「騙してたのね、私たちを」
「ボクは魔法少女になってくれって、きちんとお願いしたはずだよ」
「実際の姿がどういうものか、説明を省略したけれど」
「なんで、教えてくれなかったのよ!」
「聞かれなかったからさ」
「知らなければ知らないままで、何の不都合もないから」
人間は身体が滅べば、精神も失ってしまう。
そんなことにならないように、しっかり守れるようにしてあげたというキュゥべえ。
しかし、さやかは、そんなことは大きなお世話だと。
「キミは、戦いを甘く見過ぎだよ」
「例えば、お腹に槍が刺さった場合、肉体の痛覚がどれだけ刺激を受けるかっていうとね」
「うっ…」
「これが本来の痛みだよ、ただの一発でも動けやしないだろ?」
「キミが杏子との戦いで最後まで立っていたられたのは、強すぎる苦痛をセーブされていたからさ」
「慣れてくれば、完全に痛みを遮断することが出来るよ」
「もっとも、それはそれで動きが鈍るから、あまりおススメはしないけど」
「なんでよ…どうして、私たちをこんな目に…」
「戦いの運命を受け入れてまで、キミには叶えたい望みがあったんだろ?」
「それは間違いなく、実現したじゃないか」
「…」
「キュゥべえは、どうしてこんな酷いことするの?」
「アイツは酷いとさえ思っていない…人間の価値観が通用しない生き物だから」
「なにもかも、奇跡の正当な対価だと、そう言い張るだよ」
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さやかは、ただ上條の手を治したかっただけなのに、こんなのはあんまりだと言うまどか。
しかし、治るはずのない上條の手は治った…奇跡であることは変わらない。
その奇跡を売って歩いているのが、あのキュゥべえなのだと。
そして、さやかは、もう普通の生活には戻れないし、まどかに、さやかを救う手だてなど無いと。
「ほむらちゃん、どうしていつも冷たいの?」
「そうね…」
「きっともう、人間じゃないから…かもね」
自分の置かれている状況に戸惑うさやか。
そんなさやかを杏子は外へと呼び出す。
杏子に連れられてやって来たのは、朽ち果てた教会だった。
「ちょっとばかり長い話になる」
「食うかい?」
「!?」
「食いものを粗末にするんじゃねぇ…」
「殺すぞ」
ここは、杏子の父親の教会…人のために尽くせる、優しすぎる父親だった。
新しい時代を救うには、新しい教えが必要だと考えた父親は、教義に無いことまで説教するようになった。
そのせいで、信者は離れ、本部からも破門される…誰も父親の話を聞こうとしない。
どんなに正しいことや当たり前のことを話しても、世間からは鼻つまみ者扱い。
そして、杏子たちは食べる物にも困るようになった。
父親は間違ったことを言っていなかった。
5分でもいい、ちゃんと耳を傾けてくれれば、正しいことを言っていると誰にでも分かるはず。
だから、杏子はキュゥべえと契約し、みんなが父親の話を聞いてくれるようにと願った。
すると、父親の元には人々が集まり、信者も増え始めた。
杏子も魔法少女の務めを果たすべく、魔女退治に励む…自分と父親で表と裏から、この世界を救うのだという気持ちを胸に。
だが、父親は気付いてしまった…信者たちが信仰ではなく、魔法の力で集まって来たのだと。
そして、杏子のことを、人のことを惑わす魔女だと罵った。
真実を知り、壊れた父親は、家族を道連れに無理心中をした…杏子一人を残して。
他人の都合も知りもせず、勝手な願いごとをしたせいで、結局みんな不幸になった。
その時、杏子は心に誓った…もう他人のために魔法は使わない。
この力は、全て自分のために使いきると。
「なんで、そんな話を私に?」
「アンタも開き直って、好き勝手にやればいい…自業自得の人生をさ!」
「それって変じゃない?」
「アンタは自分のことだけ考えて生きているはずなのに、私の心配なんかしてくれるわけ?」
「アンタも私と同じ間違いから始まった」
「これ以上、後悔するような生き方を続けるべきじゃない」
「アンタはもう対価としては、高すぎるものを支払っちまってるんだ」
「だからさ、これからは釣銭を取り戻すことを考えなよ」
「あんたみたいに?」
「そうさ!」
「あんたのこと、いろいろ誤解してた…そのことはゴメン、謝るよ」
「でもね、私は人のために祈ったことを後悔していない」
「その気持ちをウソにしないために、後悔だけはしないって決めたの…これからも」
「私はね、高すぎるものを支払ったなんて、思ってない」
「この力は、使い方次第でいくらでも素晴らしいものに出来るはずだから」
「それからさ、あんた」
「そのリンゴはさ、どうやって手に入れたの?お店に払ったお金はどうしたの?」
「言えないんだね」
「なら私、そのリンゴを食べられない、もらっても嬉しくない」![]()
「バカ野郎!!」
「私たちは魔法少女なんだぞ!他に同類なんていないんだぞ!!」
「私は私のやり方で、戦い続けるよ」
「それがアンタの邪魔になるなら、前みたいに殺しに来ればいい」
「私は負けないし、もう恨んだりしないよ」

翌日、いつものように元気に登校してくるさやか。
だが、自分には何も知らせずに登校する上條の姿を見て、表情が曇る。
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その日の放課後、仁美に呼び出されるさやか。
まどかやさやかに隠しごとをしていたという仁美…それは、上條のことが好きだということ。
そして、さやかが上條のことを好きなのも、前々から気付いていたとも。
だから、上條との付き合いが長いさやかには、自分の先を越す権利があると言う仁美。
明日の放課後、自分が上條に告白する前までに、気持ちをちゃんと伝えるか、考えておいてくれと。
「ついてって、いいかな?」
「さやかちゃんに、一人ぼっちになって欲しくないの…だから」
「あんた…なんで…なんで、そんなに優しいかな…私には、そんな価値なんてないのに」
「わたしね、今日後悔しそうになっちゃった」
「あの時、仁美を助けなければって、ほんの一瞬だけ思っちゃった」
「正義の味方失格だよ…マミさんに顔向けできない」

「仁美に恭介を取られちゃうよ…でも私、何も出来ない」
「だって私、もう死んでるんだもん、ゾンビだもん」
「こんな身体で抱きしめてなんて言えない、キスしてなんて言えないよ…」
「ありがとう、ごめんね」
「もう大丈夫、スッキリしたから」
「さあ行こう!今夜も魔女をやっつけないと!」
魔女と戦うさやかを、結界の外から見ている杏子。
それを意外に思うほむらだが、今日のさやかは、使い魔ではなく魔女と戦っている…無駄な狩りではないと。
「そんな理由で、あなたが獲物を譲なんてね」
「…ちっ、あのバカ、てこずりやがって」
魔女相手に苦戦するさやか。
「さやかちゃん!!」
「まったく、見てらんねぇっつうの」
「邪魔しないで…一人でやれるわ」
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「ホントだ」
「その気になれば、痛みなんて…あはははっ」
「完全に消しちゃえるんだぁ!」
「やめて…もう、やめて…」
「私は人間をやめるぞ!まどかぁぁぁ!!」という声が聞こえてきそうなほど、壊れてしまいましたね。
仁美が本当に上條くんのことが好きなのか、さやかを焚きつけるために、あんなことを言ったのか不明ですが、いずれにせよ、もう結ばれることが許されない事実は変わらないですから、さやかにとっては同じことですよね。
仁美に向けた感情も、仁美が違ったとしても、今後、上條くんが好きになる他の人に向けられるものですから。
これで、本当はケガなんて治って欲しくなかったと上條くんが言ったのなら、さやかを支えている後悔はしないという気持ちもバラバラに破壊され、精神が崩壊してしまいそうですよね^^;
なんか、ラストの様子からすると、さやかは魔女になってしまいそうな雰囲気があって恐いです。
それにしても、まどかは本当に優しい子ですね!
自分に中に湧き出してきた負の感情を吐露するさやかを、何も言わず抱きしめてあげるとは…
本当に中二なのか?なんという母性!!
そして、マミさんのあんな姿を見ても、まどかはさやかと一緒にいたいと言ってあげられるんですよね。
もちろん、マミさんとの約束から逃げたという負い目もあると思いますが、それでも、死と隣り合わせな場所にも関わらず、さやかを一人にさせたくないと思える気持ちは凄いですよ。
やはり、まどかをこのように突き動かすのも、マミさんが寂しがっていたことを知ったからでしょうね。
マミさんの死は、この2人の行動に、かなり影響を及ぼしていますよね。
そして、良い子といったら、杏子も!
さやかに、妙に突っかかっていたのも、昔の自分と重ねていたからなんですね。
やり方は不器用ですが、自分と同じ思いはさせたくないという気持ちなんでしょう。
それに、やっぱりマミさんと同じく、杏子も寂しいのかな?
ほむほむが仲間と言う言葉を口にした時も、ちょっとデレていた感じでしたしw
結局、みんないい子なんですよね。
途中はどうであれ、ラストはそれぞれが希望を持てる最後にして欲しいです…本当に。
そして、こんな子たちをダマしているキュゥべえは、絶対に許さない!!
説明を省略しちゃダメだろ!!!
◇今日のプチお気に入り!◇
今日は、まどかと2人っきりで話せて、ご機嫌な(?)ほむほむw
今回の会話からすると、なんかループ世界な気がしてきましたね。
いくら説明しても信じてもらえず、説明するのをあきらめてしまった感じがしますし。
戦いを甘く見過ぎだと言って、首を振るキュゥべえ…超殴りたいwww
そして、苦しむ少女を見て、ほくそ笑んでいるようなキュゥべえ。
この人、ほんとに鬼や!!
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