作品名:攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
原作:士郎正宗(本名:おおた まさのり)通称シロマサ
攻殻機動隊第三弾。2クール全26話で本編の主要話は「笑い男事件」。一話完結の話もあり、これを「a stand alone episode」、本編を「complex episode」と呼ぶ。一話完結は緑、本編は青だ。攻殻機動隊の世界観を簡潔に解説する。マイクロマシンを脳内注入して電脳化し、ロボット技術による身体の義体化することがもはやあたりまえで、こうした人間をサイボーグと呼ぶが、当然普通の人間も存在している。アンドロイドも存在しており、様々な人間が混在する社会。関東地方が核攻撃で放射能汚染を浴び、現在日本の首都は福岡。神戸付近の新浜県新浜市(この物語でのみ存在)が重要都市として位置づけられている。このアニメは新浜市を拠点として社会犯罪の防止を目的とする組織、公安9課をめぐる話である。荒巻大輔が実質上9課のトップであり、以下草薙素子を隊長とした少数精鋭のこの組織は政府直轄であり、上部から多額の資金援助を受けている。では話を本編に戻そう。
「笑い男事件」とは医療用マイクロマシンの販売開発を行うセラノゲノミクス社の社長、アーネスト・瀬良野誘拐事件を発端とした一連の企業脅迫事件のこと。ウイルスプログラムを撒き散らし、サイバーテロを行う劇場型犯罪で世間を震撼させた。犯人は凄腕のハッカーで、次のようなマークを頻繁に用いる傾向がある。
マークの周辺に書かれた文章は、「I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes.」「僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えたんだ」(J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』からの引用)。この言葉の意味が事件の真相と大きな関係があり重要だ。また、アーネスト・瀬良野氏誘拐事件とその後の事件が本当に同一犯か、あるいは別の人間が模倣しているだけなのかも重要な点である。攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX物語の鍵となるのは物語後半に明らかになる電脳硬化症の治療薬「村井ワクチン」とマイクロマシンの関係、笑い男の正体とその目的だ。まだ観ていない方はこの点を頭の片隅にでも入れておくと良いだろう。真相は思わぬ方向に進み、特に終盤は目が離せないほど面白い。次回紹介する攻殻機動隊S.A.C.2ndGIGよりも終盤の戦闘は激しいものだったように感じた。9課がここまで追い詰められるとは‥全26話は長いですがぜひ観ていただきたい傑作だ。



