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例えば―例えばだ。
彼が恋などでもしようものなら、一体どのようになってしまうのだろうか。
僕は考える。彼の考えていることを。
他人からはわかりやすい、と言われている彼の事を。
自分だって彼が見た目どおりの、堅物で、自己中心的で、それでいて自分のためになることならば平気で柔軟なものの考え方―悪く言えば陰険な―をする人間だと解ってはいるし、それから矜持が驚くほど高く、背も高く、鼻も高――あれは、高いと言っても差し支えないのだろうか。
「おいハスモダイ。ぼーっとするだけなら出て行け」
それはまったく差し支えある。とでも言うようにヒースマがハスモダイの頭を書類でぱこんと叩いた。
ハスモダイは一瞬、自分の思考を読み取られ、鼻についてのツッコミを入れられるのかと思ったが―
彼はいつもの様子でカリカリしているだけだった。叩かれた頭の痛み具合から言って、本日の機嫌はそれほど悪くなさそうだ、とハスモダイは真剣に思った。傍から聞いたら笑いの起きる考察だ。
「ぼーっとなんてしてないよ。考え事してたんだ」
「――どうせくだらないことだろう。新作のポエムだとか、どこぞの誰の噂だとか―」
ヒースマが溜息をつきながら自分より何歳か年下の同僚を見下ろした。
あどけない瞳がじっとこちらを見上げて、なんだか異様に真摯な色をしている。
「君のことだよ」
「―――は?」
「君のことを考えてた」
まったくの真顔で言ったハスモダイに対して、ヒースマは口を半開きにしながら数秒固まった。そのあと、ハスモダイはあまりにも見たことのない―それこそ世にも珍しいものをみて、さきほどのヒースマと同じようにぽかんと口をあけっぱなしにした。
ハスモダイの言葉に、ヒースマはばっと耳まで肌を真っ赤にして、無言で身をひるがえしたのだ。
「――は、」
自分の口元から抑えきれない笑い声が響いてしまって、あわてて口元をおさえた。
「―っふ、あはは、なんだヒースマってば――」
案外かわいいところがあるんだ。そんなことを思いながら爆弾を落としたことにはさも気付いていないような「フリ」をしながら、ハスモダイはころころと、嬉しそうに笑うのだった。
――――――
ごっ
ごめんなさい…!(ぎゃああ!)
基本的にわたしの文章の書き方はそりゃーもう突発的で、
冒頭の「例えば―」の文の時点ではまだ誰を書きたいのかも何を書きたいのかも決まってません
あとは勝手に手がうごいてフィーリングで書き連ねて、長編でもないかぎり途中で手を止めないので
書き終えてみればあらびっくり。なんでヒーハス!?!?どうしたわたし!!!!好きですけど、自分で書くことがあろうとは!
すんませんなんか、ハスモダイが勝手にやったんです(最低)