作品名:攻殻機動隊S.A.C 2ndGIG
原作:士郎正宗
攻殻機動隊S.A.Cの世界観を再度説明する。核戦争によって日本の首都、東京は放射能汚染によりすでに壊滅しており、現在の首都は福岡県に位置し、日本の最大都市は関西地方の新浜県新浜市である(作中の架空都市)。電脳化技術及び義体化技術が急速に進歩を遂げており、サイボーグやアンドロイドが混在した社会となっている日本。この作品は電脳犯罪を始めとしたあらゆる社会犯罪を優れた情報力や武力で取り締まる電脳武装非公然超法規組織、公安9課を中心としたアニメである。トップが荒巻大輔、女性サイボーグの草薙素子(公安9課では少佐と呼ばれている)が隊長である。
電脳硬化症ワクチンをめぐる笑い男事件を取り扱った攻殻機動隊S.A.C。その2ndシリーズのテーマは招慰難民。招慰難民とは大戦後に日本が復興のための安価な労働力として周辺国から招いたアジア系難民のこと。やがて日本国民の職を奪う厄介者として非難を受けるようになった。村井ワクチン問題で失脚した前首相に代わり新しく誕生した日本初の女性首相、茅葺(かやぶき)は招慰難民政策の転換を図るものの事態は一向に改善しない。「個別の11人」なる組織が招慰難民の解放を目的に活動するが、その活動実態は政局をさらに混乱させる要素でしかなかった。この組織が日本国内の中国大使館を占拠する事件を皮切りに物語が始まる。テロリスト「個別の11人」とは何か?正体を暴こうと奔走する公安9課。なんと正体は「初期革命評論集」(五・一五事件を扱った論文集)内に存在するコンピュータウイルスだった。やがて「個別の11人ウイルス」に感染したテロリスト「個別の11人」は世間を震感させる行動を起こす。ビルの屋上で集団自決を図ったのだ。しかし11人のうちたった一人、クゼ・ヒデオのみが自決を図らずに逃亡した。
クゼは元軍人であるサイボーグであり、公安9課のメンバーであるバトーを遥かに凌ぐ戦闘力と彼の類まれなカリスマ性により、後に300万人の招慰難民のリーダーとして日本政府と対峙することになる。招慰難民の最大居住区である出島に核を持ち込み、独立を図ろうとするクゼ。茅葺首相と共にクゼの行為の阻止を試みる9課。しかしこの一連の騒動の裏でうごめく怪しい影。そもそも「個別の11人ウイルス」を作ったのは誰なのか?招慰難民を救おうとするクゼの信念は何なのか?草薙は最終的にクゼと出会うが、この二人には過去にある繋がりがあった。
前作より政治色の濃い作品である。公安9課に配備されているアームスーツ、タチコマは今作でも感動的な活躍を見せた。公安9課のメンバーが貫く正義の戦いをぜひ観て頂きたい。
以下のサイトさんよりキレイな画像を貼らせてもらいました。