


予報では、天気が良さそうで
きれいな月が見えるかもしれない。
中秋の名月には、ススキや萩の花を
月見団子と共に月に供える風習がある。
今はこうした伝統のイベントも
一般家庭では、少なくなってきたのではないか。
ところで、萩(ハギ)の花は日本人好みで
むかしから親しまれてきた。花ぶりは
華やかではなく、どちらかといえば地味な感じ。
とはいえ、雨上がりの萩は露を含み
独特の風情があるように思える。
秋の七草のひ一つでもある。
万葉集にも出てくる花のトップは梅で
二番目は萩。字は草かんむりに秋と書く。
秋を代表する花か。現在は花への趣向も
変わり、一概にそうとも言えないが。
本題の萩のおもしろ異聞。
「萩大名」という狂言がある。
ある大名が、萩自慢の家に招かれていくが
ほめ言葉を知らない。
行く前に太郎冠者から、一首の歌を教わる。
「七重八重九重とこそ思ひしに、外(と)へ咲きいづる萩の花かな」
大名はなかなか暗記できない。そこで
その場になったら、太郎冠者のスネの部分を指してもらい
萩を思い出す事にする。
ところが、本番になって大名は
「外へ咲きいづる太郎冠者のムコウズネ」と言って失敗する。
狂言とはいえ、半信半疑(はぎ)のストーリー。
ちょっと無理がありそう。
参考 ことばの歳時記(金田一春彦 新潮文庫)