の川の風情は、格段に変貌していると思われる。
それにしても、鴨川は四季を通して趣がある。
やはり鴨川などを抜きに、京都の存在は考えらえないように思う。
ちなみに、山本富士子主演の「夜の河」が
かつて映画界で話題を呼んだようだ。
これも京都が主なテーマになっていて
まだ記憶に残っている。この川は高瀬川か堀川だったか忘れてしまった。