
集団的な言葉遊びとして行われた
なぞなぞ遊び。
有名な一句を紹介。
はゝには二たびあひたれどもちゝには一どもあはず くちびる
謎解きの説明である。
母の発音は中世(鎌倉時代)以前は、ファファであった。
近世(江戸時代初期)以後、ハハに変わる。
ファファならば、両唇は二度会うが、父の発音では
唇は離れたままで、合わされることはない。
当時の京都の人は、H音ではなくF音で発音していた事実を
立証する有力な国語資料になっているといわれる。
ちなみに、ハ行音は原始時代にはパ(P)行の音であったとされるが
奈良朝以前からF音に変化し、室町末期までこの状態が続いた。
ナゾは、何ぞ?と問いかける言葉を名詞化したもので
平安期には謎物語と呼ばれていた。
本来は謎掛けを楽しむものではなかった。
歌物語などと並んで、幼い者に文芸関係の知識、故事を
教える方法、形式だったと考えられる。
これに言語遊戯的な技巧が加えられ、回答者を煩悶させ
降参させて喜ぶのを目的にするナゾが工夫されるようになる。
問いかけられた者は、明快に答えて相手の鼻を明かす事に
習熟する。これによって、言語遊戯としての
ナゾが形成された。
現代のネットプログも、こうした一面を持っているようにも思える。
顔の見えない人とのコメントのやり取りをはじめ言語明瞭、意味不明の若者言葉や
記号的な絵文字などはその類に近似しているようだ。
言葉は時代と共に変化する。今風の謎解きが進行している。
最後にもう一句。
仏 くさり
答えは苦去り(鎖)。
※ 参考 中世なぞなぞ集(鈴木棠三編 岩波文庫)