







皇族関係の門跡寺院が多い。
特定の有力な寺院の住職には
皇族出身者に限ってなれる制度があった。
いわゆる門跡制度である。当時の寺院側すると
その権威を飾って、天皇家との縁故を
固める意味で便宜が多かった。一方では
増える皇族の処遇のもっともらしい名文ができるメリットがある。
皇族と寺の関係は東本願寺などにもみられる。
京都・山科にある勧修寺は代表的な門跡寺院である。
朱雀天皇の天慶五年(942年)から明治維新(1867年)までの
925年間に32代の法親王を迎えた。
このように皇室との特別関係の寺だから、名正天皇下賜の
宸殿、書院や霊元天皇下賜の本堂といった江戸時代の
宮廷建築が移されている。
歴史的な関係は別にして、この寺は静かなたたずまい。
地を這うようなひのきが、境内の一角を取り巻く風景も見られる。
樹齢750年で、京都の巨木のひとつにあげられている。
また、平安時代の面影を残す名庭もある。いまは境内のサルスベリの
ピンクの花が咲き、時折、池の林に住みついているしらさぎが
青い夏空に舞い上がり、すけて見えるその羽の形がきれいだ。
※ 参考 京都の旅(松本清張 樋口清之著 光文社文庫)